この人何言ってるのかわからない。
どうしても話が噛み合わないこともあるでしょう。
実はそれ、具体と抽象で異なる視点のせいかもしれません。
今回紹介する細谷功さんの「具体と抽象」では具体と抽象とは何か、どうして異なる視点になるのか、具体と抽象との向き合い方がまとめられていました。
この記事では、そんな「具体と抽象」の内容を要約、紹介していきます。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
おわりにを含めず129ページ、全133ページでした。
読むのにかかった時間
大体1時間半ほどで読み切ることができました。
構成
具体と抽象とは何かから、どういった観点に置いて違いが生まれるのか。具体と抽象にはどんな違いがあってどっちをどう捉えて生活していくべきなのか。
考え方が紹介されている構成でした。
1項目ごとに4コマ漫画もついていて、行間も広いため非常に読みやすい内容でした。
おすすめ度
「具体と抽象」のおすすめ度は、5点満点中3.5点です。
期待したほど良い一冊ではないという評価。
具体と抽象で捉えることで納得できる話が非常にいっぱいだったのは、良かったのですが。
実際に具体と抽象の力をつける方法が、「本や映画をいっぱいみる、色々な経験をいっぱいする」というものだったのががっかりポイントでした。
もうちょっと具体的なアドバイスが欲しかったのが正直なところ。
ただ、この一冊を読むだけでも視野が広がる感覚を味わうことができたので、決しておすすめをしないわけではありません。
人生の中に新たな視点を取り入れてみたいという方にはぴったりの内容だと思います。
具体と抽象とは
具体と抽象とは何か、一言で言うのは難しいですが、具体は目に見えるくらいのわかりやすい例えで、抽象は目に見えない概念や根本といった考え方です。
例えば、マグロや鮭といったものを具体としたら、魚や生き物といったものが抽象にあたります。
さらに抽象というのは人間ならではの考え方で、数字や言葉が抽象の例です。
コッピ一杯の水を一つと数えたり、チーズバーガーとベーコンレタスバーガーを二つのハンバーガーと数えたり。
概念として同じものを同じ物として捉えるのが抽象という概念。
抽象というのは非常に言葉として表すのは難しいですが、誰しもが無意識に抽象を使いながら言葉を使っています。
「犬も歩けば棒に当たる」などもことわざも、意味として捉えられるのも抽象という力が人間に備わっているから。
具体と抽象の違いや具体と抽象の特徴を理解できるよう、ちょっとずつ例えが「具体と抽象」の中では紹介されていました。
幹と枝葉
具体と抽象の中でかなり学びになるのが、幹と枝葉という考え方。
幹が抽象を表し、枝葉が具体を表しています。
様々な考え方に当てはめることができる考え方で、大きな芯となる考えを抽象とし、細かい行動や目標といったものが具体になります。
例えば、文房具を売る会社の場合「文房具で人々を幸せにする」が幹であり抽象部分、「店舗売上を伸ばす」「毎月一つの新しい文房具を提案する」というのが枝葉であり具体になるのです。
大きな考え(抽象)があって細かい行動や目標(具体)がある構図。
社長や経営者は抽象部分を少人数で考え、行動という細かい部分は大量の社員の一人一人が担う。
幹がブレると間違った方向に行ったり、枝葉で幹とは異なる方針に進んでしまうのも説明がつく考え方です。
何が抽象で、何が具体であるかを見極めつつ、視野を広げて何が重要であるかを見極めるのも「具体と抽象」で言いたいことの一つでした。
抽象がいいわけではない
抽象は経営者が考えることであり、抽象から具体は理解しやすいけど、具体から抽象は難しいです。
なので、抽象ができるのが偉くてすごいこと。と思われるかもしれません。
ですが、これは誤り。
抽象は確かに物事を根本的に見ることができる考え方ではあるのですが、時に人に理解されないデメリットがあります。
何を言っているのかわからない人はまさにこれ、抽象度が高すぎて何を言っているのかわからないんです。
「ラーメン」の話をしていると思ったら「遊園地」の話を急にしたり、「パソコンのスペック」について聞いたのに「プロジェクトの進捗」の話になったり。
これは「ラーメン」と「遊園地」という娯楽や趣味という抽象度で喋っていたり、「パソコンのスペック」によって「プロジェクトの進捗」がどのように変わるのか話がしたい。という意図だったりします。
このように、話と話がどう繋がっているのかわかりづらいのは、まさに抽象度があっていないために発生するのです。
そして、しばしば抽象度が高い視点から話す人は、自分の視点が当たり前だと感じる場合が多く、何を言っているのかわからない人扱いされてしまいます。
抽象からいかに、具体にして理解しやすいものにするかも重要なのです。
単に抽象さえできればいいのではなく、相手に合わせた抽象と具体の行き来こそが大事になってきます。
具体と抽象の両方の視点が大事
つまるところ、具体と抽象は両方の視点が大事ということ。
物事を具体的に捉える力と、抽象的に漠然と根本理解をすること。この両方の行き来こそが重要なのです。
両方の視点を持つことで説明が上手くなったり、理解力が高まっていきます。
全く別の事象を関連づける抽象能力、抽象的な概念を具体例で説明できる具体能力。
この二つを持つことによって、理解が速く説明がうまくなるのです。
このために必要なのが、読書だったり新しい視点を取り入れることと「具体と抽象」ではありました。
新しい視点が全く異なる具体を提供し、その具体を抽象で合わせていくのです。
この二つの観点をいかに繰り返せるかで理解力、説明力が変わってきます。
まとめ
今回は、細谷功さんの「具体と抽象」を紹介してきました。
非常に良い一冊で、学びになりましたが、とにかく要約しづらい内容でした。
具体と抽象能力が僕がまだまだということですね。
気になった方はぜひ、本書を読んでみてください。
具体と抽象能力で理解力、説明力を上げられると思います。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
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