「どうして私の話を聞いてくれないの!?」と言われたことはありませんか?
聞いてるし…と思ってしまうところですが、どうして相手がそんなことを言うのでしょうか。
今回紹介する東畑開人さんの「聞く技術 聞いてもらう技術」では、聞くということから聞いてもらうということを丁寧に解説してくれています。
その中でいかに聞くことが人同士のつながりの中で重要かつ日常的なことなのかがわかります。
精神衛生を保つのに非常に役に立つ考え方と実践方法でした。
この記事では、その一部について解説とともに紹介していきます。
では、行ってみましょう!
本書の概要
ページ数
新書文庫サイズで、あとがき含めず240ページ、全249ページです。
読むのにかかった時間
行間広く、改行多めで、大体2時間ほどで読み切ることができました。
構成
まずは小手先と呼ばれる方法でテクニックがピックアップされ、その後にテクニックが必要な理由について言及する構成になっていました。
基本精神を安定させるためという目的で書かれた本で、人を動かすのようなスキルではなく、人間関係を良好にする日常的なことが書かれている内容です。
ビジネスというよりもメンタルヘルス系の本といったところです。
聞くとは
聞くとはまず何なのでしょうか。
「聞く技術 聞いてもらう技術」では聞くというのは日常的に僕たちができることで、人間関係にピリつきが生まれると途端にできなくなることとありました。
なので、一言で言ってしまえば、僕たちは普段であれば「聞く技術 聞いてもらう技術」を読む必要なく聞くということはできているということになります。
相手の言葉に耳を傾けて、同意したり、ちょっと意見を述べてみたり、笑ったり、一緒に悲しくなったり、これら全てを含め会話であり、聞く技術、聞いてもらう技術ということです。
普段からできていることですが、人間関係にピリつきや緊張、環境の変化が起きるとこの日常できたことができなくなるというのが「聞く技術 聞いてもらう技術」で書かれていることであり必要になってくる場面になります。
いかに相手の言葉を受け入れるような準備ができるか、相手との会話を弾ませるためにはどうすればいいのか、聞いているよとアピールするために何をすればいいのかが、聞く技術です。
そして、自分の心にある不安や不満を聞いてもらうのが聞いてもらう技術になります。
精神衛生上聞いてもらうことで、解消する不安や不満を解決するための技術ということです。
「聞く技術 聞いてもらう技術」では日常からちょっと離れた時に必要になる技術について書かれていましたので、ここからはその一部について紹介して、最後には聞いて聞いてもらってを繰り返すことで社会にどんな変化があるのかまとめていきます。
聞くためのテクニック 5選
聞く技術としてテクニックを5つこの記事では紹介します。
小手先の技術ですので、本質やどうしてこれが聞くことになるかについては、ぜひ本編「聞く技術 聞いてもらう技術」を読んでみてください。
眉毛にしゃべらせる
眉毛で本当に喋ると言う意味ではありません。
あくまで、表情豊かに会話をしようというのが主旨になるテクニックです。
表情豊かだと相手も話していて気持ちよくなり、どんどん話して、僕たちも聞いている感じをアピールすることができます。
わからないを言う
正直にわからない部分はわからないと言ってしまうのもテクニックの一つです。
わからないと伝えることはつまり、話を聞いた上で判断したと相手に伝えることでもあります。
これによって聞いていると言うことをアピールできるとともに、実際に理解が深まっていくのです。
返事は遅く
言葉が終わる前に相手が返事をするとイラッとしますよね?
