ビジネスをうまく活かせるコツは、調査とリサーチと言っても過言ではありません。
今回紹介するのは日経文庫「ビジネスのための調査・リサーチ入門」です。
リサーチをうまくやるためのコツが書かれた一冊を、簡単にまとめて紹介していきます。
調査・リサーチで何を気をつければいいのかわからない方必見です。
では、いってみましょう!

本書の概要

ページ数
おわりにを含めず177ページ、全179ページでした。
読むのにかかった時間
大体2時間ほどで読み切ることができました。
構成
調査・リサーチに関する解説部と小説部で構成されていました。
まず解説部で用語や考え方が紹介され、小説部で架空の会社のマーケティング部が実践している様子が描かれていました。
内容としては調査リサーチの基本からインタビュー調査の実際、アンケート調査の実際、ビジネスのためのリサーチ10箇条がまとめられていました。
おすすめ度

「ビジネスのための調査・リサーチ入門」のおすすめ度は、5点満点中2.5点です。
人によってはおすすめできるかも?という評価。
まず、僕には合わなかったです。
正直リサーチ業務に携わっていないために、内容が入ってきづらかった。
用語が出てくるもそれがどういうものなのかイメージが持てず、おいていかれて話が進んでいく感じでした。
調査・リサーチの基本くらいしかわからず、インタビュー調査やアンケート調査といったところでは完全に置いてかれました。
かなり業務に近かったり、理論がある内容なので、ある程度調査・リサーチに携わっている方もしくはこれから携わっていくからじっくりと読める一冊が欲しい方にあっていると思います。
サクッと読んだだけでは内容を全て把握するのは難しいです。
そのため、おすすめできる人も限られるという評価としています。
リサーチの基本

リサーチで重要なことは、リサーチクエスチョンを決めることです。
リサーチクエスチョンとは、何を明らかにしようとしているのか。を問うもののこと。
問い・仮説・顧客の三つの視点でリサーチクエスチョンを組み上げることで、この先のインタビュー調査やアンケート調査がブレずに進めることができます。
問いでは、「どうして空は青いのか」といった疑問を置き、仮説では自分なりの考え「海が青いのが反射しているからだ」を置いて、リサーチの結果誰が得をするのかを考えます。
仮説が判明することでどんな嬉しいことが起こるのかを考えることで、顧客がいる社会のプラスになる調査へと変わっていくのです。
実生活でも調べ物をする方は多いと思いますが、この顧客という観点がビジネスと私用との大きな違いだと言えるでしょう。
インタビュー調査の実態

インタビュー調査は、量的ではないものに対して行われる調査手法です。
質的調査とも呼ばれるのがインタビュー調査。
仮説の方向性があっているかを確認するのがインタビュー調査の本質です。
インタビューする際は、対象者をできるだけ仮説にあった形で絞っていくことが重要で、分析ではM-GTAを用いることが一つの手法として紹介されていました。
インタビュー調査は調査・リサーチ業界では正しいデータではない、という声もあったりしますがきちんと手順を踏むことで仮説の方向性を確定させてくれる良い手法です。
アンケート調査の実態

アンケート調査は量的調査とも呼ばれる、王道かつデータとして目にみえる再現性の高さが売りの調査方法です。
設問を作成し、サンプル数で説得力を出すときに用います。
データの正確性やデータの再現性が求められる手法で、分析にもしっかりと計算式を用いて厳格にやる必要があります。
覚えることが多かったり、間違いが露見しやすいマイナス点はありますが、調査・リサーチといえばアンケート調査と考える人も多いので説得力は出しやすいです。
インタビュー調査で行った仮説の方向性から、詰めていくときにも使えるので、最終的なリサーチ結果の確定版としてアンケート調査を行うのも手の一つ。
アンケート調査を実施した後の分析手法では有意水準や回帰、因子分析など色々な手法でデータを見ていくことでより顧客に合わせた納得感のある姿で見せることができます。
リサーチ 10箇条

ここでは最後にまとめられていたビジネスのためのリサーチ10箇条をまとめて紹介します。
詳細は省略して10箇条のタイトルだけ紹介するので、気になる方は本書を手に取ってみてください。
・最初にリサーチクエスチョンを立てるべし
・目標を定めるべし
・仮説の精度を高めるべし
・適切な調査方法を選ぶべし
・科学観の違いを理解すべし
・結果の示し方をイメージするべし
・適切な調査対象を選ぶべし
・適切な設問を作るべし
・統計的に裏付けすべし
・納得感のあるモデルを作るべし
以上、10個の観点を持つだけで、調査・リサーチが一気にビジネスで利用できるものへと変わっていきます。
まとめ

今回は、「ビジネスのための調査・リサーチ入門」について紹介してきました。
正直僕には合わなかった内容ではありましたが、調査をビジネスに昇華するためにはこのような観点が必要というのは勉強になりました。
小難しいことが書いてはありますが、すべては顧客の納得感を得るためという考え方もなるほどなと思わせてくれました。
この記事で紹介した内容は一部ですので、ぜひ気になる方は本書を手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。

