不気味な絵の正体を暴け!?
今回紹介するのは絵がテーマ、雨穴さんの「変な絵」です。
前回は家の間取り、今回は絵。色々な絵に隠された真相がちょっと震える内容になっています。
この記事では、そんな「変な絵」の内容を一部ネタバレありで紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

オカルトサークルに所属する佐々木は、後輩の栗原からとあるブログの存在を教えられる。
そこには「あなたが犯した罪」という不穏なメッセージと共に、投稿者の妻が描いたとされる「絵」が掲載されていた。
罪の告白が描かれる9枚の奇妙な絵。
それぞれの物語が繋がった時、その絵の意味も変わる…
果たして絵の真相とは。
本の概要

ページ数
全371ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい3時間ほどで読み切ることができました。
構成
第4章に分かれる構成で、短編のようですが最終的には長編という物語形式です。
文庫版では特典が二つ付いていて、本編とは異なる真相を知ることができます。
おすすめ度

雨穴さんの「変な絵」のおすすめ度は、5点満点中3.5点です。
面白くておすすめはできるけど、めっちゃくちゃおすすめ!ってほどでもないという評価。
絵が全面に出ているのは非常に斬新かつ、きちんと筋が通っているのが良かったです。
短編っぽいのにちゃんと話がつながっているのも良かった。
まさか絵をそうやって使ってくるかというのが全ての章で異なっており、毎回驚かされました。
絵のトリックだけではない点もおすすめポイントで、シンプルにストーリーがホラーを交えたミステリーにまとめられていたのです。
ドキドキしながら、読む手が止まらなくなりました。
ここまで評価しつつもおすすめ度を下げたのは、正直インパクトという面では「変な家」の方があったのと、社会へのメッセージ性は弱いと思ったからです。
伏線回収という点では、絵という伏線やある章で発生した謎を後の章で回収する見事な場面は多くありました。
ですが、それでも絵よりも間取りの方がインパクトはあり、「うわ、そういう見方があるのか」なんてことも思うことができました。
これまでに全くなかったインパクトというのを楽しむなら「変な家」の方がおすすめです。
また社会へのメッセージ性もやはり、強くおすすめするなら欲しいところ。
僕としては多くの人に読んで、世界が少しでも良い方向に動くことも小説のお勧めするかの視点なので、「変な絵」に関しては辛口で評価しています。
とはいえ、ストーリーや伏線という面で非常に面白い作品です。
気になる方は、ぜひ一度お手に取ってみてください。
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

では、ネタバレありの内容要約・あらすじからやっていきます。
オカルトサークルに所属する佐々木が栗原に紹介されたブログでは、ある男性の日記が載っていました。
子供が生まれるまでの日記の内容が書かれており、子供が生まれる瞬間を夫婦で楽しみにしている様子が伺えます。
妻が描く絵がそのブログでは紹介されたと思ったら、最後の投稿には妻が死んだことが突然書かれていました。
さらには「あなたの罪は許さない」という意味深な言葉も添えられている。
佐々木は栗原の考察を聞くことで絵の意味を知っていきます。
夫婦以外に同居している第三者がいること。
妻は実は、出産を誰かによって妨害されている悲痛の叫びが絵には込められていること。
妻の死には何か裏があるのだろうというところで、佐々木を主人公とした第1章は終わります。
次は子供(優太)の世話をする直子の視点。
優太が描く謎の絵から始まります。母親というテーマで、大きく描かれたマンションと一室がグレーに塗りつぶされている絵。
疑問に思いながらも直子は日常を送っていると、尾けられていることに気づきます。
なんとか撒くものの、恐ろしい気分になります。そんなある日、優太が行方不明に。
見つからない。しかし、優太の描いた絵にこそヒントはあり、本当の優太の母親が眠っているお墓へといきます。
無事にそこに優太はおり、本当の母親がいたという真実と尾けていた人物を直子が刺すことで物語は第二章は終わりました。
第3章は美術教師が殺された事件と、美術教師が残した絵でした。美術教師を恩師とする青年が事件を解こうと先輩社員の熊井に相談し事件は動きます。
美術教師が描いた絵は8合目から見える景色で、美術教師はその8合目で殺されていました。
殺される寸前にどうして山の景色を書いたのか。この疑問点に青年は一つの可能性を見出し、謎を解き切ろうとした時、襲われます。
そして無惨にも美術教師と同様の手口によって殺されてしまう青年。
ここまでが第3章。
青年の無念を晴らすべく、熊井は動き出しますが事件は解けず10年という月日が流れてしまいました。
ようやく、事件の真相に辿り着き、犯人が美術教師の妻である直子であることが判明します。
ここで全ての事件がつながります。
直子は子供にとにかく執着心がありました。そんな子供に愛という名の暴力を振るう美術教師が許せず完全犯罪のように殺しました。
しかし、その犯罪を明るみにしようとした青年が現れ、子供の将来のためにも秘密にしなければと殺したのです。
子供は大人になり、結婚。ブログの主こそが直子の息子でした。
息子は妻と共に子供が誕生することを楽しみにしていましたが、直子は違いました。
息子が立派に成長し、面倒を見る相手がいなくなってしまった。でも、自分はまだ母親で居続けたい。
その一心でなんと、妻の出産を妨害することに。塩を入れたカプセルを飲ませることで血圧を上げさせ、最後には妻は死に子供だけはなんとか出産させるという行為を完遂させたのです。
これで晴れて、本来は孫であるが自分の子供として優太を育てることができるようになりました。
優太には「ママ」と呼ばせて育てていきます。
しかし、絵の真相に辿り着いた直子の息子。母親を糾弾することもできず自殺を選ぶことにします。
悲しみに暮れながらも直子は優太を育てていきます。そんな折に現れた尾行。
実は尾行していたのは熊井でした。熊井は尾行をすれば子供を守りたい一心の直子は反撃してくると考えその通りに熊井は刺されます。
さしたことで現行犯として直子を捕まえることができ、余罪である美術教師(直子の旦那)と熊井の後輩の青年殺害を明るみに出すことができました。
こうして事件は幕を閉じたのです。
まとめ

ここからはネタバレないので、安心してください。
今回は雨穴さんの「変な絵」を紹介してきました。
非常に面白い本で、絵を上手く利用した作品だと思いました。とはいえ、インパクトでは「変な家」の方があった印象です。
ただ、読みやすさや作品としてのクオリティでは「変な絵」が勝っている気がします。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


