お金持ちはとお金を使っている人は異なります。
300万円の腕時計をしている人が教えてくれるのは、300万円のお金を使ったという事実だけです。
今回紹介するモーガン・ハウセル氏が書いた「サイコロジー・オブ・マネー」はお金にまつわる心構えについて教えてくれる本です。
お金をどうして貯める必要があるのか、お金持ちってどういう人なのだろうか、投資はやった方が良いのか、など多くの疑問を心理的面も含め解説解決してくれる本になっていました。
お金にまつわる知識の集大成とも呼ぶべき一冊です。
この記事では、そんな「サイコロジー・オブ・マネー」について内容を簡単にまとめていきます。
では、行ってみましょう!
本書の概要
ページ数
謝辞、訳者あとがきを含めず317ページ、全325ページです。
読むのにかかった時間
全19章に分かれていて読みやすく、だいたい4時間ほどで読み切ることができました。
構成
全19章に分かれた構成で、一つの章で一つの考え方を題材にして実例やデータをもとに展開されていく内容でした。
例えば、「成功の大半は運が良かったから」「貯金の価値」「この世に無料のものはない」などです。
どれも実際の人の話をベースにしているので、物語感覚で読むことができました。
また章ごとに細かく分かれているために、読む部分の区切りがつけやすく休憩を挟みながらの読書ができました。
お金を貯める理由
まずは、お金を貯める理由からです。
お金を貯めていますか?どうして貯めているんですか?
何をするにも理由やらが欲しいと思ってしまいますが、貯金に関しては「サイコロジー・オブ・マネー」では理由なんていらないからとにかく貯めろとありました。
とにかく貯蓄率を上げて、貯めれるだけ貯めろという話です。
というのも、貯金の本当の理由は備えだからです。
何か大きな問題が発生していた時に、心に自由をもたらしてくれるのがお金という観点になります。
例えば、急に病気になった時や会社が倒産してしまった時など、思わぬアクシデントがあった時、貯金がないとあたふたして心に余裕がない状態で焦って間違った判断やより悪化した状態に陥る可能性もあります。
ですが、貯金さえあれば、病気による出費に対しても、次の職探しのための時間も保つことができるのです。
今の時代何が急に起こるかわからないからこそ、お金を貯めるべきというのが「サイコロジー・オブ・マネー」の考え方の一つでした。
また、お金は貯めれば貯めるほど、自由に近づくという考え方もあります。
今やっている仕事なんでやっているのでしょうか?お金のため?好きだから?
好きだからならいいのですが、多くの場合お金のためでしょう。
お金を貯めさえすれば、その嫌いな仕事からも解放されるのです。
仮に解放されるほどのお金じゃなくとも、いつでも辞められるという気持ちが心の自由を与えてくれるのです。
貯金は目的以上にまず始めることが大事です。
ぜひ、意味のない貯金意識してみてください。
お金持ちと見栄
高級時計や高級車を持っている人も見ると、自動的にあの人お金持ちなんだなと思ってしまいますが、それは間違いです。
高級時計も高級車もお金を使ったという証明でしかないからです。
例えば、1000万円の貯金を持っているAさんが400万円の時計を買ったとします。
すると資産は600万円です。
ここに高級時計は持っていないけど、貯金が800万円のBさんが現れます。
さてお金持ちはどっちでしょうか、時計の資産価値を度外視するとBさんの方が貯金額が多いのでお金持ちという見方ができるでしょう。
高級時計や高級車はあくまでも買った証明であり、決してお金持ちである証明にはならないのです。
とはいえ、高級時計や高級車=お金持ちという考えを持つ方も多いので絶対購入するなとは言いませんが。
さらに「サイコロジー・オブ・マネー」では見栄というのは終わりがなく、意味がないものとの言及がありました。
300万円の時計を買ったら500万円の時計を持っている人が羨ましくなって、欲しくなるといった無限ループです。
さらに見栄というのは、実は「欲しい」じゃなく「称賛されたい」という気持ちなんだそうです。
高級時計を買える自分を褒めてほしい、称賛されたいというのが正体になります。
