岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」に量子技術が含まれていることをご存知ですか?
これからの時代は量子が深く関わってくるのです。
今回はそんな量子技術から生まれる量子コンピュータとは何で、どう「新しい資本主義」に関わっていくのかについて書いていきます。
政府の話では、2030年には量子技術の利用者を1000万人とする目標数値も掲げているようです。
今のうちに量子技術というものが何で、どうして注目すべき技術なのかを押さえておきましょう。
では、行ってみましょう!
新しい資本主義とは
新しい資本主義とは、成長と分配の両方に力を注ぐ政策のことです。
例を挙げてもっとわかりやすく噛み砕いていきましょう。
科学技術の成長とともに、科学技術の成長で得た資金を次はカーボンニュートラルの実現という成長に投資する。
そしてカーボンニュートラルの成長で生まれた資金を今度はデジタル会社が成長するように投資して成長を促すといった方針になります。
この成長に投資して成長したものからさらに投資(分配)を行うことによって成長にさらなる加速を加えようというのが、新しい資本主義の考え方になります。
分配の中には所得の向上も含まれているので、僕たちの生活にも関わっていく話です。
より成長する分野に就職することで賃金が上がり、その分野が盛り上がることによってより優秀な人材が集まるようになって、さらに成長する。
という良い循環を作り出そうという話が「新しい資本主義」になります。
量子技術とは
新しい資本主義の成長部分には量子技術というのも含まれています。
では量子技術とはなんのことなのでしょうか。
量子技術とは簡単に説明すると従来の処理スピードを圧倒的に抜き去る超高速処理を可能にする技術です。
もっと身近なところで例えるとすると、今お持ちのスマホに量子技術が乗っかった場合、処理スピードがスパコン並みに早くなるようなものです。
スパコン並みになれば、スマホでやるどんなゲームも動画も快適すぎるくらいにさくさく、ぬるぬる動作するようになることでしょう。
処理スピードが爆発的に速くなるという技術が量子技術と押さえておけば良いです。
細かい量子コンピュータの技術については別記事もありますので、参考にしてみてください。
量子コンピュータがどうして注目の技術なのか
注目される理由1(暗号技術分野)
では量子コンピュータがどうして注目の技術なのかについてお話ししていきます。
量子コンピュータは単純にとんでもない処理スピードを持っているパソコンと考えていただいてOKです。
そんなとんでもない処理スピードを持って何がいいのか?という話になります。
処理スピードが上がると主に暗号化技術とデータ処理(AIや機械学習)に影響があると考えられます。
暗号技術とは、現状通信を行うときはメールなどを送る側が途中で誰かに見られないように鍵をかけて送信して、受け取り側はその鍵を開けてメールの内容を確認するということをしています。
この際の鍵に使われる技術が暗号化技術です。
現状の暗号化は「183847834729×2346729491」の答えが解読後の内容といったような作りをしています。
人間やコンピュータが解こうとするととんでもない時間がかかってしまうという点を使って暗号を作っているのです。
つまり時間さえかければ今世の中にある全ての暗号は解くことができてしまうとも言えるのです。
しかも量子コンピュータならそんなこれまで時間をかけなければ解けないという暗号をいとも簡単に爆発的な計算速度で解くことができてしまいます。
だからこそ量子コンピュータでも解けない暗号を考えたり、計算速度を利用して量子コンピュータで新しい暗号を作ろうという考えが広まり、注目を浴びているわけです。
注目される理由2(AI、機械学習分野)
データ処理(AIや機械学習)では、とんでもない量のデータを量子コンピュータなら簡単に捌いてしまえるという点が注目を浴びている理由になります。
例えば、あなたが今六法全書を全て覚えて明日テストをします。と言われたらとてもじゃないですが無理だと思います。
普通のコンピュータでも六法全書を全て読み込んで、そこからどんなテストが考えられるかを学習するのには1、2週間ほどかかってしまいます。
しかし量子コンピュータなら六法全書くらいの学習でも1日もかからずなんなら1,2時間で学習を終え、テストに備えられるのです。
六法全書の話はあくまで例えですが、これが全国民の買い物傾向を分析するAIや渋滞情報を制御して渋滞しない最適な道を選択するAIなどに活かせれば、生活がより良くなることが想像できるかと思います。
現状AIがそこまで発達しきれていない原因に学習に時間がかかるというのがあるのです。
時間さえ解決できれば、あなた自身が欲しいと思ったAIも簡単に作れる時代が来るかもしれません。
以上、暗号化技術とデータ処理(AIや機械学習)分野に多大な影響を及ぼす可能性があるので量子コンピュータが注目されているのです。
量子コンピュータが作る未来
量子コンピュータは政府も力を入れているということで、今後もさらに発展していくことは間違いなしです。
2030年には量子技術者1000万人という目標も掲げていますので、その本気度は相当なものです。
今から僕たちができる準備としては量子技術がどういったもので、今後どういった分野に影響があるかを理解することです。
主にデータを多く持っている仕事に影響が大きいと僕は見ています。
どんなお客さんが買っているかなど顧客ごとのデータを分析できれば今後どんな製品を作ればいいかが分かったりするのです。
量子コンピュータはそういったデータ分析分野にも大活躍することでしょう。
量子コンピュータを作る必要はなく、あくまで扱える人材になれるよう精進することが大事です。
操作性などは今あるコンピュータと大して変わらないでしょうが、量子コンピュータの計算スピードを活かした処理をうまく組み合わせるといったところで差が生まれてくるんじゃないかと思います。
処理速度が上がることによって得られる恩恵を全て生かせるように
今からこれをやったらパソコンの処理が重くなるだとか、こんなデータを学習させたAIがあったらいいのになといったことをしているだけでも、本当に量子コンピュータが普及したときにも時代に置いていかれることはないでしょう。
まとめ
今回は政府が「新しい資本主義」に掲げた政策の一つ「量子技術」について書いてきました。
量子技術は処理がとにかく早いということだけでも伝わっていたなら嬉しいです。
今後も量子技術を扱える人材が増えるよう政府も力を入れるようなので、エンジニア初心者の方もこれから転職を考えている方も量子技術分野へ飛び込んでみるのもいいかもしれません。
最新技術というスキルは非常に役に立ち、重宝されます。
新しいものをどんどん取り入れて好奇心を持ち続けることがエンジニア必須の適正だと僕は思っています。
では、量子コンピュータがいち早く実現し、一般にも普及していく未来を祈って。
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