喜多川泰「運転者 未来を変える過去からの使者」書評&ネタバレ要約

小説の書評

運命を変わる瞬間はいつだってそのときにはわからないもの。

運が悪いと思っている人に、幸せに気づけるはずもないんです。

今回紹介する「運転者 未来を変える過去からの使者」という小説では、未来が変えるタクシーの運転手によって一人の男性の運命が変わります。

彼の運命とともに、きっとあなたの運や運命、未来と過去の価値観が変わることでしょう。

この記事ではそんな「運転者 未来を変える過去からの使者」の書評と一部ネタバレを含む解説を行っていきます。

では、行ってみましょう!

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あらすじ

保険営業マンの岡田修一は、運が悪いと思っていた。

保険の営業でうまく行ったと思えば、突然解約になってしまい給料が半分以下になってしまう危機に見舞われる。

家庭でもせっかく娘を有名中学に入学させても、引きこもりとなってしまった。

父親の文房具店も大学生の途中で勢いを失い、金銭面で頼れなくなってしまった。

全てがうまくいかない。どうして自分だけと思っていたそんなときに岡田は一台のタクシーと出会う。

そのタクシーはなんと、運命を変える場所へ送ってくれるというタクシーだった。

岡田は次々と運命を変えると言われる場所に送ってもらうのだが、簡単に運命は変わらなかった。

やはり自分の努力は報われない。

そんなふうに思っていたが、運は悪い良いではない。報われない努力はない。

タクシーの運転手は岡田に過去の話をする。

実はその言葉こそが岡田の運命を変えることになる?

不思議なタクシーと岡田の運命の結末とは?

本当の運命とは?

読み終わったときにきっと全ての繋がりに感謝することでしょう。

本書の概要

ページ数

全239ページになります。

読むのにかかった時間

短いセリフが多く、情景表現も少ないので読みやすく、大体3時間ほどで読み切ることができました。

構成

三人称で書かれた文章で、登場人物は岡田(主人公)、運転手、上司、妻、娘と少ないので人間関係を整理しやすかったです。

セリフは基本短く、一部長文になる部分はありますが、読みやすさが抜群でした。

プロローグとエピローグも話に密接とつながっていて、伏線的にも楽しめる作品でした。

書評

「運転者 未来を変える過去からの使者」を読んで一番思ったことは、運命は何を変えるかわからない。人との出会いが人生は大事ということです。

運というものが良い悪いではなく、貯めるもの使うものという考え方も新鮮で、学べることが多い一冊だと思います。

小説なのにここまで学ぶことができるのは珍しいです。

ビジネス書や自己啓発系として売り出しても絶対売れることでしょう。

実際Amazonの評価も非常に高いですし、最近読んだ本の中でもおすすめ度No1です。

読みやすさも評価したいポイントで、読書が苦手な方もスッと読み切ることができると思います。

岡田という一人の運の悪い人生を観ながら、人生が変わる瞬間を楽しんでいただくだけで読み終わった瞬間から努力の素晴らしさ、人との出会いの素晴らしさに感動できるようになります。

タイムスリップものとしても楽しめるので、SF好き、ミステリー好き、幅広い層に受けること間違いなしの小説です。

現在AmazonPrime会員だと無料で読むことができるので、ぜひチェックしてみてください。

注目ポイント

「運転者 未来を変える過去からの使者」の注目ポイントはエピローグとプロローグ部分です。

ぜひ読み終わったらエピローグを見直してください。

僕の言いたいことの意味がわかるとともに、しっかりと伏線が眠っていたんだなっていうのがわかります。

また運がつながっていくというポイントにも注目してほしいです。

親から子へと人生のバトンを渡していく姿を「運転者 未来を変える過去からの使者」では見ることができます。

つながりが運という明確なもので「運転者 未来を変える過去からの使者」では表現されるので理解もしやすくまた自分自身もそうなのかもと思わせてくれるポイントでもあります。

ぜひ自分に当てはめながら、感情移入をしながら読んでほしいです。

きっと今の自分に足りないもの、取り入れるべき考え方が見つかると思います。

小説として面白いのに、なおかつ学べることもある素晴らしい作品ですので、ぜひ伏線を楽しみつつ変わっていく運命を楽しんでください。

内容要約(ネタバレあり)

ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛んでください。

では、ネタバレありの要約を行っていきます。

岡田の運転者との出会い後の状況をまとめると以下の形になります。

・運転者と出会い、運命の変わり目に行く

・TAXIというバーに行って楽しいで生きる道を知る(帰りにギターを購入)

・運転者に自分の祖父がタイパンで戦死したことを教えられる

・運転者に自分の父も同じタクシーに乗っていたと教えられる

・最後の目的地は実家で、それを機に運転者に娘のところへ行ってほしいとお願いする(運転者からキーホルダーをもらう)

・実家で父が実はそば職人を目指していたことを教えられる(蕎麦作りの道具をもらう)

・帰り道隣に座った経営者にキーホルダーをあげたことで、保険の話が盛り上がる

・保険の営業を辞めようとするも道中に会った経営者に講演を頼まれ、ファイナンシャルプランナーに転身することになる

・娘は引きこもりから、父が買ってきたギターを使うようになり、ゆくゆくは…

以上が一通りの「運転者 未来を変える過去からの使者」の流れになります。

一部省略している部分はありますが、大まかな流れです。

全てが岡田に必要なことで、つながっているというオチになっていました。

特に運転者からもらったキーホルダーがファイナンシャルプランナーになるためのきっかけになるところは、読んでいる途中では想像もつかない展開で良かったです。

解説(ネタバレあり)

エピローグとプロローグの伏線についてお話ししていきます。

プロローグは奥さんの話で、実は岡田の奥さんも運命を変えるタクシーに乗っていたのです。

タクシーで岡田の未来についての話を聞いていたために岡田がギターを買ってきた時も、突然そば職人を目指そうという時も反対しなかったというわけです。

また、不機嫌にならなかったのも、タクシーに乗っていたからというわけでした。

エピローグで流れているラジオは、岡田の娘がミュージシャンになったという話でした。

岡田の娘は引きこもっていましたが、岡田が買ってきたギターに興味を持ち、運命を変えるタクシーに乗りミュージシャンになったのです。

ミュージシャンになった経緯やどうやって音楽を作ったかの経緯に岡田との思い出やタクシーの話が出てくるので、娘もタクシーに乗ったこと、娘にもきちんと運命を変えるチャンスが現れていることがわかります。

つながってつながって、最終的にみんなが幸せになる。

そんな最後と最初がつながっているという点が僕は「運転者 未来を変える過去からの使者」を読んでいる中で一番感動しました。

まとめ

ここからはネタバレはありませんので、安心してください。

今回は、「運転者 未来を変える過去からの使者」について紹介、書評、解説をしてきました。

最近読んだ中でも随一に面白い内容で、運命や出会い、つながりをあらためて見直そうと思える作品でした。

小説なのにここまで学べることがあるとは思いませんでした。

これだから読書はやめられませんね。

ただし、「運転者 未来を変える過去からの使者」では全て台詞で言うっていう部分が僕は好きではありませんでした。

運命の話や運の話を全て運転者がセリフとして解説してくれて、わかりやすくはあるのですが、僕は皆まで言うなって感じてしまいました。

全部言わなくても、伝わってくるのでしつこいと思ってしまいました。

とはいえ、運命やつながりがヒシヒシと自覚できる内容に感動したことは間違いなしです。

ぜひ、一度読んでほしい作品でした。

では、皆さんの運が溜まってより良いものになることを祈っています。

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