しかも高級時計に群がってくる人たちは、高級時計を持っているその人以上に高級時計そのものに寄ってきているだけなのです。
決して高級時計や高級車を持っているその人を見ているのではなく、あくまで高級時計や高級車を称えているだけなのです。
投資の結論は
投資の結論は、手数料の安いインデックスファンドにコツコツ投資しろというものでした。
多くの書籍で書かれている結論と「サイコロジー・オブ・マネー」でも変わりませんでした。
やはり、安全に寄っていてリターンも期待できるという点ではおすすめのようです。
また複利の力についても「サイコロジー・オブ・マネー」では言及されていました。
氷河期の頃を例としてあげていて、氷河期を作ったのはちょっと涼しい夏というお話です。
ちょっと涼しい夏が続いたことによって、毎年ちょっとずつ溶け切らない氷が出てくる。
その溶け切らない氷が溜まっていくことで、氷河期が生まれたという話です。
複利も同様で、毎年のちょっとしたプラス収益が何年、何十年と積み重なることによって膨大な利益となるのです。
コツコツこそがやはり一番大事というのがわかる内容でした。
実際にインデックスファンドを選ぼうとなったときは、別書籍をおすすめします。
あくまで「サイコロジー・オブ・マネー」は考え方を学ぶ書籍ですので、インデックスファンドなどの情報は別書籍の方が詳しく載っています。
僕がおすすめの書籍は下記になります。
リスクは人それぞれ
最後に紹介したい話が、リスクは人によって考え方は異なるけど誰しもがリスクを背負っているというお話です。
投資と聞くとリスクがあるからと思う方もいますが、その実投資をしないというのもリスクを背負っていることなのです。
銀行に預けているお金が必ずしも安全とは限りません、1千万円以上のお金は保証対象外になりますし、せっかく預けたお金の利息なんて0.001%ほどしかつきません。
安全だと思っているものも必ずリスクというものが存在します。
リスクを冒さないことすらもリスクという考え方です。
また、誰しもが成功者の真似をすれば良いというのも間違ったリスクの捉え方になります。
人はそれぞれに長期的な不安に強いタイプなのか、コツコツ地道に続けることができるか、大きな損失に動揺しないという性格かは変わってきます。
性格に合わせたリスクを取ることが大事だと「サイコロジー・オブ・マネー」ではありました。
もしも投資した先の業績が悪くなったら気になって眠れなくなるという性格を持っている方は、値動きが激しい投資は向いていないのです。
ウォーレンバフェット氏は投資の力だけで、資産を築いた大金持ちですが、彼の投資方法は自分が信じて伸びると思った会社に投資を淡々とするというものになります。
誰しもが真似できる方法ではあるものの、例えば一年後、暴落したらどうしますか?
きっと不安になって当初の自信を失って投資を辞めてしまうと思います。
そんな中淡々と自分の信じたリスクを信じて駆け抜けられる精神力が必要になってくるのです。
なので、自分がどの程度リスクに耐えうるのかを確認しつつ、精神的にも金銭的にも自分に合った投資をするべきなのです。
中でも自分の信じた投資をしっかりと長続きさせることが、投資を成功させるコツになります。
まとめ
今回は「サイコロジー・オブ・マネー」について紹介してきました。
これまでにあったお金にまつわる本の集大成と呼ぶべき一冊だと感じました。
新しい知識が増えたというよりも、これまで学んできたことの復習や改めて、インデックス投資をコツコツがいいんだなだったり、貯金って大事だなというのが身に染みるという内容でした。
最後の章の部分には一冊を通して内容のまとめが書かれていましたので、立ち読みする機会があれば最後の章だけでも読んでみるといいかもしれません。
お金の本としては非常にまとめられた内容ですので、この本一冊で十分知識をつけられると判断します。
あとはどう実践に落とし込むかだけですね。
では、皆さんの投資ライフがより良いものになることを祈っています。
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