10分でわかるファスト&スロー上ダニエル・カーネマン書評要約

ビジネス本の書評

第一印象から良い人だと思ったんだ!

マークシートでイ、イ、イと来たから次はイ以外だろう!

ボーリング1投目ストライク、今日はMAXに調子がいい!

これら全部がただのまやかし!根拠なき意見に過ぎません!!

今回はそんな勘違いや誤解、決定を誤ってしまう様々な心理学が書かれた「ファスト&スロー」についてご紹介します。

「ファスト&スロー」は上巻、下巻に分かれていて、今回は上巻を読んだ書評と内容要約になります。

人間はどうやって毎日の意思を決めているか、気になる方必見の内容です。

では、いってみましょう!

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大事なのは二つの意思決定方法を知ること

「ファスト&スロー」にて大事なことは二つの意思決定方法があるということを理解することだと思いました。

その二つとは、一つ目がシステム1と呼ばれるもの。二つ目がシステム2と呼ばれるものです。

瞬発力に富んでいるものの勘違いや誤解を生んでしまうのがシステム1

瞬発力がなく時間がかかってしまうものの正確な答えを出すことができるのがシステム2

もっと具体的に言うと、例えば、1+2+3は?という問題。

パッと6という答えが一瞬で出てきたと思います。

これはシステム1を用いて意思決定と問題解決をおこなった例です。

逆に246+1394+944という問題だとどうでしょうか?

パッとは出てこないと思います。

「おっと」と立ち止まって計算した場合それは、システム2を使って意思決定問題解決を行おうとした例になります。

ちなみに答えは、「2584」です。

このようにスピード重視でパッと答える能力とじっくりと考えて答えを正確に出す能力。

この二つの能力を駆使しながら意思決定や問題解決を行うのが人間の脳の仕組みとなっていると本書「ファスト&スロー」では書かれています。

ファストは速い、スローは遅いという意味です。

速い思考システム1と遅い思考システム2という仕組みを詳しく述べ

実際に勘違いや意思決定時に答えが導き出される仕組みについて幅広い研究結果をもとに本書では詳細に書かれています。

どうしてマークシートで連続した答えだと不安になるのか、どうしてビジネス書に書かれた方法を試しても成功できないのか、お金持ちよりお金持ちそうな人の方がモテるのか。

これら全ての疑問について明確な答えを「ファスト&スロー」は教えてくれます。

他にも実は誤っている意思決定について面白く学ぶことができます。

確率を謳い文句にしている科学者が意外と確率を無視した考え方をしてしまう例とかも個人的には面白かったです。

今回はそれらの例から僕が特に気になったバイアスと呼ばれるもの、確率の考え方という話をピックアップしたいと思います。

他にもプライミング効果やハロー効果と呼ばれる心理学についても詳細に書かれているので、言葉は聞いたことあるけど、どう言った内容かわからない方は読んでみるといいかもしれません。

バイアスによって判断を誤る

バイアスとは、先入観や固定観念と呼ばれるものです。

「ファスト&スロー」では特に直感によって決定するシステム1による働きから発生する、確率や理論にそぐわない意思決定をしてしまうことと述べられていました。

物事を大きな括りで代表を選抜し整理してしまう動きを「ステレオ化」と言っています。

例えば、真面目で無口な大学生、協調力はないものの一人でコツコツ机に向かっていくのが好きな男性。

彼の大学の学部はなんだと思いますか?

おそらく、大体の人が彼が工学部や理系だと思ったのではないですか?

これこそがバイアス、特にステレオ化による意思決定の誤りなのです。

誰しもが勝手に理系のイメージはメガネをかけて協調性がなくて理論的なタイプなんだと思い込んでいるんです。

こう言った思い込みや決めつけがステレオ化。

小説好きな女の子なら文学部、日焼けしててチャラチャラしてたらサーファー。

みたいな形で例を挙げれば尽きません。

それほどまでに身近にステレオ化が溢れているのです。

あなたもきっと何か固定観念で決めつけているものがあるはず。

ちなみに「ファスト&スロー」ではこのような認識の誤りが悪いことである。とは言っていません。

こういった認識の誤りが存在することを紹介しているだけです。

なので、決してステレオ化が悪いことだから断罪するべきということでは決してありません。

正直、僕はかなりステレオ化が激しいタイプですし。

日本人なら真面目でルールをしっかり守るものだったり、アメリカ人ならみんな明るくてフレンドリーみたいな印象を持っています。

これら全部がシステム1によるステレオ化の影響になります。

このようなステレオ化によってしばしば判断を誤ることがあるので、気をつけましょう。というのが主旨です。

お金持ちそうとか、性格が良さそうとかもこのステレオ化に属します。

高い時計をつけている人をお金持ちと思ってしまったり、挨拶の時にこやかなのを性格が良さそうだと勘違いしたり、世の中いっぱい「ステレオ化による勘違い」が溢れています。

確率をいかに正確に出すかが大事

続いては、僕たち人間は確率を無視しがちというお話です。

例えば!ある世界ランキング1位のテニスプレイヤーが世界ランキング54位のプレイヤーとテニスの試合をします。

さて、あなたは次のうちどれが起こる可能性が高いと思いますか?

