10分でわかる 転職を考えたら読むべき本「科学的な適職」

ビジネス本の書評

転職や就職は難しい問題です。

自分に合ったものがいいですし、将来性があるものがいい、直感に響くものがいいとこだわりがいっぱいあることでしょう。

しかしそれらの条件は全くもって幸せには直結しないですし、それらの条件では一生自分の適職を見つけることはできません。

今回紹介する「科学的な適職」という本では、正しい職業の選び方と会社を選ぶ上で気をつけるべき点が研究データベースで語られています。

転職や就職を考えているすべての方に一度は読んでほしい本です。

この記事では、そんな「科学的な適職」について、10分でわかるよう内容要約をしていくともに、大事にすべき点を僕なりに絞って書いていきます。

では、行ってみましょう!

ORANGE BLOG オリジナルロゴ
スポンサーリンク

本書の概要

ページ数

全247ページです。

読むのにかかった時間

毎日10分ほどの読書時間を確保して3週間ほどかかりました。

ざっと3時間ほどあれば読破できる量だと考えられます。

構成

構成は最初にこれまでにありがちな職業選択の幻想を砕く理論を展開したのちに、幸福のための職業選択に必要な項目、幸福とは正反対の職場の特徴、バイアスという人間の思い込みを取り除くための具体的手法が書かれています。

鈴木祐さんが書かれているので、基本研究ベースになっていますので、根拠が明確に示されています。

タイトルである通り科学的な知見からの就職へのアドバイス本となっています。

現在Amazon Prime会員なら無料でKindle版で読むことができますので、ぜひチェックしてみてください。

職業選択にありがちな間違い7選

「科学的な適職」では職業選択でやりがちなものの実は科学的には良くない職業選択方法について7つまとめて紹介されていました。

それが次の7つです。

 1. 好きな仕事を仕事にする

 2. 給料の多さで選ぶ

 3. 業界や職種で選ぶ

 4. 仕事の楽さで選ぶ

 5. 性格テストで選ぶ

 6. 直感で選ぶ

 7. 適正に合った仕事を求める

これら7つの方法のいずれかで選ぶ場合は科学的には幸福度が上がらないという話になります。

ですので、選ぶのであればこれ以外の方法で選ばないと適職に就ける確率は下がってしまうということです。

この場ではこれら7つのうち僕が特に心に残った3項目について、深く書いていきます。

好きな仕事を仕事にする

好きを仕事にするべきという話をよく聞くと思いますが、科学的にはこれは間違っていると「科学的な適職」では書いているのです。

結構驚きの話から始まるので僕はかなりのめり込んで読むことになりました。

実際Appleで有名なスティーブ・ジョブスたちの例を挙げつつ、研究ベースで説明がなされていました。

好きを仕事にして成功したよという方の大体は仕事をやっているうちに好きになっていった人たちであるという特徴があったのです。

最初から好きで仕事をして、それが成功につながったという方は非常に少なかったそうです。

また科学的な話だと好きな仕事をしてようがしていまいが幸福度の関係性には影響しません。

2015年ミシガン州立大学が「好きなことを仕事にするものは本当に幸せか?」というテーマで大規模な調査をした結果も載っていて、その結果では好きを仕事にしている人は最初だけ幸福度が高いものの、1~5年というスパンで見ると幸福度は好きを仕事にしない人の方が高くなったのです。

僕は好きを仕事にしているわけではないですが、確かにやっているうちに仕事が好きになる気持ちはわかるような気がしました。

やはり達成感を感じた時などにだんだんと好きになっていくのが本当に自分にあった仕事なのかもしれないなと感じました。

給料の多さで選ぶ

僕は基本給料の高さで仕事を選ぶのが最終的には良いと勝手に思い込んでいましたが、早速「科学的な適職」で指摘されてしまいました。

給料の高さで仕事を選んでしまうのは、幸福度を感じる面から考えると非効率的なんだそうです。

また年収400~500万円くらいで幸福度アップの伸びはかなり悪くなっていくようで、他のライフイベント仲が良いパートナーとの結婚や健康レベルが普通からちょっと良いに改善する方がよっぽど幸福度が上がるそうです。

