課長になったら何をするべきか。
課長でない方も知っておくことで、課長とのコミュニケーションがスムーズになる一冊を今回は紹介します。
酒井穣さんの「はじめての課長の教科書」
読みやすく、しっかりと課長が行うべき業務とそのための考え方が書かれた一冊で、課長でない人にも学びのある内容となっていました。
この記事では、そんな「はじめての課長の教科書」の内容を紹介していきます。
では、いってみましょう!

本書の概要

ページ数
あとがきを含めず274ページ、全286ページでした。読むのにかかった時間
読むのにかかった時間
大体3時間ほどで読み切ることができました。
構成
課長とは何かという話から始まり、基本スキル、巻き込まれる非合理なゲーム、避けられない問題と
課長になることで発生する色々なことが詳細に書かれ、簡単な対策、考え方が書かれている内容でした。
おすすめ度

酒井穣さんの「はじめての課長の教科書」のおすすめ度は5点満点中3.5点です。
おすすめする人は結構絞られる印象でした。
課長である方やこれから課長になる方にとっては非常に良い一冊になると思うので、おすすめします。
ただ、一般社員にとって読むべきとは手放しには言えません。
課長の仕事を知ることで、どうしてこんな会議が必要なんだろう。や問題社員に対しての対処をしてばかり。という思いに納得することにはなります。
ただ課長の行動を理解すること=仕事が良くなるというわけではありません。
なので、単純にビジネススキルを高めたいという場合は他に優先させるべき本は多いと思います。
課長が何やっているのか、何をやるべきなのか、課長を理解したい。そんな方に向いた一冊なので、当てはまらない方にとってはおすすめしない一冊です。
課長って何をする人?

課長は、管理職として認知される最下位のポジションです。
また、予算管理、人事査定をするポジションなので、キャリア的にも大きな経験、実績となります。
そんな課長は何をする人なのか。ズバリ末端社員のモチベーション管理が課長のお仕事です。
十数名の部下たちの一人一人を熟知して、ストレスの管理や仕事の管理、キャリア管理をしていきます。
働きやすい環境を作り、意見の出しやすく、失敗を恐れないチームを作ることが一番にやるべきなのが課長というポジションです。
さらに、上からの指示を部下への具体的な指示に分解したり、部下の意見や報告を上司に簡潔に伝える必要もあります。
まさに中間として経営層と実働部隊をつなぐ役割が課長です。
予算管理も必要なので、とにかく管理を行うのが課長と考えるとわかりやすいと思います。
課長が持つべきスキル3つ

管理が大変な課長が持つべきスキルをここでは3つ紹介します。
本書では8つのスキルが紹介されていました。
部下を安心させる
失敗をしたら即クビにされる。緊張感がありすぎる職場というのは逆にミスが増えたり、挑戦しないことで成長がなくなってしまいます。
短期的にも長期的にも安心できない職場というのは悪い状態だと言えます。
そうならないように、多少の失敗は挑戦・成長として捉えられる環境が理想です。
安心させることで、悪い状況の報告もスムーズになり、一大事にならずに早めに対策や対処を行えるようになるのも部下を安心させることの効果にあります。
部下を叱り変化を促す
叱り方を間違えると部下のモチベーションが下がるだけ。となってしまいます。
叱るのは部下に変化を促すためであることを念頭に置かなければなりません。
人に言われたから変わる。というのは実は非常に難しいことなのです。
なので、何が良くなかったのか、本来あるべき姿を指し示す叱り方によって、次どうすればいいのか、今回何が悪かったのかを部下自身に考えさせます。
ただ怒鳴りつけるなどもってのほかでモチベーションを保ちながら、本来の方向性に補助を入れてあげる感覚を持つことが重要です。
ストレスを適度な状態に管理する
緊張感がありすぎる職場は働きづらいですが、ストレスがなさすぎる職場は成果が出づらくなるというデメリットも含んでいます。
さらに、ストレスがなさすぎることで優秀な社員は退屈でモチベーションを下げてしまう可能性もあるのです。
そうならないように、一定のストレスを与える状態は必要。
絶妙なストレスの状態を生み出すことこそ課長の真価が問われてくる部分です。
退屈すぎない、緊張しすぎないチームの状態を作っていくようにしましょう。
課長がぶつかる3つの問題

