5分でわかる大好評 末永幸歩「13歳からのアート思考法」書評、要約

ビジネス本の書評

アートは自分とは関係ないもの、そんなふうに思っていませんか?

自分の見方を見つけることこそがアートの醍醐味で、そんなアートの楽しみ方や考え方をアート思考法と呼びます。

今回紹介する末永幸歩さんの「13歳からのアート思考法」は授業ベースで書かれた美術、アートをテーマにした一冊です。

美術、アートをテーマにしつつも、しっかりとアートの考え方を学ぶことができる一冊で、中学生から社会人まで全員の方にぜひ呼んでもらいたい本になります。

考え方がアップデートされるはずです。

アートとは何か、どうして美術という授業が退屈だったのか、その答えがわかる一冊になっています。

この記事では、そんなアート思考法の一部について紹介し、内容を要約していきます。

では、いってみましょう!

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本書の概要

ページ数

「おわりに」を含めず308ページ、全338ページとなります。

読むのにかかった時間

行間が広く、絵もカラーで挿入されており読みやすく、だいたい2時間半ほどで読み切ることができました。

構成

授業ベースで書かれた一冊で、話口調な書き方で書かれています。

授業のように実際に軽く絵を描いてみましょう、のような部分もあり体験しながら学ぶことができる一冊でした。

かなり読みやすい内容で、タイトル通り中学生からを対象としている本であり、どんな方にでもおすすめできる一冊になります。

アート、美術をテーマにしており、美術館でどうも何を見れば良いのかわからないであったり、アートって何が良いのかわからないという方にぜひおすすめしたい内容です。

アートとは作品があることではない

アートと聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

ダヴィンチが描いたモナリザですか?ピカソが描いたゲルニカですか?ゴッホのひまわりでしょうか?

数あるアート作品があるかと思いますが、アートとは決して作品があるからアートということではないというのが「13歳からのアート思考法」の主張になります。

アート作品として表に出ている部分はあくまで植物でいうところの花の部分という考え方になります。

アートというのは植物でいうところの根にこそ意味があり、本質になるのです。

どういった思考をめぐらせたのか、の部分にアートの醍醐味があるのです。

「13歳からのアート思考法」では探求の根という言い方をしている考え方で、単純に表現の花である「作品」は一部の目に見える部分で、本質は隠れている(根)のがアートと考えます。

なので、作品を楽しんだりアート作品を見る場合に大切なことはアート作品の中に隠れた作者の考え方や自分がその作品を見てどのような探求の根を広げられるかという部分にかかってくるのです。

