5分でわかる中山七里「魔女は甦る」書評&ネタバレ要約・あらすじ

小説の書評

魔女と聞いたらどんなイメージを浮かべますか?

ハリーポッターのようなファンタジーな魔法の世界ですか?

今回紹介する中山七里さんの「魔女は甦る」は紫の鍋をかき混ぜるような魔女というイメージがあっている作品です。

ミステリーでありながらアクションな一冊になっています。

この記事では、そんな「魔女は甦る」のあらすじから一部ネタバレありの内容要約を紹介していきます。

では、いってみましょう!

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あらすじ

元薬物研究員・桐生が勤務先の近くで肉と骨の姿で発見された。

埼玉県警の槙畑は捜査を開始。

だが、会社は2ヶ月前に閉鎖され、社員も行方がわからない。

同時に赤子が誘拐される事件、繁華街での日本刀による無差別殺人が起こった。

真面目な研究員はなぜ、無惨な姿に成り果てたのか。

それぞれの事件は徐々にある薬で繋がっていく。

そして、恐怖と驚愕のラストへと傾れ込んでいく。

本書の概要

ページ数

解説含めず389ページ、全397ページでした。

読むのにかかった時間

大体、4時間半ほどで読み切ることができました。

構成

主人公であり、埼玉県警の刑事である槙畑を主軸とした三人称で描かれていました。

セリフが多めで、アクションに富んでいる部分からページ数に対して文字は少ない印象、改行も多い構成となっていました。

書評(ネタバレなし)

どんどん面白くなっていって、最終的にこの結末になるとは思わなかったわ!!というのが僕の正直な感想です。

始まりはグロテスクな遺体があってからの、だんだんとその人の正体が分かりつつ、登場人物たちの過去が垣間見える感じ、そして真実とそこからの怒涛の展開。

まさに一本の映画を見ているような小説だと思いました。

アクション映画になりそうな内容で、ある意味ミステリーというよりかはフィクションをふんだんに盛り込んだアクション小説という感じ。

僕は元々アクション映画も好きなので、そこにミステリー要素もスパイスとしてある「魔女は甦る」結構楽しんで読むことができました。

伏線もしっかりあって、あの発言がここで活かされるのか!となる場面がありました。

ただ、若干鬱展開なところがあったので、注意が必要だとも思います。

薬というのがテーマになっているので、人の悪い部分や怖い部分が結構如実に表現されているんですよね。

ただそれを含んでも面白いことは確かです。

グロ注意ではありますが、ぜひ読んでみてください。

おすすめ度

中山七里さんの「魔女は甦る」のおすすめ度は、5点満点中3点です。

グロ注意なのと薬関係が出てくる鬱展開が多めなので、おすすめ度は面白さよりも低い評価になっています。

本格的で緻密なミステリーが好きな方にも合わないと思ったので、万人受けはしないかなという評価です。

ただ、僕個人としてはアクション映画は好きですし、鬱展開もグロも平気なのでめちゃめちゃ面白く読めました。

「魔女は甦る」の続編である「ヒートアップ」も既読でしたが、なるほどなぁとなる部分がありました。

「ヒートアップ」を読んだことある方で、面白かったと思う方は読んでみることをおすすめします。

中山七里さんの作品は登場人物が小説ごとにチラチラと被るのが魅力で、あの小説に出てきたこの人がまた別の作品の主人公になってたりするのが面白んですよね。

グロテスク平気、アクション系の映画が好き、鬱展開だって受け入れちゃう!という方にはぜひおすすめしたいです。

読んで損はしない良い作品だと思います。

要約・あらすじ(ネタバレあり)

ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

元薬物研究員・桐生が勤務先の近くで肉と骨の姿で発見され、その現場に埼玉県警の槙畑が到着するところから物語は始まります。

無惨な遺体と吐きそうになる死臭。

持っていたものからなんとか桐生だということだけわかり、桐生と恋人という美里に話を聞く。

ただ、殺される理由は特に思い当たらない。美里自身にもアリバイがあり、ひとまず捜査は滞る。

桐生が元々働いていた会社も日本から撤退しており、同僚たちとも連絡がつかない。

そんな中、麻薬取締の宮條がやってくる。

桐生が働いている会社は麻薬製薬会社としてマークしていたとのこと。

そして、ヒートと呼ばれる新しい薬物こそが、今回の事件を解く鍵だということがわかる。

ヒートは接種すると攻撃性が上がり、人間が接種した例では無差別殺人などがあった。

そして、これまでにあったヒートと最近起こった3件のヒートによる事件では、成分が異なることもわかったのだ。

そしてその3件のヒートの売人こそ、桐生だった。

怨恨や製薬会社の口封じのために殺されたのかもしれないという線で捜査が進められる中、美里と接触する槙畑。

美里は、桐生の過去を話し始める。

桐生は子供の頃に、両親を土砂崩れで亡くしており、さらに保険金を目的に叔母にも毒を盛られた経験があった。

加えて、小学校ではひどいいじめを受け、唯一の家族である犬まで殺されたのだった。

そして、桐生はそのいじめっ子に対し、農薬を給食に混ぜることで復讐を行ったというのだ。

桐生の攻撃性や人間を恨んでいる様子から、ますますヒートとの絡みがあるだろうと考える槙畑に、宮條が行方不明になったとの連絡が入る。

宮條を探す中、桐生が殺された現場近くにいたカラスからヒートの薬物反応があったとの連絡が入る。

槙畑は一つの推理にたどり着く。全ての原因はヒートによって攻撃性がまし凶悪になったカラスなのではないかという理論。

カラスが桐生を殺したのではないかという推理。

実は、美里はヒートの存在も、桐生がヒートを作っていたことも知っており独自で調査を進め原因となっているカラスの巣まで見つけていた。

桐生は美里とともに、そのカラスの巣に乗り込むことにする。

案の定そこには、宮條の遺体を含め小動物の死体などがあり、確信を持つとともにあまりの死臭に美里が取り乱してしまう。

すると、巣で眠っていたカラスたちが一斉に桐生と美里に襲いかかる、怪我を負いながらもなんとか近くにあった研究所に逃げ込む。

しかし、研究所も決して安全ではなく、予備電源とともに毒ガスが充満し出す。

カラスと毒ガスに絶体絶命となる桐生と美里だったが、カラスの唾液に混ざって体に入ったヒートによって桐生が素手でカラスを退治し出し、さらに美里が即席で作った爆弾によってその場を乗り切ろうとする。

流石に、二人では対処しきれない量になるカラスの攻撃、槙畑も体の限界が来るタイミングで警察の応援が到着する。

なんとか二人の命は助かったものの、槙畑は片目を失い、美里は重度のやけどと未だに昏睡状態になってしまった。

カラスはなんとか追い払えたものの、ヒートを接種した野生動物による人的被害の連絡を受け槙畑はこれは始まりに過ぎないのだと感じる。

これからヒートと人間の戦いになっていくのだと言わんばかりに、一匹のカラスが槙畑に向かって飛んできて物語は幕を閉じた。

まとめ

ここからは、ネタバレないので安心してください。

今回は、中山七里さんの「魔女は甦る」を紹介してきました。

個人的にはすごく面白くて、アクション映画な一冊だと思いました。

ただグロテスクな部分や鬱展開なところから、おすすめ度はちょっと低めにしています。

中山七里さんは描写がうますぎるが故に、グロいところが本当にグロテスクなんですよね笑

とはいえ、内容や話の持っていき方が上手いのでとにかく面白いんですよ。

気になる方はぜひ一度、お手に取ってみてください。

では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。

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