性格テストをやったって、自分の性格なんてわかりやしない。
性格分析をしたって、私は私何かに当てはまるようなことはない。
そんなふうに思ってはいませんか?
実は、SNSのいいねを見るだけで、同僚よりも家族よりも、配偶者よりもあなたがどういった人間かを知ることができてしまうのです。
今回紹介する「スピリチュアルズ~わたしの謎~」では性格によって影響の受け方の違いがあったり、性格を知る上で大事なパーソナリティについて実験や研究ベースで書かれています。
この記事ではそんな「スピリチュアルズ~わたしの謎~」を要約しながら、パーソナリティに関わる重要項目についてご紹介していきます。
自分が一体どういった人間で、性格がバレるとどのような影響に晒されるのか知りたい方の助けになると思います。
では、行ってみましょう!
本の概要
ページ数
あとがき含めず375ページ、全380ページになります。
読むのにかかった時間
1日30分ほどの読書時間を確保して2週間ほどかかりました。
ざっと4時間弱ほどの時間で読み切れる内容です。
構成
前半部ではスピリチュアルと呼ばれるパーソナリティによって人は選択を操られてしまう話から、選挙戦で行われたという黒い話が書かれていました。
トランプ氏の当選の裏には実は、影の立役者のマーケティングのおかげという話でかなり興味深い内容でした。
後半部ではそのようなパーソナリティが歴史的にどのように構成されてきたのかについて、研究を交えながら紹介されていきます。
例が豊富でわかりやすい書き方がされていますので、個性とはなんなのか、自分は一体どういった人間なのかを知る上では貴重な情報が書かれています。
性格を知れば選挙に勝てる
性格を把握しそれぞれに合ったマーケティングを行うことによって選挙の結果を操作することができるという例が「スピリチュアルズ~わたしの謎~」には書かれていました。
実際にトランプ氏がどのようにクリントン氏に勝ったのか、マーケティングとSNSを織り交ぜた戦略について書いてあるのです。
簡単にまとめますとSNSを通して手に入れた性格情報をもとに、性格に合ったマーケティング選挙広告をそれぞれに送った手法になります。
例えば、保守派でトランプ氏を推している方には「ぜひ選挙に行こう」という広告を、クリント氏を推している人には「選挙に行かないという選択も!」みたいな広告を送るのです。
こうすることによって人それぞれに合った広告が意図した方向に誘導され結果的に選挙の結果まで影響を及ぼしていくのです。
性格を知るということでこんなことまでできるようになるという恐ろしい例です。
性格というこれまで複雑すぎてベールに包まれていたものがSNSやAI解析といったビッグデータ解析技術の進化によって、暴かれつつあります。
SNSのいいねの数で性格がバレる
SNSでどうやって性格を知るのかわからないという方も多いと思います。
実は対象の方がどんなものにいいねをしているのかを見るというだけで非常に高い精度で性格を見破ることができるのです。
「スピリチュアルズ~わたしの謎~」で書かれていた内容では、10のいいねで同僚よりも、70のいいねで友人のレベルを、150のいいねで両親、250のいいねで配偶者のレベルに達するほど相手の性格を理解することができるそうです。
これは単に「スピリチュアルズ~わたしの謎~」で提唱しているのではなく、スタンフォード大学准教授によって作られたアルゴリズムによるものなので、かなり信憑性は高いと思います。
ビッグデータという世界中のデータを分析できる今だからこそこんなことまでできるようになったわけです。
「Apply Magic Sauce」というキーワードで調べると実際に分析することもできるようなので、興味のある方は試してみるのも面白いと思います。
日本語対応はしていませんので、そこは注意してください。
パーソナリティごとの大まかな性格
性格分析によって人の行動まで操れる話から、実際に人間にはどのような性格的特徴があるのかという話になってきます。