課長になることでほぼ必ずと言っていいほど、ぶつかる問題があります。
ここではそんな問題の対処法を簡単にまとめていきます(本書では9つの問題が書かれていました)
問題社員が現れる
問題社員が現れる場合が十分にあります。
備品を盗んだり、セクハラパワハラがひどい社員が出たり。
ただ、上記のような場合は法律的に裁くことができるので、法務に相談したり上司にエスカレーションすることで決まった対策ができます。
もっと大変なのは、やる気はあるけど空回りしている社員やさぼっている社員、能力が低い社員です。
まずやるべきなのはそういった社員のモチベーションを高め、最大のパフォーマンスを引き出すこと。
どんな社員にも必ず得意不得意が存在します。
そのため、得意を引き出してあげることがまずやるべきことです。
それでもダメでも、基本諦めずに粘って問題社員に付きっきりになります。
他の優秀な社員をほっといてでもその社員に力を注ぎ、最後の最後に全員が諦めたタイミングでしか課長は諦めてはいけません。
最後の最後まで社員の能力を信じてあげる。それが課長が問題社員にやるべきことです。
部下が会社を辞めると言ってくる
部下が会社を辞めたい。と言ってくる場合もあります。
そういった場合、まずはどのくらいの熱量で辞めたいと思っているかを聞きます。
既に次の職場を見つけているなどの場合はもう止めようはありません。
ただ、もしも今の業務が嫌なだけであるとか、人間関係がうまくいっていないから辞めたいと思いはじめているというのであれば、改善や止めるられるかもしれません。
まずは言ってきた部下の話を聞き、改善できるポイントを探します。
基本的に辞める熱量が低い部下については、話を聞くだけで案外解決しちゃうかもしれません。
ある種の構ってくれない状態に嫌な気持ちになっていただけの可能性も多いのです。
部下の話を聞いてあげることで、あなたのこともしっかり見ているよと伝えることがこの場合有効になってきます。
違法スレスレの行為を求められる
上司から違法スレスレの行為を求められる場合もあります。
そういった場合は、きっぱりと断ります。
自分の倫理に反することをやることは、会社にとっても長期的に良くないことです。
なので、断る勇気。
違法なことは必ず自分の首を絞めることになるので、やらないことが賢明です。
課長のキャリアプラン

課長のキャリアプランは案外難しいものです。
まずは部長を目指すのが一つのプランとなってきます。
ただ、部長は数が少ない上に退職者が少ないポジションです。
そのため、長い目で待つ必要があるのが悩みどころ。
早めるために自分の課を部に押し上げるという方法があります。
これが一番手っ取り早くはあるものの、成果を上げるのが大変だったりもします。
次の選択肢として、起業するというのがあります。
実は新しい会社のほとんどは、課長というポジションに似た状態で始まっているのです。
十数人で会社を起業するパターン。まさに課長が社長という図になります。
これまでのスキルをフルに使って起業できる分、成功確率も上がるのです。
もちろん、ずっと課長であり続けるのもプランとしてあります。
課長は絶妙なポジションなので、転職するときにも経験を活かした転職ができるのです。
(部長の場合は、社内政治スキルばかりが上がっていて、雇われづらい傾向があります)
まとめ

今回は、酒井穣さんの「はじめての課長の教科書」を紹介してきました。
課長として働いている。課長になりたい。課長にこれからなる。という方にはぴったりの内容だったと思います。
一般社員である僕自身も課長の仕事がどういったものなのかわかって、楽しかったです。
課長って大変ですが、面白そうな仕事ですよね~。
本書ではさらに詳しく課長のスキルや問題解決のヒントが書かれているので参考にしてみてください。
では、皆さんの課長ライフがより良いものになることを祈っています。

