「まるで小説のようだな。」
というメタ発言。皆さんはどれくらい許容できますか?
僕はこのメタ発言が大嫌いです。だって小説じゃん。
今回紹介するのはそんなメタ発言すらも、うまく利用した一冊。知念実希人さんの「硝子の塔の殺人」を紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

雪深き森で、輝く硝子の塔。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、ゲストたちが招かれた。
しかし、その館で起こる惨劇。館の主人が毒殺。ダイニングでは血塗れの遺体。血文字で記された13年前の事件。
名探偵・碧月夜(あおい・つきよ)と医師・一条遊馬(いちじょう・ゆうま)が謎を追う。
散りばめられた伏線と交差するそれぞれの意志。
驚きのどんでん返しに読者への挑戦状。
果たして、事件の真実とは?
読者として、この謎をいち早く解くことはできるか。
本の概要

ページ数
「刊行に寄せて」を除いて本編だけで552ページ。
全556ページでした。
読むのにかかった時間
大体6時間ほどで読み切ることができました。
構成
一条遊馬を主人公として彼視点で描く三人称の構成。
読者への挑戦ポイントもあり、推理を行う箇所をわかりやすく表現する部分もありました。
おすすめ度

知念実希人さんの「硝子の塔の殺人」のおすすめ度は5点満点中4.5点です。
多くの方におすすめできる一冊という評価。
とにかく謎解きが最高に面白かったです。メタ発言が度々出てくるので、一瞬「おや?」と思いましたが、それすらも伏線。
鳥肌が立つような大どんでん返しではありませんが、用意周到に練られた伏線たちのラッシュ。
最後は息をするのを忘れるくらい夢中になりました。
謎解きの面白さだけではなく、ストーリーも飽きさせない、引き込まれる展開にしているのも非常に良かったです。
犯人サイドに立ちながら、ドキドキする展開かと思いきや…。みたいな、常にドキドキさせられる状況に読者を置いている感じ。
最高に面白かった。これ以上を言うと、ネタバレになりそうなので言えないもどかしさでいっぱいです。
よく練られたストーリーと用意周到な謎。ミステリーを最高に味わうことができる一冊が「硝子の塔の殺人」だと思います。
じゃあなんで満点評価じゃないんだという声が聞こえますね。
ページ数が多いからです。500ページ越えくらい余裕という方には間違いなく推せますが、初めてです。ミステリーはあんまり読んだことがない。という人にこれを読んでもらおうというのは少しハードルが高いと感じました。
読んだらハマること間違いなしだとは思いますが、ページ数が多いから万人におすすめではない。という評価とさせてもらいました。
また、社会的メッセージの強さという面でも、メッセージ性は弱いかなというところで満点ではなく、4.5点という評価とさせていただきました。
とはいえ、面白くて引き込まれるこれぞ、ミステリーという一冊なので、気になった方はぜひ、読んでみてください!
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

では、ネタバレありの内容要約・あらすじをやっていきます。
大富豪である神津島は、ミステリ愛に溢れる男だった。ミステリへの愛が深すぎるがあまり硝子の塔を建てた。
雪深い森の中に立つその塔は、美しくもあり不気味だった。
そこに集められた、ゲストたち。
名探偵、刑事、ミステリ小説家、編集者、霊媒師、医者。
その一人であるのが一条遊馬だ。一条遊馬は神津島の専属医でありながら、今回の催しで殺人計画を考えていた。
神津島を殺す計画。神津島によって差し止められそうな新薬を守るために、毒を盛ろうと決心していた。ゲストたちとコミュニケーションをとりながら、神津島と一対一になることに成功する。
そして、毒を飲ませることに成功するも、最後の抵抗で神津島は執事に内線を飛ばす。焦る一条は急いでその場を後にする。
その後、集まるゲストたちと遺体を確認しながら、密室を完成させるべく鍵を床に置く。
ついに神津島を殺したことに興奮と早速名探偵に密室のトリックを解かれたことに焦る一条だったが、次の日に警報で目覚める。
なんと、密室のダイニングで館の執事が死んでいるのだ。
神津島は自分で殺したが、執事は知らない。焦る一条、自分以外に殺人鬼がいる。自分だけが知る事実を持ちながら、名探偵を補佐してどうにかもう一人の犯人を見つけて罪をなすりつけるしかないと考える。
名探偵・碧月夜の助手というポジションで、事件の謎を追う。
だが、第三の事件が起きてしまうメイドが自室で密室の状態で見つかる。
全てが密室。この事件を解くことができるか?と投げかけられたところで、名探偵・碧の謎解きが始まる。
犯人は刑事の加々見であることを看破し、密室も硝子の塔の構造を利用したものだった。
加々見は、罪を認めるも神津島の殺人だけは否定する。どさくさに紛れて、一条は残っていた毒薬を加々見の懐に潜り込ませることに成功するが、加々見はそのまま毒薬を飲んでしまい死んでしまった。
加害者の自殺で事件は幕を閉じるのかと思いきや、名探偵は神津島の死を推理して、一条が犯人であることを特定する。
一条は唯一生き残った殺人鬼として、展望台に閉じ込められるが、そこで隠し通路を見つけてしまう。
そして、今度は一条が探偵として事件を解く。
実は今回の殺人劇は全て館の主人である神津島の自作自演であったのだ。全ては嘘、一条が起こした事件すらも薬はすり替えられていたというのだ。
加々見もまた刑事などではなく、俳優であって嘘の事件を演出するために集められただけだと語る。
しかし、実際に神津島や執事、メイド、加々見は死んでいる。どういうことか。
このうその事件を乗っ取った本物の殺人鬼がいるということだ。
その正体こそが、名探偵、もとい名犯人の碧だった。
碧は出来損ないの殺人事件を乗っ取り、自分の作品として殺人事件を完成させた。
一条は碧が行った怪しげな行動やちょっとした伏線にきづき、この事実に気づくことができた。
碧に賞賛されるも、事件の真相に気づいた人たちを生かす気はないと言われる。
一条は碧の心理を読み、最後に殺すのは自分だけにしてくれと交渉し、成功。
さらには碧の温情によって、一条も生還する。
世間的には碧は硝子の塔の爆破と共に死んだことになっているが、名犯人である碧は生きている。
もう2度と会えない、名探偵であり名犯人の碧を思い、一条は難病だった妹の回復を喜びながら日常に戻った。
まとめ

ここからはネタバレないので安心してください。
今回は、知念実希人さんの「硝子の塔の殺人」を紹介してきました。
いやー2026年読んだ中で、一番の本だと思います。久々に出会えた至高の一冊。
皆さんにもぜひ、読んで欲しいです。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


