人類がどうして繁栄することができたのか?
僕たちが今生きている理由は、実はあるきっかけがあったのです。
歴史を学びながら、人類の繁栄について学ぶことができる一冊が「サピエンス全史」になります。
今回は「サピエンス全史」の上巻について、書評や内容紹介、要約をおこなっていきます。
では、行ってみましょう!
本書の概要
ページ数
参考文献のページを含めないと、256ページで、全267ページです。
読むのにかかった時間
内容は難しめかつページにびっしりと文字が書かれていますので、大体4時間くらいかかりました。
構成
人類がどのような種類がいて、どういった経緯で僕たちサピエンスという人類が発展したのかが語られてたのち、認知革命、農業革命、統一という世界という項目で話が展開しました。
それぞれの内容は歴史の順番ではなく、それぞれの項目について歴史を交えながら説明がなされる構成でした。
歴史を順番で学ぶというよりも、どうして今ある人類の姿になったのかを体系的に学ぶことができる構成です。
人類には多くの種類がいた
僕たち現在生きている多くの人類はサピエンスと呼ばれる種類になります。
昔はサピエンス以外にも様々の種類の人間がいました。
ホモ・ネアンデルタール人やホモ・エレクトス、ホモ・ソロエンシスなど多くのヒト科という人間が存在したいました。
現在生き残っている人類はホモサピエンスと呼ばれる分類の僕たちになります。
なぜ、ホモサピエンスである僕たちの先祖は、数多くのヒト科の中でも今日まで生き残ることができたのか、どうやってホモサピエンスのみが生き残りここまで発展することができたのか。
その答えに言及していくのが、「サピエンス全史」が目指すところです。
単純な脳みそが大きかったからとか、手先が器用だったとか、体が大きかったとかではない理由があります。
認知革命と呼ばれる進化にこそ、僕たちホモサピエンスが繁栄できた理由が隠れているのです。
認知革命で人類は変わった
認知革命とは、ホモサピエンスの脳内で突然起こった革命になります。
これまで、人間は虚構という世界を想像することができませんでしたが、認知革命以降ホモサピエンスのみ虚構という世界を理解することができるようになったのです。
虚構という世界というのは、事実だけではない情報をやり取りすることができるということになります。
これによって何が良いのかというと、例えば、認知革命前は「ライオンが迫っている、逃げろ」という考え方しかできなかったのですが
認知革命以降は「ライオンが沼地近くにいるらしい、沼地は避けて迂回しよう」というやりとりをすることができるようになるのです。
ライオンがいるという事実で動くのではなく、あくまで噂や明確な事実に基づいたもの以外のやりとりができるようになったのです。
これによって、情報量が一気に広がりました。
また、虚構を理解できるということは信じるということができるということです。
信じると何が良いのかというと、一つの信念で協力することができるようになります。
例えば「我々はライオンの神のためにこの命を捧げて、死んでも戦士としてより良い生活ができるんだ」という考えを信じて協力できるのです。
認知革命前はこのような協力の仕方はできず、あくまで近くにいる存在だけでしか手を取り合うことはできませんでした。
しかし同じ信念を持つもの同士についても認知革命以降はたとえ初めて会った人同士でも協力することができるようになったのです。
この協力するというのがホモサピエンスが繁栄するのに役に立っていて、数の力や作戦を統一するということによって他の人類を退けたり、人類では立ち向かえないような大きな生物たちにも狩ることができるようになりました。
協力がいかに大事かがわかるのが認知革命であり、これによって僕たちの今の生活はできているのです。
農業は進化じゃなく退化だった?
認知革命以降、人類は様々な狩りをして生活をしていましたが、あるとき腰を据えて生活するようになりました。
それが農業革命と言われるものになります。
農業革命前は、人類は一つの場所に住むという考え方はなく、獲物を探して放浪するという生活スタイルでした。
農業は少なくとも1年間は同じ場所にいないと種植えから収穫まではできないので、農業をきっかけに人類はまた一つ変わる選択をしたのです。
農業は一見安定していて、生活が豊かになるように思えます。
しかし、当初の人類はそんな簡単な生活ではなかったのです。
元々人類の進化の過程は狩りに特化したものであったのと、農業は思った以上に不安定だったのが原因になります。
脳のこれまで学習していたものを一から作り直すといった形であることで、創意工夫が狩りの時以上に重要になってきて人類は苦悩しました。
また農業は天気の影響をモロに受けますので、安定した地域で狩りをすればよかった時代とは変わってきてしまったのです。
さらに農業によって固定的な生活を送ることになったことで感染病も広がることになりました。
これまでは土地を移り変わり生活をしていたので、感染病などが広がる前にその土地を離れることが多かったので大きな失敗になったのです。
ですが、そんな苦労を乗り越えたことで、今のようなたくさんの人類を養うことができたり人口を安定的に増やして貯蓄するといったことができるようになりました。
未来的にはとても素晴らしい選択が農業革命でしたが、当時は相当辛かったものでした。
先祖の方々に感謝しかありませんね。
今後の世界は統一されていく
世界はこれからどんどん統一されていくという見解が「サピエンス全史」にはありました。
未だ戦争が起こったり、外交もバチバチ起こっているものの、昔と比べると確実に統一されつつあるのだそうです。
統一とキーワードは「貨幣」でこれによって統一は確実に加速しつつあります。
お金という概念は世界共通で、誰しもが手に入れたいものになっていることで世界が一つになりつつあるのです。
お金を通して協力することができつつあります。
たとえ憎み合っている仲でも、お金のやり取りは発生していますしお金のやり取りさえあれば仲良くなくても喧嘩にはならないというのが現実です。
この考え方自体が世界に浸透しつつあり、そしてそれが本当の世界統一になると「サピエンス全史」は考えているようです。
文化の違いなど壁は多くあるものの、確実に多様化という概念とともに世界は「世界」という一つの人類としてまとまったものになっていっています。
本当の意味で世界平和も近いかもしれません。
まとめ
今回は「サピエンス全史」上巻の書評と要約をおこなってきました。
人類の歩んできた道とそれに伴う世界への影響、現代の僕たちが生きていられる理由など多くのことが学べる一冊でした。
下巻では、宗教の話や産業革命あたりの話が出てくるようなので楽しみです。
ビルゲイツ氏やマークザッカーバーグ氏が推薦している図書なだけに学べることが多く、読んでいて楽しかったです。
僕たちが単に生きているのは、大きな歴史があるおかげであることや色々なものの上に立っているということがよくわかりました。
今後起こりうる世界の姿もしっかりと心に刻んでいきたいと思いました。
歴史が苦手な僕ですら、読んでいて楽しく学べた貴重な一冊ですので、ぜひお手に取ってみてください。
では、皆さんの人類ライフがより良いものになることを祈っています。
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