前世はあると思いますか?
今回紹介する貴志祐介さんの「我々は、みな孤独である」では、前世がキーを握る物語。
前世がどうやって、今に影響を与えるのか。ワクワクが止まらないストーリー。
この記事では、そんな「我々は、みな孤独である」の内容を一部ネタバレありで紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

探偵・茶畑の許にもたらされた、奇妙な依頼「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という依頼人・正木。
正木は80歳に近いが、偉大で企業を築き上げた人物だった。
前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子は、適当に話を合わせて報酬を得ようとするが、調査を進めるにつれ、次第に自分の前世としか思えない鮮明な夢を見るようになる。
前世は果たして本当に存在するのか。
結末に震撼すること間違いなし!
本の概要

ページ数
解説含めず412ページ、全420ページ。
読むのにかかった時間
だいたい5時間ほどで読み切ることができました。
構成
主人公・茶畑を三人称で描く構成でした。
一部、劇中小説などが出てきたり、夢の中を描いたりしますが場面は整理しやすくわかりやすかったです。
おすすめ度

貴志祐介さんの「我々は、みな孤独である」のおすすめ度は、5点満点中4点です。
一人でも多くの人に読んでほしい。けど若干人を選ぶかも?という評価。
正直僕は大好きな作品でした。SF要素が入りつつ、ミステリーとしてきっちりスッキリさせる感じ。
「新世界より」を彷彿とさせるような出来栄えだと感じました。
前世というキーワードから、謎が深まっていき、現実で起こる逃走劇。終始ワクワクドキドキしながら、最後には真相に何か納得してしまう。
こんな世界である可能性もあるかもと、本気で考えられてしまうほど見事な前世という考え方に脱帽です。
ただ、SF要素多め、さらに暴力的なシーンも結構あるので人は選ぶかもしれません。
また全ての謎が明るみになって終わりではない点に物足りなさを感じる方もいるかもしれないです。
ストーリーとして終始面白く、終わり方も綺麗なので多くの人におすすめ。
ですが、暴力シーンや後味が残る点で人を選ぶ。
それが「我々は、みな孤独である」の評価です。
気になる方はぜひ、お手に取ってみて下さい。
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにして下さい。

では、ネタバレありの要約、あらすじからやっていきます。
人探しを生業とする探偵・茶畑のもとに訪れた正木。その依頼は「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」というもの。
前世など信じていなかった茶畑だったが、1千万円という報酬に釣られ調査を開始する。
同時に、事務所のお金を持ち逃げした北川を追う。
というのも、北川が残した借金によりサイコパス・丹野から1千万円の請求もされているからだった。
丹野は茶畑の同級ではあったが、残虐な性格で平気で人をなぶり、殺す人間だった。
そんな丹野に発破をかけられながら、茶畑は正木の前世を追う。
時代小説家に前世の記憶を元に、小説を書かせることで時代の特定を行い。さらに前世を謳っている占い師の元へと足を運んだ。
徐々に前世が本当に思えてくると同時に、茶畑も前世を見るようになる。
そんな中、北川が揉めていたメキシカンのマフィアとの抗争に巻き込まれる。丹野とメキシカンが抗争を起こし出したのだ。
何度も茶畑は拉致されるも、毎回なんとか生き延びた。
そして前世の真相も明らかになる。人間は全て同じ意志を持っているというのが結論だった。
自分も、相手も、全く知らない人も同じ意志を共有している一個体という考え。
茶畑もまた、丹野であった時代があり、そこに時間的制約は存在しない。
丹野であった時代が終わり、次は茶畑として生きている。そして茶畑の生が終われば、また次の人へ。
前世の真実を知ることで、丹野の暴走を止めることにも成功する。
そして、茶畑は昔の彼女がどうして津波の日に、海に向かったのかをこれから知れると思い、もう一度彼女として人生を歩めることを楽しみにこれから先生きていくことを決意する。
解説と感想(ネタバレあり)

ネタバレ続きます。
ここではネタバレ関係ない解説と感想をまとめていきます。
全ての人間の意識は一つであった。これは一つの考え方としてかなり納得しましたね。
前世という考え方を裏付けつつ、矛盾点を見事にカバーし切れているんじゃないかと思いました。
時間という概念が存在しない理由にも見事にハマり、最後は丹野を倒す手段として丹野の記憶を利用して動く。というのも完璧なアプローチだったと思います。
次の生では元恋人になれるかもしれない。そんな終わり方も完璧。
真実がわからないことを、これから確実にわかる未来にする。という終わり方は斬新であり素晴らしいと思いました。
ただ一点、気になる点。意識は全て一つ。という考え方を聞いて正気を失う人、失わない人がいる。のおかしくないですか?
だって意識は一つなんですよね。ならその意識で正気を失うっておかしくないですか?耐えられる人、耐えられない人が生まれるのは意識が違うことの証明にならないですか?と思いました。
Aは大丈夫、Bはダメ。この時点でAとBが異なるものであることがわかるはずです。
それなのに、A=Bと言おうとしているのが気になっちゃいました。
もしかしたら、人間自体に個性がありつつ、共通する魂だけ入っているってことかもしれません。
入れ物が違えば、その人の耐性も異なるから正気を失ってしまう場合もあるってこと。
うーん、それでも絶妙に一つの意識ってのは無理があるような気がしてしまいますね~。
とは言え、物語として楽しめたので、良かったと思います。
まとめ

ここからはネタバレないので、安心して下さい。
今回は、貴志祐介さんの「我々は、みな孤独である」を紹介してきました。
よくできた内容で楽しく、新たな世界の捉え方を教えてくれる一冊でした。
気になる方は、ぜひお手に取ってみて下さい。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


