思っていることをいかに言葉にできるか。
たったそれだけで、劇的に人生が変わるかもしれません。
今回紹介するのは梅田悟司さんの「言葉にできるは武器になる。」です。
テクニックではない、自分の内面との向き合い方から始まる本書をこの記事では簡単にまとめて紹介していきます。
では、いってみましょう!

本書の概要

ページ数
おわりにを含めず252ページ、全255ページでした。
読むのにかかった時間
大体3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
言葉を操る上で、テクニック以上にうちなる言葉を磨くことの重要性が書かれ、内なる言葉の磨き方、磨いた言葉を外に出すテクニックの型が書かれる構成でした。
単純な小手先のテクニックではない分、自分に落とし込むのは多少練習が必要な内容です。
おすすめ度

梅田悟司さんの「言葉にできるは武器になる。」のおすすめ度は、5点満点中3.5点です。
どちらかというとおすすめはできるかなぁ、とある種微妙な評価。
内なる言葉という考えや磨き方というのは非常に満足できる内容でしたが、正直そこで終わって欲しかった。
そこから外に出す言葉のテクニックというのが、正直筆者が梅田悟司さん自身が否定していた小手先のテクニックでした。
外に出す言葉のテクニック自体もどこかでみたことがあるようなテクニックで目新しさを感じなかったのも僕が評価を落としたところ。
内なる言葉だけを熱く語って、もう少し例題や実際にやってみよう!みたいな場面を作ってくれる方が納得できて読み終えられたかなと思います。
ただ、内なる言葉をほめているところでわかる通り、内なる言葉たとにかくよかった。納得するし磨き方もわかりやすかった。言葉を操る上でまずは自分の言葉を磨くという考えも新しくよかったですし、おすすめできます。
内なる言葉とは

内なる言葉とは、心の中の言葉のことです。
例えば、考えが浮かぶときや疑問が浮かぶとき、心の中では独り言という形で必ず言葉が浮かんでいます。
これを内なる言葉と呼ぶのです。
この内なる言葉を実際に口に出したり、紙に書いたりすることが外に出す言葉。
こういった分類に分けるのが「言葉にできるは武器になる。」の第一歩です。
そして、一般的な文章を書くテクニックや会話のテクニックは外に出す言葉のテクニックを学んでいるにすぎません。
いくら外に出す言葉を繕ったとしても、そもそもの内なる言葉である意見や考えが貧弱なものであれば言葉に重みがないままとなってしまいます。
そういったことがないように、外に出ている言葉以上にそもそもの考え方や意見というのを磨くこと、内なる言葉を磨くことこそが重要であるというのが「言葉にできるは武器になる。」の前提です。
そんな自分の中の言葉や考え方を磨く方法が最初に書かれていました。
内なる言葉の磨き方

内なる言葉には磨き方があります。
まずは内なる言葉の存在に気がつくこと。実際に何かテーマを決めてそれに対して自分が考えることを紙に書き出します。
例えば「今の生活でいいのか」というテーマを決めて「今の生活ではダメ」「お金がもっと欲しい」「楽しい仕事がしたい」などとにかく思いつくままに紙に書いていきます。
それが終わったら、次は書いた言葉を深掘りまたは横展開していくのです。
今の生活ではなぜダメなのか、ダメを克服するために何をすればいいのか、もっとダメな生活はないかと広げていきます。
ここまでやるとひとまず、自分の中の内なる言葉はとりあえず出し切った形となります。
そこからグルーピング作業、自分の意見を分類に分けていきます。理想的な部分や夢物語、自分の考えが意外とある一定の特徴があることに気がつくはずです。
気がついたら、その一定の特徴とは真反対の考え方をしてみます。
お金を持つことが幸せであると考えやすい自分だからこそ、お金がない幸せはないのかなど、全く違う意見を取り入れるようにするのです。
実際にそういった例を探してみるのもありです。とにかく自分とは異なる意見を吸収してより一層自分の意見に深みや多様性を持たせるようにします。
ここまで来て1練習終わりです。
これを色々なテーマで行うことによって内なる言葉に気がつくこともできますし、自分とは異なる考え方も含めた言葉を生み出すことができるようになります。
大変な作業ではあるものの、自分の考えに気づき広げていくという意味では実に理にかなっている方法だと思いました。
外に出す言葉のテクニック

「言葉にできるは武器になる。」では外に出す言葉のテクニックも紹介されていました。
「例える」「反復する」「言い切る」「ギャップを作る」というものです。
「例える」はそのままで、何か物事を説明するときに例え話をすることでより具体的に相手に理解を促す方法。
「反復する」というのは重要と思われる部分を、何度も繰り返し言うことです。
これは同じ言葉でも文字自体は変えつつニュアンスは一緒という場合も反復となります。
「言い切る」はリーダーに求められることが多い話し方で、「~だと思う」「~かな」などの曖昧なニュアンスを取り除き「〇〇だ」「〇〇です」と言い切ることで説得力を増させる効果を発揮します。
「ギャップを作る」というのは、「負けるが勝ち」という言葉が一番良い例です。
一見矛盾しているような二つの対となる言葉を並べることで強い印象を与えます。
常識や現状を否定する言葉もこのギャップを作る文章となり、人の注意を惹きやすくする効果を発揮します。
これらの外に出す言葉はあくまでテクニックです。
テクニック以上にまずは内なる自分の言葉、意見、考えを磨くことこそが重要であるというのは「言葉にできるは武器になる。」で一番伝えたいことであることは忘れてはいけません。
まとめ

今回は、梅田悟司さんの「言葉にできるは武器になる。」を紹介してきました。
内なる言葉という考えや方法はかなり勉強になりましたが、外に出す言葉のテクニック部は結局それも大事なのかい!や見た事あるわ!という感じで残念な印象を受けました。
とはいえ、言葉を武器にする一冊として非常に有用なので、この記事で少しでも興味を持ったら、ぜひお手に取ってみてください。
では、皆さんの言葉ライフがより良いものになることを祈っています。

