マーケティングと営業は全く別物!と思ってはいませんか?
今回紹介する福田康隆さんの「THE MODEL ザ・モデル」は、営業成功のための考え方・モデルが紹介されていました。
この記事ではそんな「THE MODEL ザ・モデル」について内容をまとめ、注目すべき点についてピックアップします。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
おわりにを含めず287ページ、全295ページでした。
読むのにかかった時間
大体4時間ほどで読み切ることができました。
構成
米国の営業スタイルをどう日本に組み込んだかのストーリーを紹介しつつ、どういった営業のスタイルで各プロセスでどのようなことをする必要があるのかがまとめられていました。
考え方ベースで、具体的なモデルやテンプレートなんかはありませんでした。
実践にどう落とし込むかは読者に委ねられるという内容です。
営業を今後どのような方針で進めるのか、営業にさらに力を入れたい方向けの一冊でした。
営業は協業スタイル
一般的な営業は仕事をやりすぎかもしれません。
サービスや商品を利用するまでのプロセスをまとめるとこんな感じ。
認知→興味→検索→比較検討→購入→利活用
興味から購入までを営業が実施するというスタイルが多いと思います。
マーケティング部が商品やサービスを認知されるように、広告して興味を持ったお客さんに訪問やら電話でアポイントを取って、会いに行って他の製品との違いを説明して購入してもらう流れです。
このスタイルを変えて営業は比較検討の後半から購入という狭い区間を担当させることで、より購入につながる作業に集中させようというのが「THE MODEL ザ・モデル」の趣旨です。
マーケティングの範囲を広げ、ITを活用しながら「認知→興味→検索→比較検討」くらいまでをマーケティングで実施して残りの購入を営業にパスする役割をします。
マーケティングの比重が重くなるように見えますが、ITの力を使うことで実現可能でこうすることによって営業の成功確率も上がるのです。
より購入意思が強い人にフォーカスして営業をかけることができるために、成功確率が上がります。
営業とマーケティングを切り分けつつ、一緒に一つの受注という目標に向けて協業するという考え方が「THE MODEL ザ・モデル」の内容です。
プロセスごとの解説
プロセスごとにやることが変わりますので、簡単にそれぞれのプロセスで実施する内容をまとめていきます。
マーケティング
マーケティングの人は、オーケストラの指揮者のように振る舞う必要があります。
SNS、ウェブサイト、モバイルアプリや講演などの多数のメディアを選択してマーケティングを行う必要があるからです。
単にCMや広告に費用を掛ければいいのではなく、ブランドの認知度や認知のされ方、比較検討しやすいWebサイトにするなどの工夫も必要です。
いかに人に見られるか、いかに人に認識されるのか、どうしてこの会社なのか。
という観点で受注というゴールに向けてどんな形を描くかを考えるのがマーケティングです。
デジタルによって指標は、多数ありクリック率やメールの開封率などの情報をもとにぴったりの戦略を考えていく必要があります。
インサイドセールス
インサイドセールスとは、俗に言う外回りを指しています。
「THE MODEL ザ・モデル」ではインサイドセールスを最低限にするべく、顧客の購入意欲に合わせます。
Webサイトに最近何回アクセスしているのかや、広告を何度クリックしたか。
アンケートなどの回答状況などの情報によって顧客がどれだけの重きで購入を検討しているのかを把握して、実際にインサイドセールスをかけていくのです。
電話だったり、メールだったり、直接訪問したりも検討します。
購入意欲に合わせてやり方を変えることで効率的にインサイドセールを行うことができるのです。
営業(フィールドセールス)
最後に営業(フィールドセールス)のプロセスです。
顧客が迷っているなら迷っている要素をピックアップし、情報の補足や差別化できる部分。
実際に支払う額などの交渉などを実施していきます。
その際、決定権を持つキーパーソンが誰なのかを把握しておくと良いです。
部門の意思が通りやすいのか、経営層まで行ってようやく決まりそうなのかなど。
その情報をもとにどこにアプローチをかけるのか、決定がどう滞っているのかを把握すると受注に近づきます。
パフォーマンスマネジメント
どのくらい進捗が進んでいるのかを把握する際は数字を用いるのが良いです。
客観的に状況を判断できるからです。
営業の場合であれば、「受注予定日」「金額」「フェーズ」「商談日数・フェーズ滞留日数」などの項目を見て、営業の進捗を管理することができます。
数字に囚われすぎず、数字から読み取れる内容を想像することもマネジャーには重要です。
単純に営業の受注数だけ見て、営業がうまくいっていない部門を決めるのではなく多角的に営業数と金額を見て判断したり、訪問数と契約数を見たりします。
こうすることで、金額が大きい分受注が少なかったり、訪問数が多い割に受注が少ないなどが見えてくるのです。
ここから、何を調整する必要があるのか営業でどんなストーリーのことが起きているのかを想像し、時には営業で働く人の意見を聞いて職場を整えていく必要があります。
人材はどう選ぶ?
ここまでマーケティングや営業の体制を考えてきました。
あとはそこで実際に働く人を選ぶ際に気をつけるべき点は、ズバリ、一緒に働きたいと思える人かです。
「THE MODEL ザ・モデル」では何か一つの決定的な質問などは紹介しておらず、あくまで色々な質問でその人の考え方を理解することが重要とありました。
考えを聞くうちに自分と似た雰囲気を持った考え方なのか、一緒に働きたいと思えるのかに注目し人材を選んでいきます。
また、最初の頃は数よりも質を重視するべきです。
単価が高くても、マネージャークラスの人材を最初は選ぶべきで、安定してきて初めて育成枠を取っていきます。
こうすることで、素早く安定した組織を作っていくことができるのです。
人を選ぶ際は一緒に働きたいと思えるかというポイントが、重要というのは論理的な文章が続いた「THE MODEL ザ・モデル」では珍しい言葉であり、やはりこれが重要なのかと思わせてくれました。
まとめ
今回は、福田康隆さんの「THE MODEL ザ・モデル」を紹介してきました。
僕自身は営業とは関わりのない働き方ですが、今後ビジネスを起こしたりする際にはこういった営業の仕組み化を活かしたいと思いました。
仕組みによって働きやすく、生産性も上がる良い例を学ぶことができました。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
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