誰しもが恐ろしい雀蜂。
ですが、それ以上に恐ろしいものがあります。それは…。
今回紹介するのは貴志祐介さんの「雀蜂」タイトル通り、雀蜂が大量に出てくるホラーミステリーです。
この記事では、そんな「雀蜂」の内容を一部ネタバレありで紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

11月下旬の八ヶ岳。山荘で目が覚めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。
昔ハチに刺されたことがある安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。
逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。
妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まる!!
果たして、スズメバチの裏に潜む恐ろしさとは。
安斎は生きて帰ることができるのか。
本の概要

ページ数
全236ページでした。(解説なし)
読むのにかかった時間
だいたい3時間ほどで読み切ることができました。
構成
安斎を一人称とした文体で書かれていました。
おすすめ度

貴志祐介さんのおすすめ度は、5点満点中3点です。
なかなか面白いけど、手放しでおすすめかというと微妙という評価。
貴志祐介さんは良作が多いので、他の作品を優先した後行き着く先としては良いと思います。
僕としては「悪の教典」「新世界より」を先に読んで、貴志祐介さん沼にハマってから読むと非常に良いと思いました。
物語としては短く、簡潔でテンポがいい。さらにスズメバチというわかりやすい恐怖があることでとんとん拍子で読み進めることができます。
ただ、最後の最後で理解が一気に難しくなります。ミステリー小説に慣れている人だと割と使われる仕掛けなので理解できるのですが。
初見だと意味がわからない!という感想になりそうです。短い説明であるのも理解を難しくしている要因だと思います。
なので、面白いけど最後の最後が難しいのでおすすめしきれないという評価でした。
とはいえ、ワクワク、ドキドキ、ハラハラを楽しみたい方はぜひ読んでみて下さい。
スズメバチの怖さもですが、人間の怖さもよくわかる一冊だと思います。。。
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにして下さい。

では、ネタバレありの内容要約・荒らすじからやっていきます。
11月下旬の八ヶ岳。本を書くために買った別荘で目が覚めた小説家・安斎。
耳障りな音を耳にする。それはスズメバチだった。以前ハチに刺された経験がある安斎に二度目は命に関わる。
なんとか、カーテンを駆使して一匹目は殺すことができたが、まだまだスズメバチはこの山荘内に居そうだった。
慎重に進み、なんとか外のガレージに来ることができた。ただ車の鍵はない。
さらに外は吹雪で、まともな服を着ていない安斎はこのままでは凍死してしまう。
最後に一緒だった妻がいなくなっていることで、安斎は妻の夢子がスズメバチを解き放って、安斎を殺そうとしていると確信する。
なんとかして、今は現状から抜け出さなければならない。
ガレージ内を探索して、スキーウェアを見つけた安斎は、梱包材とガムテープを使って簡易的な防護服を作成する。
バトミントンのラケットを持って、スズメバチに応戦することにした。
しかし、スズメバチは刺すだけではなく、毒を噴射させることもできるのだった。目に入り喉に入り、道半ばでガレージに引き返すことになった。
目を雪で洗いながら、交戦しようとしたことを後悔する安斎。そんなところに、車がやってくる。
スズメバチに詳しい三沢と夢子だと、ほぼ見えない中安斎は認識する。二人は自分が死んだことを確認するために来たんだと考え、なんとか逆襲することを画策する。
地下に続く階段をうまく使い、二人を閉じ込めることに成功する。安心したところで、安斎はソファに腰を下ろした。
なんと、そこにはスズメバチの死骸があり、その針が手に刺さってしまう。
だんだん息ができなくなり焦る安斎。気道を確保するためボールペンを喉に刺す。
人の声で気が付く安斎。
警察と夢子がやってきていた。
夢子は警察に供述を始める。ボールペンで喉をさした男は安斎ではない人物であると。
その男は妄想で自分が安斎だと思い込んでいるストーカーであった。
そして本物の安斎は自分を殺そうとしていること、スズメバチに刺されたことも全て夢子の経験であり、偽安斎はその経験をエッセイにした本を読んだだけの存在だった。
偽安斎は、本物の安斎がスズメバチの仕掛けをし終わった後に殺し、成り代わったのだ。
夢子はその行動に驚き、なんとか睡眠薬を飲ませて、山荘を後にしたことでスズメバチの被害に遭わずに済んでいた。
夢子は偽安斎のことを警察に伝え戻ってきたのだった。偽安斎は自分が偽物であったことを思い出しながら、自分がすでに死んでいることを自覚し、再び意識を失っていった。
トリックの解説・整理(ネタバレあり)

ネタバレ続きます。
ここでは、「雀蜂」のトリックについて解説、整理していきます。
「雀蜂」の叙述トリックは、実は読者が見ていた安斎は偽物だったというものでした。
本物の安斎が仕掛けたスズメバチ屋敷で、偽物の安斎が奮闘するという流れ。
偽安斎はそのことを知らずに、本物と思い込んでいる自分を殺そうとしている妻がやったと考えていたのです。
偽安斎の妄想がかなり入るせいで、読者ですら見ていた世界が一気に疑いになってしまう。というのが大どんでん返しの内容でした。
一番恐ろしい存在は本物の安斎。本物の安斎が妻を殺そうとしてスズメバチ屋敷を作ったというのが真相でした。
その本物安斎を殺し、成り代わろうとした偽安斎はある意味巻き込まれた形。もちろん、偽安斎を擁護する気は全くありませんが。
妄想が酷い読者による安斎になり変わる。自分が安斎であると思い込んだ結果起きた「雀蜂」というのが今回のオチでした。
ちなみに、三沢が出てきたところで殺そうとしている画策で話しているのは、完全に偽安斎の妄想だと言えそうです。
まとめ

ここからはネタバレないので、安心して下さい。
今回は、貴志祐介さんの「雀蜂」を紹介してきました。
スズメバチ怖いですね~。
改めて、スズメバチの怖さを知る機会になりました。もちろん、人間はそれ以上に怖いんですが。。。笑
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


