売れるものはデータでわかる?
データでわかるのは行動だけで、感情は分かりません。
マーケティングとは、「誰に」「何を」「どう」売るのか。
今回紹介する「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」は特にWeb関係のマーケティングに絞って紹介されています。
Web上でどうやって売るのか?どういったターゲット向けに広告を作るのか?
広告をクリック率を上げる方法、購入まで行ってもらう方法など83の方法として紹介されています。
マーケティングに従事する方は必見で、従事していない方も読んで面白い一冊だと思います。
この記事では「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」についての内容を要約しながら、Webマーケティングを今から変えるテクニックについて紹介します。
では、行ってみましょう!
本書の概要
ページ数
おわりの言葉を除いて、312ページ。
おわりの言葉を含めて、全316ページです。
読むのにかかった時間
3時間ほどで読み切ることができました。
構成
83のマーケティング手法を紹介した一冊です。
単純なテクニックを紹介しているものではなく、一人前のWebマーケッターになるために必要な考え方や技術について書かれています。
この一冊を読むだけで、Webマーケティングに必要な知識を手に入れることができます。
83の手法を紹介しつつ、手法が必要な理由と手法によって手に入れられるメリットについて詳細に説明がなされていく構成です。
ファンダメンタルズマーケティングとは
ファンダメンタルズマーケティングとは、商品そのものやユーザー、ユーザーが求めていること分析してコミュニケーション設計を行う手法になります。
商品やユーザーを理解して戦略を立てるという点では、従来のマーケティングと同じ考えですが、Webの場合実際のコミュニケーションは取れません。
あくまで広告をクリックした理由などから、どのような境遇でどのような理由で、どのような目的でクリックに至ったかを分析しコミュニケーションとする手法です。
相手の行動を分析して、どうしてそういう行動に至ったかを考え、マーケティングにつなげるのがファンダメンタルズマーケティングになります。
テクニカルマーケティングとは
テクニカルマーケティングとは、データをベースとしたマーケティング手法になります。
極端に言ってしまえば、商品に詳しくなくてもある程度の結果を出せる手法であり、ユーザーや商品を見るのではなくクリック回数や閲覧数などのデータを分析します。
すでにある程度売れている商品に対しては、テクニカルマーケティングが向いていて、テクニックや知識という側面が大きいです。
マーケティングと聞くとテクニカルマーケティングを指すと思われる方が多いですが、「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」ではファンダメンタルズという土台があるからテクニカルマーケティングが輝くという書き方でした。
Webで商品を売るために必要なこと
Webで商品を売るために必要なことは、商品とユーザーをしっかり知ることです。
商品にはどういった強みがあるかを知ることからマーケティングは始まります。
競合他社とどのような差があるのか、詳細に知っていればどこを売り出していけばどう言ったユーザーの心に刺さるのかというのが見えてくるのです。
例えば、ポルシェを売るとした場合、燃費の良さや安さを前面に出す広告はナンセンスです。
ポルシェならいかに高級感があるのか、持っているだけでどれだけステータスが高いのか、そんなところを推すことで売り上げにつながっていきます。
商品の強みを知る部分がマーケティングの「何を」という部分に対応していて、「誰に」という部分にユーザーのニーズとなります。
ポルシェの例だと、お金を持っていてステータスが欲しいと思っているユーザーが「誰に」という部分になります。
だからこそ他のユーザーにも受けようとするのではなく、ニーズがあって買ってくれそうなユーザーに向けて広告を打つのが効率的なのです。
「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」では、良い広告は世間に知れ渡っていないもの。という言い回しがありました。
これは本当にニーズがある部分にだけ適切に広告できている例として説明がされていました。
まさに「誰に」という部分をしっかりと押さえられた広告こそが、良い広告であるということです。
最後に残ったマーケティングの考えは「どうやって」の部分です。
これはニーズと商品を知ることで、見えてくる部分になります。
TVCMが良いのか、ポスターが良いのか、スポンサーとしてどこかの大会を主催した方が良いのか、商品とユーザーの組み合わせを見て考えていくのです。
目的とするユーザーが一番見そうな場所に広告を打つ、これこそがどうやっての部分になってきて、さらに広告が適切に伝わるかという部分に注目することが大事になります。
商品の強みを知って、ユーザーのニーズに合わせて広告する場所、広告する内容を吟味する。
これがファンダメンタルズマーケティングです。
行動と感情をどう結びつけるかが大事
その広告どうしてクリックされたのでしょうか?
Webだとユーザーの行動はクリックや閲覧時間などでしか確認することができません。
だからこそどうしてユーザーが行動に移したかという部分を想像し、分析する必要があるのです。
何も考えずにクリックするということはほとんどないからです。
広告のどの部分に興味を持ったのか、どう言ったニーズでクリックしたのか、その部分を適切に分析することで広告の質を高めることができます。
分析をする際、感情を追えると良いと「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」にはありました。
興味で広告をクリックしたのか、心配で広告をクリックしたのか、共感でクリックしたのかによってその広告の意図と実際の購入までが変わってくるのです。
例えば、薄毛の広告があったときに、実際に薄毛に悩んでいる人がクリックした場合、これから薄毛になりそうで心配なのか、すでに薄毛で悩んでいるからクリックしたのかで広告のあるべき姿は変わってきます。
これから薄毛になりそうなら、「予防」という文面を押した方が良いですし、すでに薄毛悩んでいるという方は「治療」という書き方の方が広告的には適していて、実際の購入にもつながってくるのです。
広告を見た時のユーザーの感情を分析し考えることで、行動につなげることができやすくなるのです。
データは微調整のためのもの
テクニカルマーケティングはデータを分析する手法です。
ですが、データはあくまでこれまで紹介してきた、何を、誰にどうやって売るというファンダメンタルズマーケティングが出来上がった上でのマーケティング手法になります。
ファンダメンタルズテクニカルを微調整するために、データが必要で、最近クリック率が落ちてきたなや購入量が減ってきたというのに気づくためにあるのです。
データにばかり目がいって、ユーザーのニーズに応えられていないだけという広告も多くあったりするのです。
時代と共に広告の文言なども変えていき、常に適切な広告を作り続けることが大切になります。
そのために時代が何を求めているのか、購入率が下がったのは世間での流行が変わっているためか?などのデータを取る必要が出てくるのです。
データはあくまでマーケティングの微調整で本質ではないことを理解しておいてください。
「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」ではテクニカルマーケティングの手法やテクニックも多く紹介されていますが、本質はファンダメンタルズという部分に重きが置いてありました。
まとめ
今回は「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」について紹介してきました。
「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」の要約だったので詳細な手法については本書を確認してみてください。
83種類の手法が書かれているので、マーケティングの即戦力になる知識を得ることができるはずです。
マーケティングについて学べる良い一冊でした。
では、皆さんのマーケッターへの道のりがより良いものになることを祈っています。
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