1円でも多くの給料がもらえる会社と考えていた僕としては、かなり衝撃的な話でした。

「科学的な適職」ではさらに給料が上がった効果は1年しか続かないという話もありました。

実際僕も社会人になってからは初めて給料をもらうようになってから1年目はかなり浮かれていました。

決して社会人の平均からすると高くはないのですが、学生の頃と比べたら雲泥の差があるくらいもらえたのです。

ですが、それも2年目からは給料アップに不満だったり、もっとお金が欲しいという感情に今はなってしまっています。

このように給料が上がっても一年くらいで慣れてしまい、もっともっとと追い求めて本当の幸せが逃げてしまうということに繋がりかねないのです。

こういった面からも幸せ=お金では決してないことがわかりました。

性格テストで選ぶ

「エニアグラム」という性格診断方法をご存知でしょうか?

かなり信憑性が高いと言われている性格診断テストですが、これってタロット占いと大して変わらないレベルの話なんです。

9つのタイプに分けるものの似通ったタイプが隣同士にあったりしますので、自分に合っている方を勝手に思い込みで性格として認識してしまったりするようです。

他の性格診断テストであるMBTIやRIASECについても思っている以上の効果がある性格テストは存在しないというのが「科学的な適職」の結論になっていました。

あくまで参考程度の就職先のアイデアの一つにするというのが良いそうです。

僕の話になりますが、僕が学生時代やった性格テストで出た結果はまさかの「芸術家」でした。

何の参考にも目指すか否かはそいつの芸術的センスの話やろ!と思ったのを思い出しました。

性格テストで就職先を選ばなくって良かったと思いますw

幸福度が上がる仕事の7項目

「科学的な適職」では職業選択時の助けになる幸福度が上がる項目というのも紹介されていました。

以下7つの項目になります。

 1. 自由

 2. 達成

 3. 焦点

 4. 明確

 5. 多様

 6. 仲間

 7. 貢献

この記事では、僕が気になった3つの項目について深掘りしていきます。

自由

数ある研究の中で最も幸せを左右する要素が自由であるか否かなのです。

自由というのは作業を実行するスケジュールを好きに設定できるやタスクの内容を好きなように選ぶことができるといった項目のことで、これらの自由度が高い職場ほど仕事への満足度や離職率が下がることが研究によってわかっているのです。

自分の裁量権がどれほどあるかについてはぜひ確認していただきたい項目ということになります。

僕も働いている中で、割り振られたタスクをどのようにこなすかは自由にできているので、そこはありがたいなと感じています。

ちなみに自由度がない会社の場合、タバコを吸っている以上に体への悪影響があるようです。

仲間

「職場に3人以上の友達がいる人の人生満足度は96%も上がり、同時に自分の給料への満足度は2倍になる」という結果が得られたアメリカの500万人を対象とした研究があります。

実際働いてみなくてはわからないポイントのように思われますが、見極めるポイントとして、自分に似た人がどれだけいるかをチェックするのが良さそうです。

相手との考え方や性格、外見やファッションといった要素がいずれか合っていればかなり好感度は高まると「科学的な適職」ではありました。

こういった要素を含めるだけで幸福度が変わってくるのは、「科学的な適職」を読んでいないと知り得ない話だったと思います。

貢献

最後に紹介したいのが貢献という項目が幸福に関わってくるという話です。

最も満足度が高い仕事トップ5と聞いて何が思い浮かぶでしょうか?

・聖職者

・理学療法士

・消防員

・教育関係者

・画家・彫刻家

というのがシカゴ大学で行われた調査結果だそうです。

どの職業も他人を気遣い、他人に新たな知見を伝え他人の人生を守る要素を持っている点で共通しています。このことから、いかに他人の生活に影響を与えられているかというポイントが幸福度に関わってくるというのがわかります。