「スピリチュアルズ~わたしの謎~」下記6つの性格的特徴をパーソナリティと呼びそれぞれ詳しく説明がなされていました。
この場では簡単な紹介し、自分の性格がどういったもので、その性格の持ち主はどういった強みがあるのかをまとめていきます。
外向的/内向的
外向的内向的の違いは、感覚が鈍感か敏感かという面から説明がつきます。
外向的なパーソナリティの特徴は感覚が鈍感で、快楽や心地よいものを積極的に求めるます。
対して内向的なパーソナリティの特徴は、感覚に敏感で快楽よりも安定による安心感を求める特徴があります。
これはドーパミンによる作用が大きく関係していており、外向的な人はドーパミンの分泌が多く、内向的な人はドーパミンの分泌が少ない。
外向的な人は鈍感な分前に前に出る気持ちが大きく、初めてのことや人にも積極的にグイグイ行けるタイプです。
内向的な人は敏感なのでグイグイはいけず、周りを気にしてしまいがちな分、缶あっ国優れているので専門職などにつくと力をより発揮できます。
楽観的/悲観的
楽観的、悲観的は精神的安定性とも呼ばれています。
過去を反省する機能は人間が進化の過程で培ってきたものの一つになります。
この反省に関してある段階でスパッと忘れられるのが楽観的な人、いつまでもぐるぐると考えてしまう人や必要以上に未来についても同じ事柄が起きると思ってしまう方が悲観的と言えるのです。
また簡単に楽観的な人はエゴイスト(自己中心)で悲観的な人は利他主義という見方もできます。
同調性
同調性とは一言で言うと、周りにどれだけ影響されるかになります。
例えば、10人の被験者が集められ、誰でも答えがすぐにわかるような選択肢Aがあったときに9人目までが間違った選択肢Bを選んだ場合10人目がどちらかを選ぶかによってどう調整があるか否かがわかります。
みんなの回答に合わせるのが同調性と呼ばれるパーソナリティで、協調性とも言い換えることができます。
集団に合わせるのか自分を貫くのかによって人間の性格というのは変わってくるのです。
共感力
共感力は性差が出やすいパーソナリティの一つです。
女性は共感力が高く男性は共感力が低いという研究結果が出ています。
もちろん男性の中にも共感力が高い人もいますし、女性の中に共感力が低いという方もいます。
共感力の気持ちを感じる能力のことを言っており、苦しんでいる人を見るとこちらまで苦しい気持ちになる感覚を表しています。
共感力が低いものの相手の心を観察し推察する力が強いとサイコパスと呼ばれる性格に当てはまるようです。
ちなみに「スピリチュアルズ~わたしの謎~」では男性の多くがさいこぱすに当てはまるとの見解も書いてありました。
サイコパスと言ってもみんながみんな犯罪者というわけでは決してなく、サイコパスの方がむしろ社長向きだったり医師向きだったりと社会的な成功も収めやすいのも特徴です。
堅実性
堅実性はいかに今だけでなく未来にまで視点を持ってこれるかや自分を制御する力がどれほどあるかを表しています。
堅実性が低いとギャンブル依存症になったり、ダイエットが続かないと言ったことになっていきます。
また堅実性というのは消耗するものであるので、たとえ堅実性が高い人でもダイエットにプラスして禁煙、禁酒、と我慢を重ねていくとそのうち我慢の糸が切れてしまい、全てが失敗になるという可能性も秘めているのです。
何かを我慢する時は一つに絞るというのが賢明です。
また日本人の多くは堅実性が高いのも特徴になります。
経験への解放性
経験への解放性とはいかに想像力を持っているかと言い換えることができます。
わかりやすいところだとピカソや宮沢賢治といった芸術家や作家たちは経験への解放性が高く、一般人には思い付かないアイデアや芸術的作品を生み出しやすい傾向があります。
美的センスや芸術の才能という見方もできると思います。
経験への解放性は平和な今だからこそ活かせる才能で、昨今になってようやく表に出てきたパーソナリティでもあります。