これの反対のことをしようという話です。
返事を遅くすることで、思考する時間も取ることができ、相手の話した内容を咀嚼する時間が取れるのもよく相手も聞いてくれていると感じやすくなります。
7色の相槌
7つくらいの相槌を用意しておくだけで、聞いてくれている感じを出すことができるのです。
「うーん」「ふーん」「なるほど」「そっか」「まじか」「だね」「たしかに」など7種類の相槌を持っておくことで、相手はどんどん話をしてくれます。
また会おう
どうしてもうまく聞くことができない場合は、もう一度会おうと約束することでチャンスをもう一度掴むことができます。
話し足りない場合でも使える手で、環境を整える状況でも使える手で、場を変えるいいテクニックでしょう。
聞いてもらうためのテクニック 5選
聞いてもらうためのテクニックを5つ紹介します。
これまた小手先の技術ですので、本質やどうしてこれが聞いてもらうことになり、聞いてもらうことで何が良いのかについては、「聞く技術 聞いてもらう技術」を読んでみてください。
トイレは一緒に
本来トイレとは、一人でするものですが、そこに知っている人がいるとついつい無駄話をしてしまうものです。
それを利用して、聞いてもらうタイミングを作り出すのがこのテクニックになります。
トイレについていくだけで、話すタイミングができ、自分の話を聞いてくれるチャンスが生まれるのです。
単純作業を一緒にする
横に並んでいたり、同じ方向を向いていると仲間意識から自然と会話が生まれるものです。
単純作業をしているとその傾向が強くなります。
何かを袋に詰める作業だったり、文化祭の準備で色を塗っていたりした時に隣にいた人と仲良くなった経験がある人もいるんではないでしょうか。
そのような形は会話が弾むタイミングであり、意図的にそのような場面になれば聞いてもらえる可能性が高まるのです。
悪口を言う
悪口は基本よくないものとして捉えられますが、自分の話を聞いてもらいたい時には有効です。
あまりにも理不尽や自分勝手な悪口や笑えないものはよくありませんが、「校長の話長いよね」「月曜から朝会ってだるいよね」とかであれば会話が広がっていくタイミングになっていきます。
ちょっとした悪口をぼそっと口にするだけで、人との会話が生まれていくのです。
これによって自分の話を聞いてくれる人が現れます。
トイレに頻繁にいく
トイレに頻繁にいく人がいたときに、大丈夫かな。体調悪いのかな。と思うのが人間というものです。
「大丈夫?具合悪い?」と聞いてくれればこっちの作戦勝ちになります。
声をかけてきたタイミングこそ、こちらから話を聞いてもらうタイミングになるのです。
心配されることで話を聞いてもらうタイミングを作ることが奥義であり、聞いてもらう技術の真骨頂になります。
黒いマスクをする
黒いマスクもトイレに頻繁にいくのと同様に心配から声をかけてもらうための施策です。
いつもは白いマスクなのに、突然黒いマスクに変えたり、普段とは違う格好をすることで、「どうしたの?」と聞いてもらえる可能性を高めます。
とにかく声をかけてもらおうとする施策こそが、聞いてもらうテクニックになるのです。
聞いて、聞いてもらって、を繰り返すと…
人の話を聞くことで、相手の気持ちは和らいでいきます。
そして、自分の話を聞いてもらうことで自分の心が穏やかになっていきます。
人間というのは話すだけで気持ちが晴れ、落ち着いた気持ちになるものなのです。
ということはです、聞いて、聞いてもらうを繰り返していると、良い循環に入っていくことができるようになります。
人の話を聞けば、その人が元気になる、元気になった人は誰かの話を聞くようになる。そしてその人に聞いてもらった人はまた誰かの話を聞けるようになる。と巡っていくのです。
あなたの誰かの話を聞くという行為が回り回って自分に戻ってきて、自分が苦しい時に話を聞いてくれるという状況を作り出すことになります。
そうすればきっと世の中は社会はもっと良いものになることでしょう。
というのが「聞く技術 聞いてもらう技術」の一番言いたいことであると僕は受け止めました。
まさにその通り、ぜひこの記事を読んでいるあなたも、誰かの話を聞いて、そうすると、誰かに自分が苦しい時に耳を傾けてくれる人が現れてくれるはずです。
もしも苦しいことがあれば、僕でよければ聞きますので、コメントでも、TwitterのDMでもお待ちしています。
まとめ
今回は、東畑開人さんの「聞く技術 聞いてもらう技術」を紹介してきました。
正直、もっとビジネス的な話かと思っていたのですが、メンタルヘルスであるという面は読んでいて目的違いだなと感じました。
ですが、メンタルヘルスはメンタルヘルスで非常に大事な考え方だなと感じることができました。
聞くことで、いつか自分が苦しい時に聞いてもらって救われる未来、素敵ですね。
今後は今まで以上に人の話を聞くというのを意識していこうと思います。
では、皆さんの聞く力で世界がより良い方向に行くことを祈っています。
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