5分でわかる佐藤青南「ホワイ・ダニット」書評&ネタバレ要約

小説の書評

嘘はどんなに上手く隠してもバレます!

微細な表情や動きに、本当の心が表れてしまうんです。

行動心理学と言われる技術。

今回紹介する佐藤青南さんの「ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻」は行動心理学に精通した刑事が主人公で、ズバズバ犯罪者を丸裸にするミステリー短編小説です。

この記事では、「ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻」のあらすじ、ページ数、書評、おすすめ度、一部ネタバレありの内容要約します。

では、いってみましょう!

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あらすじ

行動心理学を用いて相手の仕草から嘘を見破る、敏腕刑事・楯岡絵麻。

若者に人気のカップルYouTuberの男を殺したのは、ストーカー行為を繰り返していた女なのか。

No.1ホストは本当に新人ホストを殴り殺したのか。

人気子役の母親が高層ビルから転落死したのは事故なのか。

強盗殺人に隠れた真実とは。

全4編の短編の裏に、動くもう一つの大事件の種。

果たして、楯岡絵麻を待つ真実とは、そして同僚・西野の婚約者に向けられた敵意とは。

本書の概要

ページ数

解説・あとがきなく、全315ページでした。

読むのにかかった時間

だいたい3時間ほどで読み切ることができました。

構成

楯岡絵麻と同僚・西野、筒井の3人の視点を、三人称視点で書かれた文体でした。

短編4つが収録され、楯岡絵麻シリーズ(エンマ様シリーズ)の10弾になります。

シリーズものではありますが、この巻から読み始めても全く問題なく登場人物に感情移入、事情把握ができ、楽しめました。

実際僕自身も楯岡絵麻シリーズ初めてでしたが、前の作品も読んでみたくなるだけで理解できなかったところはありませんでした。

書評(ネタバレなし)

こんな刑事がいたら、こえぇ!というのが僕の感想です。

楯岡絵麻は行動心理学を使って、人の微細な動きの変化によって感情を見破り、嘘を看破します。

一生懸命本当のことだと偽っても、嘘だとバレてしまうシーンには犯人側に同情して、ちょっと悔しい気持ちにもなりました。

それほど、鮮やかに嘘を見破り、真実に近づいていくのです。

非常に安心して読むことができる短編で、こんな刑事がいてくれたら犯罪の検挙率、冤罪のリスクが下がると思いました。

とはいえ、僕はかなり犯罪者側に同情できる内容であるとも感じました。

決して僕自身が犯罪者予備軍ではないというのは念頭においてもらいたいのですが、それでも「ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻」は動機が上手くできている。

もしも自分が同じ立場だったらやっているかもしれない。と感じさせてしまうのです。

動機が明らかになったタイミングで胸が熱くなることもありました。

動機に感動することなんてこれまでなかったので、そういった面では非常におすすめの作品でした。

ただ、やはり僕は短編が苦手です。

動機に感動はしたものの、長編でやってくれたら号泣できたと思ってしまいます。

短編だとどうしても、感情移入し始めに波に乗ってきたタイミングで、物語が終わってしまうのです。

感動はするものの、生殺し気分でした。

長編になれば絶対感動して、涙が出るのになぁというもどかしい気持ちになります。

逆に短編くらいの軽さで感動したい方には合っているかなと思いました。

トータル、行動心理学おもしろ!犯罪者の動機うまく書けすぎ!長編で読みたい!というのが僕の感想です。

おすすめ度

「ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻」のおすすめ度は、5点満点中4点です。

短編嫌いの僕がこの点数はかなり高評価になります。

短編なので、短編嫌いの方にはあまり強くおすすめはできませんが、逆に短編好きなら絶対に読むべきミステリーだと思いました。

短編嫌いでも、行動心理学の凄さ、犯罪者の動機の見事な書き方・演出には一見の価値があると思います。

心理を読む、行動心理捜査官だからこそ、本当の動機に気づき、読者に明らかにすることで感動できるのでしょう。

感動できるミステリーを読みたい方にもぜひ、おすすめしたい。

行動心理学、犯罪者たちの動機、ぜひ一度読んでみてください。

要約・あらすじ(ネタバレあり)

ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛んでください。

では、ネタバレありの要約・あらすじからやっていきます。

短編ごとに分けて事件の概要と、事件の真相を紹介します。

・カップルYouTuber殺人事件

若者に人気のカップルYouTuberの彼氏ハルトが、生配信中に殺されました。

殺害シーンは映っていないものの、犯人は自首来るのです。

犯人はカップルYouTuberのファンでありストーカーである馬場。

馬場はネイルサロンをやっており、カップルYouTuberの彼女・吉永がお店にやってきた時に家の場所まで特定していた。

だが、楯岡絵麻は吉永に事情を聞いたタイミングで怪しい空気を察知する。

吉永から悲しみの感情をキャッチできなかったのだ。

調査を進めていくと、吉永とハルトは3ヶ月前に別れていうことが分かり、ハルトの生配信の目的は別れている事の発表だったのではないかと推測できてくる。

そして、ついに吉永が殺人に関与していたことが判明する。

吉永はファンである馬場に、ハルトが浮気をしてカップル解消になった話をした。

真実は吉永が浮気をして、ハルトが振った形。

馬場はカップルを解消する原因となったハルトを許せず、殺した。

吉永は、カップル解消になってもカップルYouTuberを続けて収益を上げ続けたかったが、ハルトが真実を視聴者に言うと聞かないため。殺そうと思ったのだ。

・新人ホスト殺人事件

新人ホストが暴行の末殺されている事件が発生した。

新人ホストと最後に一緒だったのはNo1ホストの銀河。

銀河を取り調べしていくと、犯人であることが判明する。

酔った勢いで殺してしまったと語る銀河だったが、楯岡絵麻は何かあると勘ぐる。

実は、新人ホストは銀河と同じ中学出身だったのだ。

当時、新人ホストは銀河をいじめており、銀河はそのせいで不登校になり、結局はホストの道で食っていくしかなくなった。

その腹いせと思われたが、真相は、新人ホストは殺される前に銀河へ謝罪をしていたのだ。

銀河は昔のことを知っている新人ホストの存在が許せず、暴行の末殺した。

銀河はNo1ホストである自分に、いじめられた過去があることが許せず、それを知る人物の存在も許せなかったのだ。

・天才子役の母殺人事件

天才子役である佳乃の母親が、タワーマンションから転落し死んでしまった。

最初は事故として処理されるところだったが、楯岡絵麻はただの事故ではないと推理する。

父親に話を聞きにいくと、実は父親は浮気をしていてそれを隠すために証言を偽っていた。

本当は、浮気相手とタワーマンションの別室で会っており、事件前に怪しげな声を聞いていた。

佳乃に話を聞きにいくと、事故前母親と同じ部屋にはいたものの、映画を観るため別室にいたと証言。

楯岡絵麻はこれに嘘のジェスチャーを感じ、佳乃が殺したのだと断定する。

動機と物証を集めるため調査を進めると、一人の熱烈な佳乃ファンが事件日にタワーマンションにいたことがわかる。

さらに佳乃がエレベーターホールにいたことも証言。

真実は、佳乃は父親が浮気をしていることに勘づき、エレベーターで何階に止まるかを確認し父親の浮気の証拠を集めた。

浮気の証拠を持った上で、母親に父親を叱って仲直りしてほしいと主張した。

しかし、母親は父親の浮気を知った上で、佳乃の子役としての稼ぎを失いたくないから、嫌々黙ったまま付き合っていることを話した。

両親のために必死に子役として自分を殺し、働いてきたのに裏切られたと感じた佳乃は、母親を衝動的にマンションから突き落としてしまったのだった。

天才子役といえど、まだまだ子供だったのだ。

・強盗殺人事件

非行少年・少女を救う元教師のコメンテーターが、殺された。

暴行された上に、何箇所も刺された上で殺され、金目のブランドものを奪われていた。

犯人はすぐに捕まったものの、犯人である平田は何かを隠している。

犯行自体を認めているものの、どういうわけかコメンテーターの話をすると嫌な顔をする。

動機に何かあると勘ぐった楯岡絵麻は、調査を開始する。

平田には前科があり、前科前には結婚をし、子供も二人いたことがわかる。

そのうちの娘は3ヶ月前に自殺していたことが判明する。

自殺の原因はわかっておらず、平田の元嫁(自殺した娘の母親)も娘はグレてしまい、言葉を交わさなくなってわからないとのこと。

楯岡絵麻はその情報から推理をし、結果的にそれは真実だった。

平田の娘はグレ、池袋をウロウロしていた。

そのタイミングでコメンテーターが近づいてきて、言葉巧みに娘を自宅へと連れ込み酷い事をしたのだ。

娘はそれによって傷つき、収監されていた父親だけに相談して、結局は自殺してしまったのだ。

父親は娘の自殺を知り、自殺の原因を作ったコメンテーターを殺した。

娘のためを思った父親の後悔と覚悟の物語だったのだ。

以上が、四つの短編のあらすじ・要約になります。

これからの予想(ネタバレあり)

四つの短編とは別に、もう一つの事件が動いていました。

それが楯岡の同僚であり、相棒の西野の婚約者宅が放火された事件。

これは、楯岡絵麻が以前捕まえた楠木が仕掛けたことだとわかる。

しかし楠木自身は死刑囚として捕まっており、面会に来た人物を言葉巧みに利用して放火させたのだと推理する。

推理は当たっているものの、死刑囚にこれ以上の罰を負わせることはできない。

というのが、もう一つの事件の要約です。

楯岡絵麻はこれに関して「手足をもいでやる」と発言しています。

これは物理的に楠木の手足をもぐという意味ではなく、楠木の手足となって動いている実行犯を捕まえるという意味でしょう。

なので、今後の動き方としては実行犯を捕まえていき、楠木が関わっている事を明らかにし、面会すらできないレベルにしてやろうとするんだと思います。

シリーズものの見どころですね。

今後の展開とともに、楠木がどういった人物なのか、どういった経緯で捕まったのか、前作などを読んでみたいと思いました。

最新作のシリーズから逆に前のシリーズが読みたくなる、実に良い内容でした。

まとめ

ここからはネタバレないので、安心してください。

今回は、佐藤青南さんの「ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻」について紹介してきました。

行動心理学、面白いですねぇ。

犯人の動機は感情移入しちゃうと短編という短いストーリーのはずなのに、感動してしまいます。

非常に良くできたミステリーだと思いました。

感動系ミステリーが好きな方、行動心理学に興味のある方はぜひ読んでみてください。

では、皆さんの読書ライフがより良いものになる事を祈っています。

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