優しいだけのマネージャーになってはいませんか?
今回紹介するのは高松智史さんの「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」です。
コンサルタントがマネージャー時代に学ぶ3年分の知識が一冊にまとめられた内容。
コンサルタント以外にも役に立つ、マネージャーなら一度は読んでおきたい一冊です。
この記事では、そんな「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」の内容を要約して紹介していきます。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
あとがき含めず396ページ、全399ページでした。
読むのにかかった時間
大体4時間半ほどで読み切ることができました。
構成
「コンサルが最初の3年間で学ぶコト」の続編にあたる一冊で、コンサルに入ってからの4年目から6年目を書いた内容です。
マネージャー色としては1年目~3年目という構成で、必要なスキルを積み上げて一流のマネージャーになるために必要なことが書かれていました。
心構えだけでなく、スキルとして活かせる書き方は「コンサルが最初の3年間で学ぶコト」の続編にふさわしい良書となっていました。
インテレクチャルリーダーになれ
マネージャーと聞くと、働きやすくメンバーたちを動かしていく存在だと思われるかもしれません。
ですが、「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」ではイメージが少し異なります。
一言で言うと、インテレクチャルリーダーが正しいマネージャーの姿ということです。
インテレクチャルリーダーとは、知性を活かしてチームを牽引していくことを指します。
励ましたり、鼓舞したり、やる気になる言葉をかけるのではなく。
メンバーの有意義な助言をする。メンバーの成長につながるなら辛い決断も言葉もかける。プロジェクトが成功するためを大前提として動くのがインテレクチャルリーダーです。
優しさで、リーダーシップを取るのではなく、誰もが納得する実力でリーダーシップを取るイメージ。
少し、冷たいと思われても淡々とプロジェクトを成功に導くのが理想です。
好みは置いといて、世間のマネージャーは優しすぎたり、感情論ばかりの方が多い中、実力でマネジメントするという観点に「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」は重きを置いています。
インテレクチャルリーダーになるのに必要なことが、「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」には書かれているのです。
論点をマネジメントする
インテレクチャルリーダーの一番の仕事が論点をマネジメントすることです。
論点は仕事の最初の部分で、顧客からの疑問や投げかけをどう解釈するかの部分。
そのさきの仕事の軸を決める部分で、ここをどう定めるのかがマネージャーの力の見せ所です。
そして、その分解した論点をメンバーに共有して調査などを実行してもらう。論点のそれぞれの進捗を聞きつつ、最終的な結論を顧客に返すのが一連のマネージャーの仕事です。
その過程でメンバーの論点深掘りのサポート・助言、メンバーが働きやすい環境を整えるというのもやっていきます。
まずは論点をしっかり立てて、おおよその結論を持った上で論点をメンバーに振ってマネジメントを行っていく。
この主軸さえできていれば、プロジェクトが大きく外れることもありません。
インテレクチャルリーダーとして、最初の論点および、論点をどう割り振っていくかを大切にするべきです。
三つ目をいう
テクニック的なことも紹介します。
マネージャーなら、メンバーの思いつかないところへの助言もできる必要があります。
しかも言葉を多く伝えるよりも、ビシッと一言言って唸らせた方が、効果的です。
そのために意識するのが三つ目を言う。
思いついた言葉の三つ目を言うのです。
仮に調査内容を聞いた後に「タイトルが分かりづらい」「3枚目のスライドの図が分かりづらい」「ページ紹介の順番がよくない」と思ったことがあれば、三つ目である「ページ紹介の順番がよくない」を発言します。
すると、新たな視点としてメンバーが「おっ!その観点があるのか」となるのです。
この新しい観点をプレゼントするのがマネージャーの役割。
すでにわかっていること、見て明らかなことではなく、付加価値としてメンバーの実力や資料の精度を高める動きこそが重要になってきます。
そのために思いついたアイデアや発言の三つ目を最初に言うのを意識するテクニックを使うと、普通とは異なるちょっとした付加価値のある意見が言えるように演出できます。
営業のコツ
マネージャーになると営業活動もできないといけません。
仕事をとってくる側ですね。
営業のコツはいくつかありますが、まずは「当事者から外れて言う」が大事です。
顧客と雇われという立場になる前や、契約外の部分が営業チャンスということ。
例えば、Aのシステムについてコンサルをやっているなら、ふとした瞬間にBのシステムについてのアドバイスをするなどです。
契約とは異なる部分のアドバイスや助言によって、顧客側はお金以上に、自分の企業のことを考えてくれているという印象を持ちます。
これによって、次の機会が増えるのです。
さらに、「なんでもできる」というアピールより「これとこれが得意です」とアピールするのが効果的。
なんでも屋だと、本当に自分の業務のことを深掘りした上で、できると言っているのかが不明瞭になってしまいます。
「これとこれが得意です」と言うと、自分の業務を見積もり時点で噛み砕いてくれている印象を与えることができるのです。
当事者から外れた部分でアピールしたり、自分の得意やできることを明確にして、顧客側をちゃんと考えていることを表現することが営業をする上で重要になってきます。
人前で怒らず間接的に褒める
マネージャーになると時には厳しいことを言わないといけない場面があります。
そんな時に最低限意識したいのが、人前で怒らないということ。
人前で怒られたり、注意されると、誰しも落ち込み恥ずかしい。という気持ちになってしまいます。
また、周りの人も自分がなったら嫌だと思い、失敗を恐れるようになってもしまいます。
なので、怒るときはなるべく人前ではなく個人的にやるのです。
褒める時は直接的に言うよりかは間接的に褒めるのが良い。
間接的にというのは、A君を褒めたい時は、A君と仲の良い社員に「A君って、仕事が早くて嬉しいんだよね」と伝えます。
するとその社員は何気ないところでA君にそのことを伝えてくれるはずです。
すると、直接褒められる以上の嬉しさが込み上がってきます。
直接だと、何か難しい仕事でも任されるんじゃないかと勘ぐったり、何か裏でもあるんじゃないかと考えてしまうことで、褒められた嬉しさを味わいづらいです。
なので、怒る時は直接個人的に、褒める時は誰かを経由する形になるように。を意識するのが良いでしょう。
まとめ
今回は、高松智史さんの「コンサルがマネージャー時代に学ぶコト」を紹介してきました。
前作である「コンサルが最初の3年間で学ぶコト」同様良書でした。
ついつい、感情論や優しさで誤魔化してしまいそうな部分をしっかり否定してくれる一冊で、ドキッとした部分もありました。
知性で、引っ張っていくリーダーシップ。僕も目指したいと思います。
では、皆さんのマネージャーライフがより良いものになることを祈っています。
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