5分でわかる羽田康祐「ブランディングの教科書」書評&内容要約

ビジネス本の書評

スターバックスと聞いてどんなイメージを持ちますか?

おしゃれでちょっと高めなコーヒーが飲めるお店といったところでしょうか。

では、僕たちがどうしてスターバックスと聞くと、そんなイメージを思い浮かべるのでしょう?

実はこれこそがスターバックスのブランディングのタワモノなんです。

今回は羽田康祐さんの「ブランディングの教科書」を紹介し、ブランディングの基礎とブランディングのためにやるべきことについてまとめていきます。

では、いってみましょう!

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本書の概要

Version 1.0.0

ページ数

あとがき含めず、285ページ、全292ページでした。

読むのにかかった時間

だいたい5時間ほどで読み切ることができました。

構成

ブランドとは何かから始まり、ブランドを立ち上げる上で大切な考え方、ブランド運営の仕方や評価指標などブランディングの知識を一から十までまとまった一冊になっています。

マーケティングにも似た知識が多く、マーケティングを学びたいという方にもピッタリな一冊です。

大学生の教科書のような書き方ですが、文章自体は読みやすく図も含まれているので理解はしやすい内容だと思いました。

ただ、実践を伴わないと身にならない技術だとも感じました。

理解はしてもいざ本当にそれができるかはわからないという感触です。

ブランド、ブランディングとは

では、内容をかいつまみながら、僕が理解した内容について紹介していきます。

まずはそもそもブランドとは、とブランディングとは、からです。

「ブランディングの教科書」では「ブランドとは、生活者から見た独自の役割を築き、感情移入が伴ったものやサービスのこと」と定義されていました。

強いブランド力を持つブランドを例にすると、アップルやグーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラなどが挙げられます。

いずれのブランドも生活者に役割を与えて、特別な感情を抱かせる存在であるということがわかります。

なので自分が作ったものがブランドであるかどうかは、独自の役割を築いているか、使用者からの感情移入が伴っているかを確認すると目安になるのです。

「ブランディングとはできる開け多くの人に、できるだけ際立った独自性と感情移入を促していく取り組み」

ブランディングの結果、衝動買いや指名買いといったロングセラーブランドへと成長していくのです。

つまるところ、生活者の心の中にいかに入っていける取り組みをしていくかというのがブランディング。

ブランドはそんなブランディングの後に、生活者がブランドに感情移入できるようにするのを目標にします。

例えば、おしゃれで高級なブランドイメージで感情移入をしてほしいと思ったら、高級街にお店を出したり、CMも高級な雰囲気で綺麗な女優を使ったりするのがブランディング・マーケティングです。

ブランドの存在意義を見つける

ここからは生活者にいかに感情移入してもらえる存在になれるかというブランドを作る上で、必要な考え方。について紹介していきます。

まずブランドを作る上で市場を分析する必要があります。

3C分析と呼ばれる分析手法が「ブランディングの教科書」では紹介されていました。

3CのCはそれぞれ、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)という意味です。

生活者のニーズを満たして、競合ブランドを上回る自社の魅力で勝負をするというのがブランドの考え方になります。

コツとしては競合がどんな価値を提供しているブランドなのかを見抜くことが大事です。

また潜在しているニーズはないかという目線で観れるとブランドが目指すべきところが見えてきます。

例えば、スターバックスを競合としてコーヒー屋さんをやることにしましょう。

まずスターバックスが満たしているニーズとしては、落ち着いた雰囲気で映えるコーヒーを出してくれるというところでしょうか。

これに対抗するための考え方としては、スターバックスはどうしても人件費がかかってくる部分でコーヒーの値段が上がる傾向があります。

そこを狙い撃ちして人件費を極限までロボット化することで削って、安く映えるコーヒーを作成するコーヒー屋さんにするなんてどうでしょう。

マシンが作るコーヒー屋さんというのも話題になりそうですし、マシンなら人の空間よりも小さくできるので、作る場所を極限まで減らし、お客さんが座れる場所を限界まで広げることができます。

