話し合い、できていますか?
実は会議をしているだけで、話し合いや対話ができていないなんてパターンは多いんです。
今回は、中原淳さんの「話し合いの作法」を紹介します。
会議が苦手な人たちへ向けた一冊で、どういう会話が良いのか、どう対話から決断に結びつけるのが良いかがわかる内容です。
では、いってみましょう!

本書の概要

ページ数
おわりにを含めず298ページ、全301ページでした。
読むのにかかった時間
大体3時間ほどで読み切ることができました。
構成
日本人は話し合いが苦手であるというテーマから始まり、どんな話し合いが良くてダメなのか、良い話し合いに大事なポイントが紹介される構成でした。
また、話し合いをしっかりと行うべき理由も書かれていました。
おすすめ度

中原淳さんの「話し合いの作法」のおすすめ度は、5点満点中3点です。
おすすめできる内容だけど、じっくり読むほど重要なことが書かれているわけではない。という印象でした。
誰もが意見を出せるようにして、全員の納得できる答えを導き出す。
この一言にまとめられる内容でした。
なので、正直300ページも読む必要があるかと言われると微妙なところ。
ただ、無意味な会議を経験したことがある。無駄な会議になってしまっていないか自分のファシリテーションを見直したい。という方にはぴったりだと思います。
一言で内容としてはまとめられますが、そのためにどう心がければいいのかが書かれているので、次からの会議でやり方を変えていけるはずです。
話し合いとは

話し合いとは何か、「話し合いの作法」では、対話+決断が話し合いと定義されていました。
対話は、対等な立場で意見を出し合うこと、決断とは出た意見をまとめてどう行動するかを決めることです。
この話し合いが今後の世界では非常に重要で、答えのない問題へ立ち向かう際などに特に活躍します。
多様性や少子化対策といった答えのない問題に対して、単純に多数決で決めることはできません。
そういった時に、話し合いを行うことで問題をより良い方向に進めることを目的にします。
集まったメンバーで自分たちの意見を出し合い、自分たちの行動方針を決める。これが話し合いです。
そんな話し合いにはダメな例や押さえておくポイントがあります。
ダメな話し合いとは

ダメな話し合いとは、一言で言うと、「多数決に頼っている」「とりあえず噛み付く」「みんな違ってみんないい」となってしまっている話し合い。
多数決というのは一見良い決め方に見えますが、少数派の意見が一切反映されない決め方です。
不満はもちろん、答えが一つに示されているのを前提としています。
多数決は逃げ。そう思って話し合いによって物事を決められるようにすることが大事です。
とりあえず出た意見を批判して場を盛り上げるのもNG。
噛み付くいてしまうと、次の人の発言がしづらいという状況を作ってしまうのです。
意見が出づらいというが一番ダメな形。
一見間違っていそうな言葉も実は、話し合いで揉むことで最良の答えに生まれ変わるかもしれない可能性なのです。
そんな可能性の芽を摘んでしまうのはいけません。
だからと言って、何でもかんでも肯定すればいいというわけでもないので難しいです。
みんなの意見をただ、褒め、受け入れるだけでは最終的な決定を行うことはできません。
意見同士がぶつかっている点もあることでしょう。
そんな時に全部いいね~では話がまとまりません。
みんな違う、みんなの意見にメリットとデメリットが存在する点を押さえた上で、どう行動するかを決めるのが本当の話し合いです。
対話に必要な要素

対話を行うために必要な要素は様々あります。
まずは誰もが対等に意見を出し合える雰囲気づくりです。
対話を行うためには、対等であることが第一条件。ファシリテーターが一方的に話したり、メンバーの誰かが話しすぎるのはいけません。
意見を出しやすく、どんな意見も否定されないことで、心の底から思っていることを引き出せるようにします。
また、自分の意見を引き出すことも大切です。
一般的な回答ではなく、本人が本当に思っていることを引き出して、実現させるためにはどうすればいいか考える場とするのが話し合い。
そのためには本人が考えていることをじっくりと聞いて、事実確認や解釈の確認、認識合わせを行なっていきます。
話を深掘りしていくと、実は似たような部分やどこが異なった意見なのかが明確になっていくのです。
意見の正しい間違いではなく、自分の意見とどう異なるのか、どうすればお互いが納得できる形にできるのかを話すのが対話で必要なこと。
そのためにもまずは話しやすい雰囲気と意見を出しやすい場、お互いが尊重し合える会話ができることが大事です。
決断に必要な要素

決断をする際に必要なことは、どうやって決めるのか、誰が決めるのか、いつ決めるのかという三つです。
どうやって決めるのか、多数決も一つの道ではありますが、リーダーが独断で決めるのか多数決を複数回やる方法を取るのか、一人一人が意見に対して点数をつけて決めるのか。
いずれの方法にしてもメンバーが納得できる決め方をまず決めます。
続いて「誰が決めるか」どうやって決めるかの部分で決まった人が本当に決定できるかを考えます。
最後に期限を決めます。期限を決めないといつまでも対話をしているだけで、行動につながりません。
行動のない対話はただの会話。何も決定せずにダラダラ会議だけしているだけです。
そうではなくきっちりと話した内容を考慮した行動に起こします。
そのために期限を決めるのです。
決断をする上ではこれらの要素に加え、メリットデメリットをきちんと明確にすることも大事。
対話で出た意見の良い点悪い点を明確にしていくことで、意見のすり合わせができます。
そこから決定を下すことで何を考慮したのかがよくわかるのです。
納得感も得られやすく、行動に移した時にメンバー全員がデメリットを考慮した動き方もできるのも特徴。
決め方とメリットデメリットを露わにする。これが決断に大事な要素です。
まとめ

今回は、中原淳さんの「話し合いの作法」を紹介してきました。
話し合いとは何か、より良い話し合いのためにどういう行動を行えば良いかがわかる一冊でした。
一言で言うと「誰もが意見を出せるようにして、全員の納得できる答えを導き出す」にまとめられる内容は、内容の薄さを感じてしまいますが有意義な内容で業務に活かせると感じました。
今回紹介したテクニックは一部なので、ぜひ気になる方はお手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。

