数字にうるさい人は嫌われます。
ですが、数字にこだわっている人は得てして仕事ができる人!という評価を受けるのです。
数字を大切にしつつも、決してうるさいわけではない存在になるためにはコツが必要。
今回紹介する安藤広大さんの「数値化の鬼」では、仕事上の数字の大切さや単に数字にうるさくなれというわけではない、きっちりとした理由について触れられていました。
数学が好きになればいい、とか簿記ができるようになればいいというのではない、万人に合う形の数字の概念について紹介されている一冊です。
何か壁にぶつかっている方、漠然と不安を抱えている方におすすめしたい一冊になっています。
この記事では、「数値化の鬼」のページ数から読むのにかかる時間、内容について紹介して5分でわかるように要約しています。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
あとがき含めず283ページ、全287ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい3時間ほどで読み切ることができました。
構成
行間が広く、1ページあたり13行ほどしかなく、文字も大きめなのでかなり読みやすい一冊でした。
正直もっと圧縮した文章にすれば100ページ切るんじゃないかという内容にだと思います。
構成は、数字が大切な理由と惑わされやすい数字(確率、%、平均)の話、行動量を増やすべきという話、変数が大事という話でした。
この記事ではその一部について、内容を要約して紹介していきます。
数字が大切な理由
数字が大切だという理由から書いていきます。
数字と聞くとネガティブでマイナスなイメージを持つ方が多いかもしれませんが、実はそんなことありません。
数字は未来を知るためのツールとして非常に優秀なものなんです。
例えば、売上の例だと、売上の数値が出た時目標に到達していなかった場合、がっかりはすると思います。
ですが、その目標との乖離を見つめることにこそ意味があるのです。
どうして目標に到達できなかったのか、どのくらいの差異があったのか、次はどうすれば到達できそうなのか、そもそも目標設定が悪いのではないかという評価をすることができます。
しかし、数字を曖昧にしてしまうと、目標を達成できなかったけど今回は結構頑張ったからよしとして次回はもっと頑張ろう。くらいの感想しか出てきません。
「数値化の鬼」ではこういった現実から目を離すことはやめて、しっかりと結果を受け止めて次の結果につなげようという意味で数字を使うべきであると論じています。
また、人を評価する上でも数字を使うことで平等を生み出せるとも書いてありました。
数字を用いない人事評価だと、なんとなく好きだから、なんとなく頑張っているからと曖昧な評価でしかなく、どうすれば自分がより良い人事評価をもらえるのか明確ではない状態になってしまいます。
これをなくすためにも、しっかりと営業であれば営業成績と営業先への訪問回数などの数字に目を向けて結果を見て評価することが大事になるのです。
そうすることで、評価される側もどこを意識することが人事評価につながるのか、上司が求めていることも明確になっていきます。
数字を用いるというのは決してネガティブではなく、まして人を責めるためにあるのではありません。
成長するため、目標に近づくために使うことで本領を発揮するツールになります。
人を説得するときも、自分を表現するときも数字を使うことで説得力を持たせられるので、ぜひ何事も数字で表す癖をつけてみてください。
確率に騙されるな
契約率60%と契約率40%と聞いて、どちらが優秀な人材だと思うでしょうか?
多くの方が契約率60%の人材の方が優秀だと答えると思います。
では、3人に声をかけて2人の契約を取ることができたという方と、1000人に声をかけて400人の契約を取ることができたという方がいた場合はどうでしょう。
結局は契約の数の方が大事ということで後者の人の方が優秀だと判断できるのではないでしょうか?
これが、確率・パーセンテージの罠になります。
分母によって全く意味が異なる形になってくるのです。
ついついパーセンテージや確率を上げようとするばかり、そもそもの分母を増やさないようにしようと思ってしまうようになっていく仕組みになっています。
例えば、目標が月契約率50%だとしたとき、今月8件中4件の契約を取れたとしたとき、残りの時間でもう一件回れたとしたらどうでしょう。
契約ができないと9件中の4件となってしまい目標達成ができなくなってしまうという考えがよぎり、挑戦しないという選択肢になってしまうこともあります。
これではせっかくのチャンスを逃してしまうことになるのです。
このチャンスを逃さないようにするためにも、確率やパーセンテージだけでマネジメントや目標設定するのは良くないと「数値化の鬼」では論じています。
しっかりと行動量と成果を比較した形で数字を見ていくことが大事で、単純な確率やパーセンテージだけでは見えてこない数字があるということを自覚するべきなのです。
大事な変数の考え方
変数とは変わる値のことを言います。
数学だと、XやYなどで表現されるものです。
それをビジネスで当てはめると、自分の力で変えられる部分という表現になります。
例えば、小売店で勤めている場合。
そのとき、お客さんに話しかける回数や広告の枚数、ポップアップの数、製品の種類数などが変数になってきます。
これらの変数のうち、実際に売り上げにつながる部分にフォーカスを当てて、数を増やしていくと売り上げも上がっていくという仕組みです。
ここで注意しないといけないのが、どうしようもないものを切り捨てることと、無意味な変数はさっさと捨てるという考え方。
まず、どうしようもないものというのは、自分の力ではどうしようもないこと、感染症や政治の決定などが挙げられます。
いくら嘆いていたって、感染症が突然収まることもなければ、政治家が自分の境遇にぴったりの政策を打ち出すこともありません。
そういった部分は変数ではなく定数として、考えず、自分のできることの範囲で対応しようという考え方をするのです。
続いて、無意味な変数をさっさと捨てる考え方というのは、先ほど挙げた例で、仮にお客さんに話しかける回数を高めたときに売り上げが以前と比べて上がらなかったとします。
そしたら話しかける回数というのは、売り上げとは関係ない変数だと割り切って、他の変数を試していくというのが大切になってくるのです。
どんどん変数を試していき、売り上げを上げる変数を見つけることこそがPDCAになると「数値化の鬼」では書かれていました。
また、最後には常に正しい変数というのはなく、時間と共に移り変わり、さらには人によって変数は異なってくるため変数は常に探求するものであるとも書かれており
変数を見つけることこそが仕事の質を高め、さらには売り上げに貢献することができるのです。
そのためにもいろいろを試して、失敗して、数字で反省して新たな変数を試していくのが大切になります。
成長は数値との闘い
変数という考え方でもわかるように、「数値化の鬼」では数字はあくまで成果の分析から未来、成長を直視しながら進むために使うものという位置付けです。
数字を見ないと漠然とした反省になってしまい、修正がやりづらく遅くなる。
何が売り上げという目標に繋がっているのかを見つけることこそが工夫であり、反省であり、楽しい部分になってきます。
数を高めろ!と命令するのではなく、売り上げという目標数値に近づけるためにどういったことができるかを考えることこそ「数値化の鬼」の目指すところだと感じました。
そのために数字を真っ向から見つめて、直すべきところ、改善点を明らかにして新たな挑戦をし続けるという考え方が大切です。
数字から目を背けず、ぜひ、数字と戦い続けて成長し続けてほしいと締めくくられていました。
まとめ
今回は、安藤広大さんの「数値化の鬼」を紹介してきました。
数値化と聞くとドキッとする感じがしましたが、決して数字で人を責めろ!という話ではなく成長のためにしっかりと見つめろという意味合いが強かったです。
2022年に読んだビジネス本の中でも1、2位を争うほど実践したい内容でした。
ただ、ページ数や値段の割に中身が薄い感じがしたのは残念でした。
8割以上のビジネスマンに刺さる内容だと思いますので、ぜひお手に取ってみてください。
では、皆さんが数値化の鬼になることを祈っています。
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