仕事を始めたことがある方なら誰もが思ったことがあること。
プロジェクトは予定通りに進まない。
そんな悩み、現実に立ち向かうための一冊が今回紹介する、前田考歩さん、後藤洋平さんの「予定通り進まないプロジェクトの進め方」です。
予定通りに進まないをあえて受け入れることで見えてくる、プロジェクトの進め方が書かれな内容。
この記事では、そんな「予定通り進まないプロジェクトの進め方」の書評、要約をやっていきます。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
あとがきを含めず235ページ、全248ページでした。
読むのにかかった時間
大体3時間ほどで読み切ることができました。
構成
プロジェクトは何かという話から、失敗する要因、成功するための「プ譜」と呼ばれるツールの紹介、プロジェクトとの向き合い方が書かれた一冊でした。
プロジェクトマネージャーはもちろん、プロジェクトに関わるすべての人が一度は読むべき内容だと思いました。
プロジェクトとは
プロジェクトとは、「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」です。
わかりづらいですが、ルーティーンワーク以外がプロジェクトであると捉えてしまって問題ありません。
なので、多くの仕事はプロジェクトであると考えて良いです。
そんなプロジェクトは予定通りに進まないのが普通。
ルーティーンワークではないということは、未知のことを既知にしていく作業というのがプロジェクトだと言えます。
誰も先がわからないのですから、予定なんてものは目安にしかならないのです。
例えば、ある農家のリンゴの売上を伸ばす。というプロジェクトがあった時。
リンゴを美味しくして売り出すのも手ですし、知名度を上げるために広告を出すのも手だと思います。
しかし、それらが絶対にリンゴの売上を上げられるかは未知です、
また、台風などの自然現象によってリンゴの収穫ができないなんてリスクもあります。
これらの未知な現象を踏まえた上でプロジェクトは成功を遂げなければいけないんですから、そりゃ失敗や予定通りに進まないということは当たり前です。
そんなプロジェクトを少しでも成功に近づける方法が「予定通り進まないプロジェクトの進め方」には書かれています。
ツールはあくまでツール
プロジェクトを進める上で様々なツールが使われます。
「WBS」「スコープマネジメント計画」「チャットツール」といったものたち。
これらを利用することで、確かにプロジェクトを進めやすくすることができますが、あくまでツールはツールです。
〇〇を使えばいい。〇〇を作っているから安心。とツールに頼るというのは危険。
ツールは便利にするものであって使うのが目的になってはいけませんし、ツールを使っているからといって本来見るべき目標ゴールを分析しないのは誤っています。
この後紹介する「予定通り進まないプロジェクトの進め方」ならではのツール「プ譜」についても同様で、プロジェクトを進めやすくするツールです。
そのため、使うことを補助するというツールであるというのを意識して使うようにする必要があります。
プ譜とは
では実際に「予定通り進まないプロジェクトの進め方」に書かれているプロジェクトの進め方であるプ譜について紹介します。
プ譜とは、プロジェクト譜の略でプロジェクトの問題を明確にし、プロジェクトの失敗を回避しやすくなるツールです。
勝利条件、目的、施策、廟算8要素、事象をまとめて記載するツールで、プロジェクトの進捗、勝利条件ごとに1枚作っていくことでプロジェクトを管理することができます。
プロジェクトの進捗ごとに作成するので、勝利条件に向けてどのように目的を変えたのか、目的のために施策を打ったのかがわかる資料となります。
プ譜を実際に使った例
説明だけ聞いてもわかりづらいので、「予定通り進まないプロジェクトの進め方」に載っていた実際のプ譜の例を紹介します。
この記事で紹介するのは、「予定通り進まないプロジェクトの進め方」を書くことをプロジェクトとした時のプ譜です。
まず勝利条件として「スケジュールに間に合わせて出版する」というのを立てます。
その後、勝利条件を達成するための目的、施策を考えていきます。
決めた事項を上のプ譜にそれぞれ埋めていきます。
これを進捗が行うタイミングで描き直したり、目的や施策を変えたりするのです。
これによって常に勝利条件を意識して、何をやるべきなのか。を意識してやるべきことを変更しながら進めることができます。
決して難しくはないので、やってみてください。
勝利条件を明確にしておくだけでも、プロジェクトの進み方が変わってきます。
大事なのは目的意識と手段を考えること
「予定通り進まないプロジェクトの進め方」をまとめると、プロジェクトに大切なことは目的意識と手段を常に考えることだと言えます。
勝利条件と言われる、プロジェクトを成功と呼べる状態にするために何が必要なのかを常に考えることが必要ということです。
勝利条件が常に意識されることで、仮にAというやり方では間に合わないという場合にAというやり方に拘らずに勝利条件を満たせる方法を考えることができます。
柔軟な対応ができることこそがプロジェクトをうまく運ぶコツです。
プロジェクトは遅れたり予想とは異なる方向にいってしまうのは仕方ありません。その時に何をすればいいのか本当に優先すべき勝利条件をどう満たすかを考えることがプロジェクトをうまく運ぶこととなります。
そのためにプ譜というツールがやりやすいというのが「予定通り進まないプロジェクトの進め方」の結論でした。
気になる方はぜひ、本書を手に取ってみてもっと詳しいプ譜のやり方を学んでみてください。
まとめ
今回は、前田考歩さん、後藤洋平さんの「予定通り進まないプロジェクトの進め方」を紹介してきました。
プロジェクトがうまく進まないのは当然で、そこをどう乗り切るかという考え方は新鮮かつ学びになりました。
方法を柔軟に変えて、やるべき本当の勝利条件にフォーカスする考え方も心に沁みました。
ぜひ、プロジェクト進行で悩みがある方は読んでほしいです。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
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