会議に平気で遅れてくる人が後をたたない。
ドキュメントがどこにあるか分からない。
そんなプロジェクトがうまくいかない悩みを抱えているプロジェクトマネージャーを救うのがこの後藤年成さんの「プロジェクトを絶対に失敗させない100のヒント」です。
プロジェクトマネジメントオフィスいわゆるPMOが、どのように立ち回ることでプロジェクトを成功に導きやすくできるのか書かれています。
プロジェクトの進め方に正解はないからこそ、失敗しない方法を学んで置くことで迷いを減らせるのです。
この記事では、そんな「プロジェクトを絶対に失敗させない100のヒント」の内容をまとめて紹介します。
では、いってみましょう。

本書の概要

ページ数
あとがき含めず314ページ、全319ページでした。
読むのにかかった時間
大体5時間ほどで読み切ることができました。
構成
「PMOプロフェッショナルから見るマネジメントの本質」など章ごとに紹介されるヒントが分けられており、全100のヒントが紹介される構成でした。
ヒントの中では、どういう失敗につながるからヒントを意識した方が良いのか具体的に紹介される内容でした。
おすすめ度

「プロジェクトを絶対に失敗させない100のヒント」のおすすめ度は、5点満点中2.5点です。
正直そんなにおすすめはしないかな?という一冊でした。
プロジェクトマネジメントの知識をつけたいということであれば、かなり実践的で具体的に書かれているので非常に参考になります。
ただ、即使える知識というにはプロジェクトマネジメントに関わる人は少ない印象です。
メンバーでも読むべきですが、これを読んでプロジェクトマネージャーに気を使い始めるのは趣旨が異なってくる気がするので、やはりプロジェクトマネジメントを実施する方がまず読むべき本という印象でした。
内容自体は説得力も理解もしやすい内容なので、ページ数以上にボリュームを感じつつしっかりとPMOが何をするべきなのかがわかる内容で良かったと思います。
プロジェクトマネジメントに関わる人にはおすすめですが、万人におすすめはできないので結果として中途半端なおすすめ度になりました。
何のためのPMOなのか

PMOは何のために存在するのか。
ズバリ、「プロジェクトを管理して成功に導く」ためです。
現場では課題管理一つをとってもかなり雑な状態になってしまうのが常。
どこにドキュメントを置けばいいか分からない。そもそも何を次のタスクとしてやればいいか分からない。
新しいタスクを誰に割り振れば分からない。
いつの間にか一人の従業員にタスクが重なり、唐突にその従業員が辞めててんやわんや。など
それらの現場で起こる管理にまつわる部分を一挙に担うのがPMOです。
一種の潤滑油としてコミュニケーションや仕事がやりづらい、プロジェクトを成功させるための歯車を動かしやすくするというのがPMOの仕事となります。
PMOのやるべきこと

具体的にPMOは何をするべきなのか。
相談されれば何でも答えるという姿勢では、ダメでしっかりとやるべきことを抑えることが重要です。
まずは計画を立てるところ、何の目的で、どんなゴールを設定して、どんな計画で進めていくのか。ここを決めるところからPMOの仕事は始まっていきます。
計画を立てる際はチームリーダーなどの話を聞きつつ、誰が空いているのか、どれくらいの金額規模で動けるのかなどを関係部署に確認をとりながら進めるのです。
そして実際にプロジェクトが始まったら、課題管理やドキュメント管理、進捗管理が仕事となっていきます。
どんな課題があって、解決するためにどんな進捗遅れが生じるのか。
はたまた進捗がスムーズに進んでいる計画については、要員を別のところに割り振ったり、終わらないとダメージが大きいタスクに人数を集中させたりとチームリーダーからの話を聞きつつ管理を進めます。
時には、イレギュラーで従業員が辞めるなども発生するので引き継ぎのマニュアル、チェック項目なんかも作っておきます。
プロジェクトが絶対間に合わない、予算が足りなくなった。ということが起きれば、その前くらいに上に相談しておくアラートを出しておくのもPMOのやるべきことです。
早めに告げることで、対処ができますし無駄な費用がかかることを抑えることもできます。
計画から課題管理やドキュメント管理、進捗管理、下から上、上から下の情報共有がPMOのやるべきことです。
一番重要で成功を決める計画とは

プロジェクトを成功させるために一番重要なのが計画です。
計画が完璧であればあるほど、実は日々のPMOの仕事は0に近づきます。
予定通りに進むことで管理することが減るのです。
事前にドキュメントフォルダを作っておき、完成したらそこに格納、チームリーダーは連絡を受けたら成果物をレビューして承認を行う。
課題に遅れが生じそうなタスクは前もって余裕のある、タイミングで行えるようにしておく。など
計画に遅れまで含めつつ、管理の方法までも事前に決めておくことでプロジェクトは一気に成功しやすくなるのです。
計画は一番最初にやる分、甘くなりがちですがむしろ計画こそ一番力を入れるべきところ。
計画によって成功するか、失敗するかが変わってくるのです。
その計画や管理体制で本当に現場はスムーズに回るのか、最後の最後で成果物をどこに置けばいいか分からなくならないか。
しっかりと決めておきましょう。
もちろん、完璧な計画を作っても、計画時には予想し得なかったことが起こることはあります。
その際は、計画を柔軟に変えることも必要です。
とにかく円滑剤になる!?

プロジェクトをとにかく成功させるために、プロジェクトマネージャーは円滑剤になるべきです。
上からもっとドキュメントを整備しておけ。という指示を受けたら、現場にドキュメント整理を促したり。
現場から予算が少なすぎる、進捗的に計画を遅らせる必要があると言われたら、上に話を伝える。
コミュニケーションがとにかく大事なポジションで、事前に誰に話を通しておくことで全体会議でスムーズに進められるかを把握しておくことも大事です。
他にも担当間でコミュニケーション不足で認識違いが発生した場合も、会議の場を設けたり
プロジェクトメンバーの悩みにも耳を傾ける必要があります。
メンバー全体が働きやすくて、自分のやるべきことに集中できる。そんな現場を作り上げていくことがプロジェクトマネージャーの仕事です。
円滑剤としてスムーズにコミュニケーションやタスクが行える環境を整備して、プロジェクトを成功に導きます。
まとめ

今回は、後藤年成さんの「プロジェクトを絶対に失敗させない100のヒント」を紹介してきました。
プロジェクトマネージャーを最近経験し始めている僕にとっては非常に参考になる一冊でした。
計画が大事であるという考えも学びになりました。
プロジェクトを管理する方はぜひ読んでみることをおすすめします。
では、皆さんのプロジェクトが成功することを祈っています。