A:世界ランキング1位のプレイヤーが勝つ

B:世界ランキング1位のプレイヤーが第一ゲームを落とす

C:世界ランキング1位のプレイヤーが第一ゲームを落とすものの勝利する

D:世界ランキング1位のプレイヤーが第一ゲームを落とし、負けてしまう

確率的にはAからDと順番に起こる可能性は高いです。

しかし、多くの場合でBとCで順番が逆に判断することが多いそう。

これこそが、人間が確率を見誤ってしまう心理学。

因果関係のないものに対して因果関係を作ってしまうシステム1の悪い癖が出てしまうのです。

それっぽいものの方が起こりそうという勘違いを起こしてしまいます。

第一ゲームを落とす確率と第一ゲームを落として勝つ確率は、どちらにも共通しているのは第一ゲームを落とすという条件、Cはそれに勝つという確率まで付随してきます。

ということは明らかにBの方が起こる確率は高いのに、僕たちは誤ってCの方が起こりうると思ってしまうのです。

確率よりも最もらしいストーリーがある方を優先してしまう癖。

他にもマークシートで連続してAだったりしたら、次はCだろうだったり、「A B B B A C A A B」ときたら次はなんとなくCが来そうという感覚わかるかと思います。

これが確率を見誤ってしまうストーリーを勝手に作り出してしまう心理になります。面白いですよね。

この確率の問題は多くの場合で確率の専門家に似たような問題を出しても間違ってしまうことがあるそうです。

専門性があって知識があっても間違ってしまいます。

それこそが確率の罠です。

正直難しすぎる一冊

ここまで軽く、内容についてまとめてきました。

内容は非常に面白くこんな心理学があるのか、自分もかなり直感やシステム1に頼って誤った判断をしてきたなという勉強ができるのですが、はっきり言ってこの「ファスト&スロー」非常に読むのが難しい本です。

内容自体は非常に面白いのですが、実験例や細かい確率の話になると数字がたくさん出てくるのです。

ベイズ推定なんて言葉まで出てきて、確率のところは本当に調べながらではないと理解できない部分もあるかと思います。

僕自身わからない部分は若干飛ばしながら、正確な確率の話の部分は読み飛ばしながら雰囲気で乗り越えました。

なので数字が苦手だったり専門すぎる話は肌に合わない方は少し読むのに抵抗が出てくるかもしれません。

さらに、上下巻に別れるほど内容も濃く、ページ数も多いのです。

なので上巻だけでギブアップする方も多いのではないかと思います。

僕はこれから下巻を読みますが、上巻だけでもかなりお腹いっぱいな一冊だと感じます。

内容が面白いだけにこれが漫画だったり、もっと読みやすいように加工されていればいいなと思ってしまいます。

この本の内容をもっとわかりやすく、簡潔に一部分だけ抜粋しているのが行動経済学なような気がします。

僕が以前に読んだ行動経済学の本を紹介します。

この本は「ファスト&スロー」で描かれているバイアスについてもかなり言及している部分があるのに加え、身近な買い物場面などで使える心理学についても紹介しているのでとっとつきやすい内容だと思います。

「ファスト&スロー」は心理学を本当にしっかりと学びたい方向けであり、細かい数字や研究、実験まで抑えておきたい方向けの本になるかと思います。

ですが、決して初心者の方が読めないとは言っていません。

ベイズ推定など数学の知識はある程度必要ですが、心理学用語についてはしっかりと補足があり、心理学初心者でも読み進めることは可能だと思います。

本好きならおそらく簡単に読めてしまう一冊です。

なんせ、出てくる心理学の例が本当に興味を惹かれるんますから。

まとめ

今回は心理学による意思決定手法について詳細に書かれたダニエル・カーネマン作の「ファスト&スロー」について紹介してきました。

本当はもっと紹介したい心理学が多数載っているのですが、ブログではこのくらいにしておきます。

また別の機会にバイアスについてまとめてみた。のような記事も書くかもしれません。

その時は参考文献としてこちらの「ファスト&スロー」を載せると思います。

心理学に興味があり、メンタリズムという言葉に魅力を感じる方々にぜひおすすめしたい一冊でした。

ちょっと長くて数学的な話も入ってきますが、きっとあなたを満足させることができると思います。

勘違いに騙され続けるのも、この本で勘違いに気づけるようになるのかもあなた次第です。

僕は一歩先に勘違いから脱却したいと思います笑

では、次は下巻を読み終わった後に会いましょう!

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