シリコンバレーの巨人たちを支えた陰の英雄を知っていますか?
ビル・キャンベル
彼はスティーブ・ジョブスなどのシリコンバレーの人々をコーチとして、心や仕事、チームを支えました。
今回紹介するのはそんなビル・キャンベルが何をしてきたのか紹介された一冊「1兆ドルコーチ」です。
この記事ではそんな「1兆ドルコーチ」の内容を要約して紹介していきます。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
参考文献含めず294ページ、全301ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい4時間ほどで読み切ることができました。
構成
シリコンバレーで活躍するCEOなどをコーチングしたビルキャンベル氏。
彼がどのようにCEOたちに影響を及ぼしたのか。どのような活躍をした人物なのか紹介されていました。
そこから、どのようにチームやCEOたちを導いてきたのかその手法について紹介される構成でした。
チームをどうやって勝利、成功に導くのか、何に注意してチームをマネジメントしなければいけないのかがわかる内容でした。
おすすめ度
エリック・シュミット氏の「1兆ドルコーチ」のおすすめ度は、5店満点中2点です。
正直おすすめはしません。
というのも、今の日本には合っていない考え方だからです。
愛という名目で、正直な気持ちでチームメンバーと関わり合うという考え方は素晴らしいんですが。
これをそのままやったら、今時はパワハラ、モラハラ、セクハラで1発アウトです。
メンバーのことを愛しているが故に、厳しくしたりプライベートのこともガンガン聞く。なんてアドバイスもありますが、正直実践は難しいと思います。
シリコンバレーのCEOたちを育てた際の、考え方や愛を持って接するという根本的な考え方は参考になりますが、実際にやるのは難しい。というか日本でやったらアウトな内容でした。
なので、考え方を学ぶ一冊であってコーチングのやり方を学べる一冊ではない。という点からおすすめ度も低いと思います。
1兆ドルコーチの実績
1兆ドルコーチと呼ばれるビルキャンベル氏は、GoogleやAppleといった有名企業のCEOたちをコーチングすることで成功へと導いてきました。
その結果GoogleやAppleがビルキャンベル氏の影響で時価総額が上がった分を合計すると1兆ドルになるというわけです。
ビルのコーチングは1兆ドルもの価値を生むということ。
難しい決断や問題にぶち当たった時、CEOたちはビルに助言を求めることが多くありました。
その度、叱咤激励を通じて適切なアドバイスをすることで、彼らを成功へと導いたのです。
その方法や考え方が「1兆ドルのコーチ」には書かれています。
リーダーは人が作る
まず、リーダーは人が作るという話。
役職だけのリーダーなんかではダメ。という話です。
部下の幸せと成功を最優先課題としてチームを導いていく。という考え方がリーダーには不可欠でそれをいかに実行するかが重要になります。
スタッフミーティングを通して、メンバーのプライベートなことも聞いて場を盛り上げたり、、困っているメンバーをいち早く見つけフォローするといった行動が必要です。
ビルのやり方では、休み明けのミーティングではメンバーの休日の過ごし方を聞くそう。
メンバーのプライベートな日常も知ることで、よりメンバーを知ることができ、ストレスになることを知るのです。
ストレスを軽減させて得意なことをやれる場面を増やす。
苦手を見るのではなく、得意をみて適材適所に人員を配置するのもリーダーとして必要なことです。
ビルは、ビジネスのチームもアメリカンフットボールと同様に、色々な人を集めることが重要と言っていました。
色々な得意と不得意が集まることでチームはより完成度の高いものになるという考え方です。
こうやって人をきちんと見ながら、メンバーのモチベーションを維持させる。これによって自然とリーダーとしてメンバーが認めてくれる構図となります。
ビルはとにかく、リーダーは与えられるものじゃなく、認められるものという考え方で、コーチングの重要性を説いていました。
チーム・ファーストで動くだけ
チームをより成功に導くために重要なのが、チーム・ファーストという考え方です。
チーム・ファーストとは、どんな課題に対してもチームとしてどう対処するべきかを考えます。
例えば、成長中の事業のコストに関する問題が上がったとき。
コストの詳細を調べさせるべきなのか。コスト削減の施策を打った方がいいのか。選択肢は何があるか。など気になることはいっぱいですが。
ビルの場合は、何もしない。という選択を取るのです。
正確にはチームがこの課題を認識していて、自身がそのチームなら解決できるだろうと思うなら信じて何もする必要はない。と言っています。
問題を解決するように考えるのではなく、問題を解決できるチームだと言えるかに注目し、問題を見るのではなくチームを見るという考え方をします。
チームでは解決できなさそうな場面では、追加でチームメンバーを増やしたり、別のチームに問題を振り分けたりするのです。
問題を自身が考えるのではなくメンバーに考えさせて、答えを出してもらう。
信頼があるからこそできることで、この信頼を生むためにメンバーのことを深く知る必要があるのです。
チームをしっかりと構築することができていれば、チームに任せるだけで問題は全て解決します。
問題が起こった時は、チームにそれを投げるだけ。あとはなんとかしてくれる。
自分はチームが本当に解決できそうなのか。足りないメンバーや時間はどこかを把握することに注力する。これがチーム・ファーストの考え方です。
人を助ける
ビルの生き様としての特徴に人を助けるというのもありました。
ビルはとにかく豪快な人で、口も悪かったですがそれ以上に愛を持って人に接する人だったのです。
飲み屋に行ったらその飲み屋にいる人みんなを奢る。
チケットが欲しそうな子供を見たら、チケットを買ってあげる。など。
昭和の豪快社長といった感じ。
人が困っていれば叱咤激励を飛ばしながらも助ける。見ず知らずの人すらも助けてしまうほどGive精神がある人物でした。
というのも、人を助けることこそが自分の価値を高めてくれることだと考えたからです。
CEOたちへのアドバイスの時も、報酬はもらわず、アドバイスによって高まった時価総額を見て自分の価値を認識する。
決して表には立たず、フォローに専念するコーチ。それがビルでした。
人を助けるためにも、素直に率直な意見を言うのもビルです。
時には厳しいことも言い、辛い時にはハグで愛を表現してくれる。
そうして多くの人を助けてきたのです。
全てを真似することは難しいですが、まずは人を助けてみる。見ず知らずに親切にするところから始めればビルのようなコーチングに少しでも近づけると思います。
まとめ
今回は、エリック・シュミット氏の「1兆ドルコーチ」を紹介してきました。
コーチングのノウハウというよりかは、考え方が学べる一冊でした。
愛を持って接して、チームを知ってチームを信じる。人を助けることがやはり信頼を勝ち取る上で重要だと思いました。
ビルは決して表には出ない影の存在でしたが、その影響力は凄まじかったです。
愛のあるコーチング、全てを真似するのは今のご時世パワハラ・セクハラ・モラハラになりますが、人を助ける心、チームを信じる心は真似したいと思いました。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
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