台湾のコロナ対策はニュースになる程、素晴らしいものでした。
マスクの供給に、感染拡大の抑え込み。
それはデジタルをフルに使ったおかげでした。
今回は、そんな政府の動きに尽力したオードリー・タン氏の「デジタルとAIの未来を語る」です。
書評、要約でオードリー・タン氏の考えを紹介していきます。
では、いってみましょう。
本書の概要
ページ数
おわりにを含めず249ページ、全252ページでした。
読むのにかかった時間
大体3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
台湾のコロナ対策から、AI、デジタルと政策というテーマで、オードリー・タン氏の半生とともに紹介されていました。
AIに対する考え
オードリー・タン氏のAIに対する考えは、AIはサポーターとして超便利。というスタンスでした。
ターミネーターのようなAIが人間の敵になる考えとは全くの逆で、AIに使われることもないと考えています。
AIの進化によってより便利になって、やりたいことに人間は集中できるという考えで、AIの進化、テクノロジーの進化を推奨していました。
また、AIと人間の関係をドラえもんとのび太の関係に例え、AIは人間の進みたい方向を指し示してくれるとも言っています。
ジャイアンを見返したいのか、空を飛びたいのか。そういったやりたいことをAIがサポートして実現してくれるイメージ。
AIの特性によって人間が何をやりたいのかを明らかにしてくれる存在であるとのことでした。
デジタルは高齢者も使えなきゃダメ!
デジタルを考える上で、重要なのが「できる人ができればいい」というのはダメということです。
デジタルができる人だけ便利になるというのは正しくない。という考えで、みんなが使えるテクノロジーが目指すべき姿とします。
高齢者が使えないということは、他にも使えない人がいるということで、誰もが使えて、誰もがハッピーになるデジタルを目指すのがオードリー・タン氏の考えでした。
みんなが使いやすいようなものを開発するべき。という考えは非常に学びになりました。
高齢者だけでなく障害を持っている方のことも考えて、本当の意味でみんなが使いやすくなる。というのは目指すべきだと思います。
平等を生み出すのがデジタル
デジタルはまた、平等を生み出すためのツールという考えもオードリー・タン氏は持っていました。
教育についてもデジタルによって平等を生み出せるという考えで、地方に居ても、お金がなくてもデジタルによって平等に教育を受けることができるようにできるという考えです。
実際、オードリー・タン氏自身、中学校を中退しても問題なくらいの学習能力をデジタルテクノロジーによって手に入れています。
学校だけが勉強をする場ではない、デジタル・テクノロジーによって誰しも一流の教育、大学生にも負けない知識をつけることができると証明しているのです。
またデジタルによって、政治に関わるのも年齢を関係なくさせることができます。
台湾でも誰もが政府に意見を言える場をネット上に設けているのです。
それによって、本来選挙権は18歳にならないと政府に意見を反映させることはできないところを、18歳以下の意見も取り入れられるようにしています。
ネットに書き込んだ内容を元に政策を変え、新しい公園を作ったりするのです。
誰でも参加できる政府を目指し、平等を生み出すという考えのもとオードリー・タン氏は活躍できています。
テクノロジーだけでは解決しない問題をどうする?
テクノロジーではどうしても限界があります。
いくらテクノロジーが進化しても、地震は無くなりませんし、24時間という時間は長くはなりません。
だからこそ、テクノロジーではできないところと線引きが大事ということ。
そして、芸術のように常識のとらわれないことも大事です。
全く別の視点で物事を捉えることによって、これまで解決できなかった問題もクリアできるかもしれません。
芸術のように常識にとらわれない、テクノロジーが解決できないところを見つけてその上でどうテクノロジーを使っていくか。そういった想像力こそが重要です。
自分に何ができて、何をすることで社会をより良い方向に向かわせることができるか、個人個人が考えることから小さくも大きな一歩のためにやろうという話で締めくくられていました。
一人一人の一票は小さくとも、考えることが重要です。
まとめ
今回は、オードリー・タン氏の「デジタルとAIの未来を語る」を紹介してきました。
政府に全員が関わっていこうという考えや、デジタルを使ってみんなで社会を良くしていこうという考えが面白かったです。
また、AIやテクノロジーの限界を知った上で想像力を使ってより良い世界にする努力をしましょうという話でした。
デジタルに関わる上で、オードリー・タン氏の考え方は非常に参考になりました。
ぜひ、気になる方は一度お手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
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