また他人の役に立ったと自覚すると、脳からはドーパミンが溢れ出し、嬉しい気持ちでいっぱいになるのです。

科学的にも証明されている内容で、ヘルパーズハイと呼ばれる現象だそうです。

「情けは人の為ならず」という言葉通り、他人のためにやったことは自分の幸福のために、ドーパミンを得るためになるのです。

科学的な会社の選び方

ここまで紹介してきた良くない仕事選びの仕方や幸福になるために注意するべき点を正確に見極めるのが、実は人間一番難しいのです。

聞いたことのある会社の話はなんとなく綺麗に聞こえたり、聞いたことのない会社の話は胡散臭く感じるといった先入観が邪魔をしてなかなか正しい判断ができないというのが人間の性というものです。

ここからは的確な判断をするための方法について二つご紹介します。

これらのうちいずれかを用いれば、先入観をできるだけ排除し、冷静かつ論理的な判断を下すことができるようになります。

10/10/10テスト

10/10/10テストとは、ジャーナリストのスージー・ウェルチが開発した意思決定のフレームワークになります。

10をキーワードにした三つの選択肢について考えるのが10/10/10テストです。

・この選択をしたら、10分後はどう感じるだろうか?

・この選択をしたら、10ヶ月後にはどう感じるだろうか?

・この選択をしたら、10年後にはどう感じるだろうか?

短期、中期、長期目線で選択肢を精査することによって、転職すべきか?

本当にこの就職先で良いのかを考える助けになるのです。

これは自己を拡張する手法で知られていて、自分のことを客観視することができるので、かなり信憑性や冷静さを持って物事の選択ができる方法になります。

転職だけでなく、さまざまな意思決定に使えますのでぜひ使ってみてください。

イリイスト転職ノート

いろいろな視点で物事を見るために役に立つ手法が「イリイスト転職ノート」です。

元は三人称で日記を取るという手法なので、「イリイスト転職ノート」も三人称で考えるための手法になります。

手法としてはシンプルで以下のことを1日の終わりにするだけです。

・自分がその日に行った就職、転職に関する意思決定の内容を三人称で書き出す

・日記には最低でも15分かけ、2段落ぐらいの文章を書く

どんなことを決めたかやどのような流れで決定したのかといったポイントに注意しながら、書き留めることが大事になります。

具体例としては、こちらです。

「逆求人型就職サイト経由で、衣類メーカーからメッセージが来た。とりあえず”彼”がネットでその企業について調べみたところ、自社で製造ラインを一部作っていることがわかった。

これは”彼”が重んじる「多様」の考えにも一致することから、1Dayインターンへの参加を決めた。

”彼”が期待するのは「どこまで多様性があるかを確かめられるか」というポイントだ。

インターンへの参加を決めたことで事態が一歩進み、”彼”は良い気分になっている」

ここで”彼”といっているのは、自分のことになります。

自分のことを”彼”と呼ぶことによって三人称として自分のことを客観視することができるのです。

この日記によって意思決定のパターンがはっきりするので、自分がどのタイミングでどのような情報をもとに意思決定をしたのかが明確になり、自分の求めるものがはっきりとしてくるわけです。

意思決定の記録を取ることで間違った意思決定を逃さず捉えることができるので、就職や転職に関する作業をおこなった日は必ず、意思決定の記録をつけるようにしてください。

まとめ

今回は「科学的な適職」という転職・就職に対して全く新しい切り口でのアドバイスが載っている本について紹介してきました。

僕の結論としては就職を考えたらもう一度絶対読もうと思った本でした。

それほど根拠が明確に示されていますし、迷った時や悩んだ時の助けになる一冊だと感じたのです。

僕は今のところはまだ転職については考えられていませんが、来年あたりから考えるつもりです。

その際は「科学的な適職」に書かれた項目を実践しようと思いました。

皆さんも転職就職に悩まれているならばぜひ「科学的な適職」を読んで意思決定や会社選びの参考にしてください。

今ならPrime会員は無料でKindle版を読めますのでぜひ、チェックしてみてください。

では、皆さんの転職・就職がうまくいくことを祈っています。

ブログ運営者写真

裏技:無料で読む方法

 今回紹介した本はオーディオブックを使って無料で聞けます(読めます)
「ながら」でも本が読めて、本が苦手な方でも聞くだけなので大丈夫です!

コメント

タイトルとURLをコピーしました