顔を変えたいと思ったことはありますか?
今回紹介するのは、そんな美容整形の物語。知念実希人さんの「リアルフェイス」です。
美容整形の世界で織りなす心温まるストーリーと悍ましいミステリーの融合。
今回はそんな「リアルフェイス」を一部ネタバレありで紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

美を創り出す芸術家のように、依頼者の顔を変える天才美容外科医・柊貴之。
金さえ積めばどんな要望にも応える彼のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。
今の妻の顔を前妻の顔に変えろ。追われているから別人の顔にしてほしい。
さらには、整形美女連続殺人事件の謎が見え隠れしてくる。
果たして、殺人事件の真相と迫り来る犯人の正体とは?
本の概要

ページ数
全362ページでした。
読むのにかかった時間
大体4時間ほどで読み切ることができました。
構成
基本は、天才美容外科医・柊貴之のもとに麻酔科医としてやってきた明日香をメインとした三人称の文体でした。
一部犯人目線もあることで、ハラハラドキドキ、真相を犯人視点から味わえる構成でした。
おすすめ度

知念実希人さんの「リアルフェイス」のおすすめ度は、5点満点中3.5点です。
かなりおすすめできる!という評価。
とにかく読みやすいのが大きいです。美容整形という身近ではないものの、誰もが興味を持ったことのある分野を取り上げつつ、そこにやってくる不思議な客。
短編小説のように客ごとに物語が完結していき、その一つ一つの話がちゃんと面白い。
さらに最終的にはビッグな連続殺人事件に結びついて、その事件を解決させる。見事な構成だと思います。
また、ラストへの持っていき方も実に鮮やかで伏線を回収して綺麗に終わっている。満点にしたいくらいの出来です。
では、満点ではなくちょっと中途半端な点数なのはどうしてか。
それはもっと震える展開にして欲しかったというのと、メッセージ性の弱さ、顔変えすぎという三点です。
伏線回収の鮮やかさと綺麗な終わりは良いのですが、もっと震えるような伏線回収、鳥肌展開が僕の好みなのでおすすめ度を下げました。
また、整形は人の心を治すというメッセージがあるような気がしましたが、正直弱い。もっと社会的なメッセージ性で僕の考えを根本から変えるようなものが欲しかったです。
最後に顔変えすぎ。これはフィクションなので当たり前ですが、そんなぽんぽん、綺麗に顔を変えられるものなのか??という疑問が残ってスッとは入ってこなかった点です。
フィクションすぎてちょっと萎えてしまう感じ。
以上の三点があるので、おすすめ度としてはちょっと下げてしまいました。
とはいえ、上記のことが気にならなければ、最高に楽しめる一冊だと思いますので、気になる方はお手に取ってみてください。
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

では、ネタバレありの内容要約・あらすじからやっていきます。
天才美容外科医・柊貴之のもとへ、麻酔科医として明日香が雇われた。
美容手術に乗り気ではない明日香だったが、その報酬の高さにしばらく働くことになった。
最初に来た患者は、名高い企業を立ち上げた社長からの依頼。妻を前妻の顔にして欲しいというものだった。
わけがわからない依頼だったが、報酬の高さで柊は明日香の反対を押し切り、受ける。
社長は生い先が短い最後の願いを現在の妻が叶えようとしたのだった。前妻の顔で社長である夫に語りかけ愛を証明する妻を見て明日香はこんな愛の形もあることを知る。
次の依頼は、反社会的組織の組長。息子の顔を変えて欲しいというものだった。
命を狙われている息子を秘密裏に顔を変えようとするも、銃撃に遭ってしまう。
だが、柊の魔法のような手術によって一命を取り留め、息子は死んだことにして顔を変えて送り出すことに成功する。
次の依頼は、整形依存の女優だった。整形のしすぎで崩れている顔を直して欲しいというもの。
本当の美しさを求める彼女をどう救うのか。
柊は昔の顔に戻すことで、その要望を叶えた。一時的に特殊メイクで整形失敗を演出することでマネージャーの本心を引き出すことも行い見事に整形依存も解決させてみせた。
このような柊率いる美容整形病院だったが、ある日放火される。
そこに置き手紙があり、差出人は「神楽誠一郎」
神楽は、数年前に整形美女を連続で殺し、デスマスクを作ったとされる猟奇殺人鬼であった。
柊は巻き込まないようにすぐに明日香をクビにするが、明日香は独自の力で柊の過去、神楽との関係を暴く。
今まで柊と思っていた人物が神楽であることも判明し、神楽が顔を変えて柊を演じていたのだ。
しかし、神楽=殺人鬼ではなく、元々柊だった奴こそ殺人鬼だったのだ。
自分が捕まることを恐れた柊が、弟子であった神楽に罪を被せ、顔を柊にしていたのだった。
そんな元柊(殺人鬼)は逃亡生活の中、現柊(神楽)を殺し、柊として生きていこうという企みで明日香に記者と嘘をつき近づいてきた。
そこを逆手にとって現柊は、元柊を捕まえ顔を神楽にして警察に突き出す。
警察は神楽=殺人鬼と考えているため、神楽の顔になった元柊を神楽=殺人鬼と考え捕まえようとする。
元柊はその事実を知り、美しすぎる手口に感嘆。全てを受け入れ神楽として自殺をし物語は幕をとじる。
天才美容外科医・柊(元神楽)は神楽という名前を完全に消し去り生きていくことになった。
まとめ

ここからはネタバレないので、安心してください。
今回は知念実希人さんの「リアルフェイス」を紹介してきました。
短編のようであってちゃんと長編な一冊、美容整形という切り口で楽しませてもらいました。
ラストへの持っていき方、鮮やかさがとにかく光る一冊、気になる方はぜひお手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