また経験への解放性が高すぎると妄想が妄想を呼ぶ統合失調症といった病気と判断される場合もあるのです。
想像力がありすぎて、一歩間違えれば狂人と見られる可能性も秘めているパーソナリティになります。
本書で学べる大事な考え方
「スピリチュアルズ~わたしの謎~」ではそれぞれ良いも悪いも性格的特徴にはあるということを強調しています。
また環境や育て方による影響は半分で遺伝的性格が大部分を占めているということも強調しています。
決して育て方が悪かったから性格が歪んで犯罪に手を染めたというわけではなく、遺伝的に共感力が下がり、外向的性格が強すぎるが故に犯罪に手を染めてしまったという考え方もできると論じています。
遺伝が全てでもないですが、環境も全てではないということだけは強く「スピリチュアルズ~わたしの謎~」の内容から感じられました。
また性格には良い悪いがありますが決してどの性格を持っているからといって優劣があるわけではないことも理解してください。
「スピリチュアルズ~わたしの謎~」はあくまで自分がどのような性格を持っていて、どのような環境で一番活躍することができるのかを知る助けになる本ということです。
簡単10設問パーソナリティ分析
実際に上記で挙げた性格が自分にとってどの程度当てはまるかのテストも「スピリチュアルズ~わたしの謎~」には載っていましたので紹介します。
簡単なテストではありますが、その信憑性は84%を超えると言われているものなので、一つの参考にはなります。
時間のある方は下記10の設問について1~5段階評価で考えてみてください。
1: 強く反対する
2: 少し反対する
3: 賛成でも反対でもない
4: 少し賛成する
5: 強く賛成する
設問:
①能動的な想像力を持ち合わせている
②芸術への関心はほとんど持ち合わせていない
③丁寧な仕事をする
④なまけがちだ
⑤自分は一般的に信頼できる
⑥他人の欠点を探しがちだ
⑦ゆったりしていて、ストレスにうまく対処できる
⑧すぐにくよくよする
⑨外に出かけるのが好きで、社交的だ
⑩遠慮がちだ
以上の内容に関して、(奇数番号) – (偶数番号)によって性格割り当てができます。
例)① – ②、③ – ④、…
①と②の組み合わせでは経験への解放性が高いか否か、③と④の組み合わせでは堅実性、⑤と⑥の組み合わせでは協調性、⑦と⑧の組み合わせでは情動の安定性、⑨と⑩の組み合わせでは外向性がわかるようになっています。
それぞれプラスに振られているか、マイナスかによって経験への解放性が高いか低いか、プラスならば高く、マイナスなら低いということがわかるようになっています。
ぜひ、一度試してみてください。
ちなみに僕は経験への解放性は高く(+3)、堅実性は低い(-1)、協調性はやや高く(+2)、情動の安定性も高い(+2)、外向性は低い(-2)という結果でした。
まとめ
今回は「スピリチュアルズ~わたしの謎~」という人の性格を知る上で大事なことが学べる一冊を紹介してきました。
この記事を読んでちょっとでも興味を持っていただければ嬉しいです。
「スピリチュアルズ~わたしの謎~」ではパーソナリティの特徴や活かせる環境といった面についても詳しく載っているので是非一度お手に取ってみてください。
トランプ氏の選挙の実は..という話も非常に面白かったです。
全てが本当かどうかはわかりませんが、今のデータ解析技術なら可能性は十分にあるとエンジニア目線からも思いました。
自分の性格を知って、自分に合った環境で生活する。
そんな使い方ができる良い本に出会えました。
では、皆さんのパーソナリティが最大限発揮されることを祈っています。
裏技:無料で読む方法
今回紹介した本はオーディオブックを使って無料で聞けます(読めます)
「ながら」でも本が読めて、本が苦手な方でも聞くだけなので大丈夫です!
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