エグすぎるてそれは…夕木春央「方舟」書評&ネタバレ要約・あらすじ

きっと、エグすぎる結末に驚愕する。

今回紹介するのは夕木春央さんの「方舟」です。

終始ドキドキが止まらない、閉じ込められ系のミステリー。

その結末は非常にエグいものでした。

この記事では、そんな「方舟」の内容を一部ネタバレありで紹介します。

では、いってみましょう!

あらすじ

柊一は友人たちと共に山奥の地下建築で夜を越すことになった。

だが、地震によって出入り口は塞がれ地下水が流入し始め、閉じ込められタイムリミットも存在する。

そしてその矢先に起こった殺人。

誰か一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄にはその犯人がなるべきだと、犯人以外の誰しもが思った。

果たして、犯人は誰なのか。どうしてそんな機器的状況で殺人を犯したのか。

本の概要

ページ数

解説含めず390ページ、全402ページでした。

読むのにかかった時間

大体4時間半ほどで読み切ることができました。

構成

柊一の目線で描かれる一人称でした。

細かい繊細な描写よりも雰囲気や話のテンポを優先させる構成で読みやすかったです。

登場人物も限られており、推理もしやすい構成でした。

おすすめ度

夕木春央さんの「方舟」のおすすめ度は、5点満点中5点

間違いなく一人でも多くの方におすすめしたいです。

とにかくラストとそれまでの伏線が完璧すぎました。

クローズドサークルにそんな考え方があるなんて、気づきませんでしたし持っていき方が素晴らしかった。

閉じ込められてタイムリミットがある、その状況だけでドキドキするのにさらに一人ずつ減る登場人物。

最後にはそれらが一点の目的でまとまる伏線回収には鳥肌にはならないものの、一本取られたとしばらく天井を見つめていました。

ドキドキからの驚愕ミステリーを読みたい方はぜひ、一度お手に取ってみてください。

書評(ネタバレなし)

とにかくすげぇの一言。が夕木春央さんの「方舟」に対する僕の感想でした。

驚愕のラスト。に何度も騙されてきた僕ですが、「方舟」は素晴らしい。

驚愕というよりかは感嘆に近いとは思いますが、見事な伏線回収がとにかくよかった。

ただの殺人事件で片付くのかと思いきや、脱出劇がまさかああ展開していくなんて。

テンポもすごくよく読みやすい上に、ドキドキハラハラのタイムリミットと閉じ込められるという状況。

ミステリー好きにはたまらない推理要素もよかったです。

あまり多くはネタバレなしの書評では言えないですが、とにかくよかった。

多少物語の長さに半分くらいでダレるかもしれませんが、最後までぜひ頑張って読んでみてください。

全てに意味があったんだと驚くはずです!

要約・あらすじ(ネタバレあり)

ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

では、ネタバレありの内容要約・あらすじからやっていきます。

柊一の大学時代の友達・裕哉に誘われ、地下建築にやってきました。

地下建築は人里離れており、しかも地図にも載っていない場所で到着するのに苦労してついたと思ったらもう夜。

柊一たち7人は、地下建築に泊まることになった。

たまたま外で迷っていた矢崎親子3人を見つけ、彼らも一緒に1日だけ泊まることにしたが、その夜地震が発生する。

地震によって入口の大岩が動き、地下建築から出ることはできなくなってしまったのだ。

非常口に続く道も水が浸水しているために行けない。

さらには監視カメラで確認できる様子から、非常口は土砂崩れによって塞がれている。

入口の大岩を動かすには、誰か一人が閉じ込められた状態になるしかない。

その一人を選びそうになっている中、裕哉が遺体となって見つかる。

誰がやったのか、とにかく犯人を見つけ、犯人に閉じ込められた状態になってもらうしかない。

犯人探しが始まるが残された証拠は少なく難航する。

すると、また一人犠牲者が生まれる。今度は首と胴が切り離されており首はどこかに捨てられている。

とんでもない殺害方法に皆が驚愕するが、一緒に来ていた翔太郎はこの殺人には多くの謎が残っているといい、謎を解き始める。

容疑者を絞っている中、今度は矢崎の父が犠牲者となってしまう。

そのタイミングで翔太郎は犯人を名指しする準備が整った。

翔太郎は残された少ない手がかりと、犯人のみ知らなかった情報から犯人を絞っていく。

最終的には、柊一の友達で閉じ込められた状況でキスをした相手でもあった麻衣が名指しされる。

信じられない柊一だったが、麻衣はおとなしく罪を認める。

翔太郎によって、麻衣は夫である隆平を取り残す人間にしたかったと語る。

夫婦仲は終わっているので、このタイミングで取り残そうとしたのが動機であとの殺人はそれがバレないようにするための犯行であったと語る翔太郎。

そうして、麻衣は犯人として最後に一人残る人物となり、入口の大岩を移動させるために動く。

大岩が動き始めると麻衣から柊一にトランシーバーアプリで連絡が入る。

語られた真実は驚きのものだった。

実は麻衣が監視カメラの映像を非常口と入口で入れ替えていたのだ。つまりは入口こそが土砂で塞がれており、非常口のみ出入りできる状態。

しかし非常口に行くには浸水した地下3階を抜ける必要があり、建築に残っていたガスボンベは二つだったために争いにならないように監視カメラの映像を入れ替えたのだと言う。

そして、殺人の本当の動機は自然な形で自分が建築に残る一人となってガスボンベを使って非常口から逃げるためだったと語る。

犠牲にしたと思った麻衣こそが生き残り、他の人たちは生き残れたと思いきや実は閉じ込められる側だった。

入口の岩が動き切った音と共に、絶望する声が聞こえて物語は幕をとじる。

どうすればよかったか解説・考察(ネタバレあり)

ネタバレ続きます。

ここからは柊一はどうすればよかったのか、解説・考察します。

さらに柊一たち全員がどう行動するべきだったのかを考えていきます。

柊一は最後の最後で麻衣とアイコンタクトをしているものの、麻衣とともに残る決断をしなかったのが一番の過ちだったと言えるでしょう。

実は麻衣は柊一だけは救おうと考えていたものの、最後の最後で麻衣を見捨てた柊一。

とはいえ、普通の精神状態だったら麻衣と残る決断を取るのは難しいでしょう。

いくら好きでも殺人鬼、一緒に残っても殺されるかもしれません。

正直柊一を助ける方法は、監視カメラの映像の入れ替わりに気づけなかった時点でなかったと言えると思います。

次にさっさと非常口から出て、入口の土砂を取り除けばよかった派の考えです。

これはかなり有力だったと思います。とはいえ水が侵入してきていて1週間ほどしか建物自体が持たないとわかっている状況で、非常口から出る人を決めるのがまず難しいといえます。

他全員が閉じ込められてそのまま死ぬリスクを背負うことに了承するとは思えません。

むしろ殺し合いになって、一番強い人が生き残るパターンもあり得ます。

そう考えると麻衣の行動が一番正しかったかもしれません。

とはいえ、殺人が肯定されるわけではないですが、小説としては見事すぎる結末でこれ以上ない選択肢であることが考察してよくわかります。

まとめ

ここからはネタバレないので、安心してください。

今回は、夕木春央さんの「方舟」を紹介してきました。

久々に伏線回収の鮮やかさと見事さ、驚きに感嘆して天井を見てしまいました。

できればこのネタバレは見ないで、驚いて読み耽って欲しいです。

おすすめなので、ぜひ読んでみてください。

では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。

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