アート作品はあくまであくまで入り口でありそこから何を見るか、何を考えていくのかというのが大事になってきます。

アートとは何よりも自由であり、一種の哲学とも言える分野なのです。

アートとは自由ということ

「13歳からのアート思考法」を読んで僕はアートとは一種の自由の象徴であると思いました。

「13歳からのアート思考法」ではさまざまな作品が紹介され、アートの見方について解説されていきます。

「リアルを追求するとは」「アートの常識とは」などテーマ別に作品が紹介され、作品から考えられることを一緒に考えていくという構成です。

その中でアートのこれまでの考え方をぶち壊す作品が多々出てきます。

その一つがアートに定義があるのか?という思いを込めた作品です。

この作品を見た後だと、アートに決められた形なんてないというのがわかってくるのです。

僕たちがこれまで考えてきたアートとは美しい作品で、感動的なメッセージのあるものと思っていたのを覆してくれます。

アートとは何よりも自由で、どんなものもアートになりうる可能性を秘めていて、何をアートにしても良いと思わせてくれるのです。

これまでの普通や、一般的なことが崩れる音が聞こえてくる瞬間になることでしょう。

アートはこのようにこれまでの凝り固まった考え方を一蹴してくれる側面を持つのです。

だからこそアートは面白く、種類豊富に存在しています。

作品に込められた想いやら、そこから何を受け取るかは見る側に全て委ねられており自由に何を学んでもいいのがアートで、そこに障壁やらはありません。

まさに自由に何を思ってもいい、感じたままで良いのです。

13歳から美術が美術という授業になってしまうのは、どうしても学校という枠組みに当てはめているからです。

本来の美術、アートというものはもっと自由でどんな作品でもアートになります。

上手くかけたとか、遠近法が綺麗とか添削やらそんなものは必要ないのです。

感じたままに感じるままに描いたり見たりするものこそがアートで、答えがない分野になります。

だからこそ13歳までのいわゆる子供と言われる子たちは、大人以上にアート思考が身についていると言えます。

自由に自分の思ったことを描いたり、言ったり、考えたり、決して答えを意識しない自由な発想をしているのです。

この子供の頃誰しもが持っていた自由な発想だったり、答えのためではない思考というのがアート思考になります。

「13歳からのアート思考法」ではそんな思考法をもう一度思い出して、自分だけの答えを考える力を再構成せしようとする趣旨がある一冊でした。

哲学に酷似しているアート

僕はアートと哲学が似ていると思いました。

アートは決められたものが存在しない、自由なものと言いました。

そしてそんなアートはゴールがない、答えがない道です。

例えば、これこそがアートだ。というようなものが出てきてもその翌年にはそんなものはアートではないとなる可能性が秘められていたり、事実そんなことがあったりします。

定義が時代によって変わったり、作品によって定義を覆したりすることがあるのです。

この定義が覆るという部分に哲学的考え方があると感じました。

哲学にはゴールがありません。時代時代にこれこそが真理だ。となることはあるのですが時代を経るとそんなことはなかったという別の考え方が生まれます。

いたちごっこのように新しい考え方が生まれ、覆り、そしてまた生まれるを繰り返すのです。

アートもこれと同じで答えがない分全ての人間が考え、違う答えを己に持つことが大事であるという部分が似ていると感じます。

答えがなく、考えるということが大事という面が哲学と似ていて、アートのことがますます好きになるポイントでした。

哲学については「13歳からのアート思考法」ではなく、「哲学入門」という本がおすすめです。

漫画の刃牙に似せたような構成になっていて、かなり読みやすく哲学の基礎を学ぶことができる一冊です。

別記事でもまとめていますので、哲学が気になった方はぜひチェックしてみてください。

哲学を知ってから「13歳からのアート思考法」を読むとまた違う考え方が出てくると思うので、ぜひこの二つはセットで読んでみてほしいです。

まさに考え方が変わる体験ができる本になります。

アートを楽しむ方法(ステップごと)

一通りアートについてお話ししたところで、最後にアート作品の楽しみ方についてステップごとに紹介します。

もちろんこれから説明するステップや方法は正解ではありません。

あくまで一つの方法としての参考にしてもらえればと思います。

やり方を一つ知っておくと、それを自分なりに工夫することでアートをより一層楽しむことができるはずですから。

①アウトプット鑑賞

思ったことをとにかく言葉にするステップです。

何が描いてあるのか、色は何色を使っているのか、事実ベースで目に映るものをとにかく言葉で表現します。

二人以上で来ているなら、ボソボソと語り合うのも良いです。

一人ならスマホなどにメモとして書き出すのもおすすめになります。

これによって作品を自分の中に落とし込んでいくことができます。

②作品とにやりとり

全部の作品とやる必要はなく、アウトプット鑑賞ののちもっと考えたいと思ったものだけで問題ありません。

作品の意図や何を表現しようとしているのかを解説や作者の背景を無視して、自分なりに考えます。

これは戦争への怒りを表現していそうだな。この部分が悲しみを表現しているのだろう。だったり思うがままに発想を膨らませてください。

これによって探究の根があなたの中で広がっていきます。

③背景とのやりとり

最後に作品の解説やら作者の背景やらを読んで、あぁこういう考え方もあるんだなぁで締め括ってみるのも面白いと思います。

このステップは決して必ずやるべきではもちろんなく、むしろ作品とのやりとりで、自分の中に明確な答えがあればそれで十分です。

また解説と自分の考えが異なっていても全く問題ありません。

むしろ違った方が良いくらいです。

自分なりの解釈をしっかりと言語化できた素晴らしい例ですから。

オリジナルの考えをもてたあなたはきっと、作者や解説者すら気づかなかったアートの探究の根を広げられたかもしれないんです。

アートに答えはないように、作品から何を感じ取れるかも答えはありません。

解説はあくまで自分とは別の考えを見てみるという感覚で読んでみると良いです。

以上が、アートを楽しむ簡単なステップになります。

それぞれのステップの詳細は「13歳からのアート思考法」に書かれており、実はあえて抜いたステップもありますので本書の中で探してみてください。

まとめ

今回は「13歳からのアート思考法」について紹介してきました。

新たな考え方を示してくれる一冊としてかなり良い一冊でした。

かなり評判が良いのも頷けます。

これまでの常識やアートという考え方を改めさせられる一冊で、かなり有意義な一冊になりました。

人生を変えるベスト本にもランクインしてきそうな気がします。

年間100冊以上の本を読む僕が選ぶ、人生を変える本については別記事がありますので読んでみてください。

気になる本がきっと見つかって、考え方が変わるきっかけになるはずです。

今回紹介した「13歳からのアート思考法」もかなり斬新な本であり、新たな考え方を学ぶことができる一冊でぜひ読んでみてほしいです。

全ての人にぜひ読んでほしいと思います。

では、皆さんのアート思考がより発展することを祈っています。

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