戦争は頭の良い方が勝ちます。
正義とか悪とか関係なく、いかに戦略を立て、勝つかどうかが戦いの中では大事になってきます。
今回紹介する鈴木博毅さんの「戦略は歴史から学べ」では、歴史の戦いを通して戦略について学ぶことができる一冊になっています。
戦いからどうやって、今生きている僕たちがビジネスという戦で勝つことができるのかについてフォーカスした内容でした。
歴史の英雄と呼ばれる勝者たちが勝ってきたパターンから、僕たちの勝ちのパターンを手に入れのです。
では、行ってみましょう!
本書の概要
ページ数
あとがき含めず298ページ、全314ページです。
読むのにかかった時間
だいたい4時間ほどで読み切ることができました。
構成
歴史上の戦争という視点から、どうやって勝者が生まれたのかを丁寧に解説した内容でした。
時代ごとの戦争と、現代のビジネスに置き換えるとどういった戦略を指しているのかを照らし合わせるので、戦いの戦略とビジネスの戦略を結びつけやすい一冊です。
ただし、戦いの戦況などが詳しく書かれすぎていて読みづらい部分もありました。
歴史や地理をしっかりと抑えている方なら、問題なく読めると思いますが、僕のような歴史に疎い人間からすると、どっちの国が最終的に交戦して勝ったのかいまいち分からず、最終的に戦略だけを押さえるという部分もありました。
図は最低限なので、もっと戦況がわかりやすい図が欲しいところです。
強みを活かす場所を選べ
誰にでも強みがあります。
ただ、それをどこではっきすべきかわかっていないだけです。
例えば、あなたがマグマグの実を食べたとしましょう(ワンピースの悪魔の実で、マグマ人間になる能力)
この時、強みはマグマな体とマグマを扱うことができるという点になります。
ですが、ここで単なる料理長になるのではもったいないです。
やはりバトルという場面でこそ発揮される強みで、一般生活で活かすのは厳しい能力だと言えます。
このように強みを持っていたとしてもそれを活かせる場所を見つけ、そこにいかないと意味がないのです。
料理が得意なら、料理ができる環境へ、計算が得意なら、計算を活かせる環境に。
適材適所こそ大事です。
歴史上でも、接近戦が得意な軍はやはり接近戦に持ち込めるように地の利を活かすという例が挙げられていました。
相手が長距離戦が得意なら逆に長距離戦をどうすれば、しないで済むかを考えるのです。
相手の弱点と自分の強みをぶつけるようにする方法を考え、実行することが戦略になります。
まずは自分や会社の強みを見つけることがいかに大事かというのが見えてきます。
より早い方が勝つ
ビジネスの世界も、戦いの世界も、スピードこそが鍵です。
いかに早く動くか、的確な判断ができるかが命運を分けます。
スピードの例ではナポレオンが挙げられていて、彼が4回に渡って包囲網と戦い抜いた話でした。
判断をスピーディにすることによって、状況変化に柔軟に対応することができたのです。
ビジネスの世界でも、リーン・スタートアップと呼ばれるまずはリリースしてからユーザーの反応などをみて少しずつ大きくしたり変更したりする戦略があります。
机上での議論よりいかに現場で揉まれる方がいいのかは、感覚的にわかりやすいと思います。
これがビジネスでも当てはまり、世間に合わせるサービスや商品を生み出すためには、世間の声に直接触れる方が手っ取り早いのです。
いかに早く世に出すことができるか、いかに早く状況を把握して変化することができるのかが大事になってきます。
この時リリースだけでなく、アップデートも頻繁に行われることが推奨されると思います。
改善が遅いというのがダメということです。
速いというのは改善も含めての話になります。
試行錯誤のサイクルをいかに速く回せるかが重要になってくるのです。
まずは、身近でスピードを上げていく意識から持てると良いと思います。
強い敵は正面からじゃダメ
大手企業に真っ向勝負するのはナンセンスです。
歴史からも大きな国に対して、正面切って攻撃を仕掛けるのは愚策でしかありません。
いかに相手の虚をつけるかが鍵になります。
例えば、相手が崖を背にして陣を構えていた場合は、崖からの攻撃がないだろうという油断が必ずあります。
だからこそ、崖からの攻撃を仕掛けることこそが小さな国や、実力差が大きいときの戦略になってくるのです。
ビジネスの世界でも、大手企業がやっていることに参入するのはナンセンスです。
むしろ大手企業がやれないようなニッチな部分にフォーカスした戦略の方を選択した方が、勝てるチャンスがあります。
小さな会社や個人が勝てる場所はそういった部分なのです。
身軽だからこそ小さく細かい部分の開発をすることができるので、強みとも合致して相乗効果を生み出します。
もしかしたら、もう少し踏み込んだアイデアで、大手企業が全く考えていなかった層の顧客を手に入れることもできるかもしれません。
大手企業と同じ方向から世間を見ているだけでは、大手企業に勝つことはできません。
いかに違う視点で見ることができるのかが重量になります。
実力差や戦力に大きな差があるならば、視点を変えて相手の虚をつくことにフォーカスするのです。
すると、相手の見えていなかった弱点が見えてきて最高の一撃を食らわすことができるかもしれません。
戦いの中でもそういった戦略が幾度となく勝利へと結びついた例があります。
強い相手には正面ではなく、たとえ姑息だと思えるような手でも裏や横、下、上、全てを検討してみることが重要です。
まとめ
今回は、鈴木博毅さんの「戦略は歴史から学べ」について紹介してきました。
歴史の戦をテーマにしつつ、そこから今に活かせる知恵を導く手法は読んでいて面白かったです。
かなり勉強になることや、再度重要な考え方を学ぶことができた一冊でした。
ただ、やはり歴史を知らない僕からすると、戦いがイメージしづらかったです。
どっちの国が優勢で、どんな戦いをしているのかが文章だけではいまいち分からない部分もありました。
もっと歴史、特に世界史を学ぶ必要があるなと感じました。
日本の歴史の部分は割と、あーあの戦いね!となりました。
戦いの歴史すらビジネスに取り入れるその発想もよかったです。
色々なところからヒントをもらって、自分のビジネスをぜひ成功させたいと考えました。
では、皆さんの戦略が大きな敵を打ち倒す日を祈っています。
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