そうなってくると落ち着いた雰囲気というニーズも満たせる空間を提供できるようになることでしょう。

人の手で作るスターバックスと差別化もできていて、冷たい印象はありますが時代の最先端を行っている雰囲気を出すこともできると思います。

このように、何かやりたいことができた時に競合を見ることでどういったブランディングをしているのかをみて自分のブランディングを決めていくのです。

今回の例なら、マシンというAI感を前面に押し出す広告やら、ビジネスマン、流行り物が好きな女子学生をターゲットにするインフルエンサーに協力してもらうなどでマーケティングもできるでしょう。

マシンが作るけど、美味しくて映える、マシンが作る分新作を企画できる人件費でどんどん新しいコーヒーが出てくるお店というイメージを作っていく感じです。

利用者にどう思われたいかと、そう思われるためにどんな広告やら宣伝をしていくかがブランディングになります。

そして、最終的に利用者に思われた形で感情移入してもらうことでブランドへと昇華されていくのです。

STPでオリジナリティを!

3Cだけだと実は、ブランディングとしてはスタートダッシュを切りきれない部分があります。

STPがそんな足りない部分を補ってくれるのです。

STPとは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとった言葉になります。

セグメンテーションは、市場の中を分割する考え方で、目的としてはニーズを浮き彫りにすること。

ターゲティングは、セグメンテーションで浮き彫りになったニーズを満たすお客さんを具体的に考えていくフェーズです。

ポジショニングは、ターゲットから見た時にそのブランドが独自の役割を持っていて、築き上げていっていると感じるようにする取り組み。

と、言葉だけで定義してもわかりづらいと思いますので、これまた例を上げながら説明していきます。

先ほどのコーヒー屋さんの例を使いながら一つ一つSTPに当てはめて考えていきます。

まずコーヒー屋さんのセグメンテーションをしていくと、最終的にこんな図になります。

この図は「ブランディングの教科書」に書かれたものを僕が書き直したものです。

屋内用か屋外用かから始まり、自分用なのかギフト用なのか、アイスコーヒーなのか、オフィス用なのか、など塊をどんどん分けていくことで、このような図が出来上がりました。

今回はここにさらなるセグメンテーションとして、プライベート用に割り込もうと思います。

人件費を極限まで低くしたことで実現した低価格とマシンで作ることでのスピードという面はドトールに近いですが、新作をどんどん出せるという点ではスターバックスに近い存在のマシンコーヒーという新たなセグメンテーションを生み出すのです。

図にするとこんな感じですかね。

これでセグメンテーションは出来上がりです。

続いてターゲティングになります。

安くておしゃれという強みを活かすためには、学生向けというのが一番ニーズがありそうだというのがわかりますので、ターゲットとしては大学生、さらに流行に敏感でコーヒーが好きな女子大生というのをターゲットにしようと思います。

大学生に聞いた友達と利用したいコーヒー屋さんナンバーワンを目指すイメージです。

ポジショニングはすでに行われていて、今回はすでにドトールとスターバックスの間を狙う戦略で考えていました。

セグメンテーションで分けた中で、どの位置に入るかを考えるのかがポジショニングになります。

単に差別化ではなくきちんとニーズを考えた上で、そのポジションに落ち着くという考え方です。

差別化は目的ではなくあくまで手段ということを忘れないようにしてください。

スターバックスがストロベリーを出したから、うちは、キウイだ!というような差別化ではきちんとニーズを把握できていない戦略となってしまうということです。

STPを意識することで、どんなニーズが眠っているのかやどんな戦略でポジショニングすればいいのかが見え、ブランディングやブランドのイメージも固まっていきます。

まとめ

今回は、羽田康祐さんの「ブランディングの教科書」の内容を参考にブランド、ブランディングについて書いてきました。

ブランディング興味出てきたでしょうか、かなりイメージとかふんわりした概念に近いものですが、「ブランディングの教科書」ではなるべくわかりやすい形で言語化されていて読みやすかったです。

「ブランディングの教科書」には他にもブランドの評価指標やもっと詳しくわかりやすいSTPや3Cの考え方使い方がありましたので、ぜひ一度お手に取ってみてください。

では、皆さんのブランディングが輝くことを祈っています。

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