死に直面する時こそ生きているを実感できる。
自分をいかに地獄の状態に持っていけるか、安定をいかに振り払うことができるか
個性を持つことも、生きていることを実感することも、自分を追い込むことにこそ手に入れることができるのです。
今回紹介する岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」では突飛な視点で書かれているものの、確かに!と思わせる内容が書かれていました。
個性を持ちたい、生きていることに漠然と不安、不満があるという方にぜひ読んでほしい内容でした。
悩みや迷いが一つでも晴れるはずです。
この記事では、そんな「自分の中に毒を持て」の内容を要約し解説していきます。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
文庫サイズで全246ページです。
読むのにかかった時間
口語ベースで書かれた内容で、2時間半ほどで読み切ることができました。
構成
岡本太郎の発想や個性の正体の一部を知ることができる内容で、突拍子もない意見ですが納得する部分も多い内容でした。
個性や社会への不満などがある方には、ぜひ参考にしてほしい内容です。
一つの新たな考え方が手に入る一冊になっています。
自分を追い込む選択肢を選べ!
選択肢に迷ったら、苦しい方を選ぶ。
「自分の中に毒を持て」中では人生は選択肢だらけだとありました。
朝目覚ましと共に起きようかから、朝食に何を食べるか、何を着ようか、将来のために資格の勉強をしようか、仕事や学業の中でも選択肢はたくさんあります。
どこの会社に就職しようか、自分が今やている仕事は向いているのか、このままでいいのか。
たくさんの選択肢に迷うことは当たり前です。
ですが、そんな時に「自分の中に毒を持て」の筆者である岡本太郎さんは一言アドバイスするのです。
「迷ったら自分が苦しいと思う方を選択しろ」
人間は放っておくと楽な方へ、現状維持の方へと流れる習性があります。
何も行動しないことやこれまでの安定を手放したくない心理が働いて、無難な選択肢を選びがちなのです。
ですが、あえてそこで苦しい方を選ぶことで、本当に自分がやりたかったことができたり、より成長することができます。
仕事を辞めると生活が苦しくなるしなぁ、と思ったら辞める。
音楽一本に絞って、ミュージシャンになりたいけど生活不安定になるよなぁ、と思ったらミュージシャンになる道を選ぶ。
自分が甘えそうになったら喝を入れることこそ、自分のためになり、生きるということであるのです。
もしも失敗してしまって、どうしようもなくなってしまっても、それはそれでいいというのが岡本太郎さんの考え方でした。
仕事を辞めて生活が苦しくなって人生詰んだ。ミュージシャンになれず結局ただのフリーター。
となってしまっても、それはそれで人生を楽しんだ謳歌したからOKという考え方です。
極端な考え方であるものの、安定や安心だからという理由で選択肢を踏み出さないというのは勿体無いことも確かです。
進んでみなければわからないことは多いですし、人生は一度きりやりたいと思った時にやらないときっと後悔します。
失敗しそうだから、世間的に非難されるからなど、やらない理由を探す前に思い切って自分を追い込んで潜在能力を出し切れる環境を選択してみてください。
自分は変われて、案外生きていけるということがわかってくるはずです。
愛は片思いでいい
恋愛は両思いじゃないといけないのでしょうか?
好きと言ったら、好きって返されなければダメなものなのでしょうか?
岡本太郎さんは「恋愛は片思いでもいい」という主張をしていました。
相手を好きならその気持ちだけで十分で、相手から好かれることが決して必要不可欠ではないというのです。
確かに、好きと言われたい気持ちというのはわがままだったり、単純に性欲から来るものかもしれません。
手を繋ぎたいとか、キスをしたいなどという気持ちがあるから、相手に好きって思われたいと考えるのです。
純粋な恋愛という面であれば、単純に相手を好きという気持ちがあるそれだけで十分なはずなんです。
一歩間違えばストーカーを量産しそうな主張ではあるものの、新しい考え方としては面白いと感じました。
相手がいて、相手を好きという気持ちがある。それだけで自分の中では恋愛というのが生まれている。
相手を好きであればすでに恋愛の条件は満たしている。その後を求めるのは自分のエゴかもしれません。
ちょっとだけ恋愛観が変わる、面白い考え方でした。
とはいえ、僕としてはやはり好きになった人には好かれたいと考えます。
また、好きになってもらいたいから、自分を磨くというのも大切な恋愛の要素だと思っています。
好きな人ができることで、成長できる。たとえ相手に好かれなくても恋愛というのはそれだけで大きな経験になるのです。
中学生の頃に味わったクラス替えで、好きな子と同じクラスになった喜びはもう2度と味わえないかもしれませんが、何歳になっても恋愛はしていたいですね。
全ての問題は自分の中にある
将来が不安、政治家が信用できない、自信が持てない、生きている意味がわからないなどの全ての悩みや問題は自分の中にあるものです。
つまり自分が変われば全ての問題や悩みは解決します。
不安やダメかもしれない、というネガティブな気持ちをむしろ率先して取りに行くくらいの気持ちを持つことが「自分の中に毒を持て」ではおすすめされていました。
やばい、死ぬかもしれない、と思うときにこそ生きていることを実感して、人生が輝くと岡本太郎さんは主張しているのです。
極端な考え方ではあるものの、納得するところは多いです。
緊張というのが僕は一番当てはまることかなと感じました。
緊張する場面は、誰しも嫌なものです。
胸が苦しくなって、妙に喉が渇いたり、吐き気がしたり、逃げ出せるなら逃げ出したい気持ち。
それこそ生きているという実感であり、これから輝こうとしている証拠なのです。
逆境にこそ人生のスパイスがあります。
せっかくの人生を楽な道だけで終わるのは決して面白くありません。
フィクションの世界でも、事態がガラリと変わる展開があるからこそ観ていられます。
もしも何も起こらないミステリーや、誰も戦わないバトルがあったら誰も観ようとはしません。
退屈ですから。
人生も同じです。いかに面白がれるかが人生を豊かにしてきます。
面白がるためには、不安だったり、悩みだったりが必要になってくるのです。
悩みや問題があるからこそ、解決のために奮闘する、他の選択肢を考えるなどの面白い体験ができます。
ネガティブを受け入れることで、全ての悩みは悩みではなく、楽しみに変わるのです。
決してポジティブになれという話ではなく、ネガティブという感情を受け入れてそれこそ人生に必要なものだとして頑張る。というのが岡本太郎さん流の悩みや問題解決方法になります。
決して単体の問題解決ができるわけではないですが、気持ちがスッと楽になる考え方だと思います。
まとめ
今回は、岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」について紹介してきました。
かなり極端な考え方をしていて面白かったです。
極端でしたが、結構勉強になることが多く、人間は自然と楽な方向、安定の方向の選択をしているという点は心に響きました。
選択肢を勝手に狭めて苦しんでいるのも全部自分です。
やりたいことをやれるのは今だけかもしれません。
怖いというネガティブな感情を受け入れて、自分を甘やかすのではなくあえて緊張や苦しいと思う環境に投げ出す選択肢をする。というのをぜひ実践していきたいです。
人間は自分を甘やかしすぎているのかもしれません。
もっと自分をどうでもいいものと思えるほど、正直に生きていくべきだ!という叫びが伝わってくる一冊でした。
今回紹介した主張に少しでも興味があるところがあれば、ぜひ本編を読んでみてください。
新しい考えに触れられるはずです。
では、皆さんの悩みが少しでも楽になることを祈っています。
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