5分でわかる小野塚征志「DXビジネスモデル」要約&書評記事

ビジネス本の書評

DXは目的ではなく手段である。

DXを使ってどんな価値を見出せるかが大事なのです。

今回紹介する「DXビジネスモデル」は80事例にも及ぶDXのビジネスモデルを紹介しながら、DX推進に必要な知識を学ぶことができる一冊になっています。

DX推進を考えている方にぜひ読んでほしい一冊でした。

この記事では、「DXビジネスモデル」の内容を要約しながら、特に気になったビジネスモデルについて紹介します。

忙しい方はこの記事だけでも、十分DX推進の役に立つはずです。

では、行ってみましょう!

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本書の構成

ページ数

全270ページです。

読むのにかかった時間

ボリュームがあり、ビジネスモデルの紹介ということで読むのは結構辛かったです。

時間にして、だいたい5時間ちょっとくらいかかりました。

構成

DXとは何か、DXを推進する上で大事なポイントについて紹介したのちに、あとはひたすらDXを用いたビジネスモデルの紹介を行っていくという構成でした。

80事例に及ぶビジネスモデルの紹介がなされているので、ビジネスモデルを学びたいという方は非常に参考になります。

DXとは

DX(Digital Transformation)とは「デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新」です。

単に「ITの導入による業務効率化」や「事務の電子化による生産性の向上」などはデジタル化に過ぎません。

ビジネスモデル自体を変えるほどの変革こそがDXなのです。

DXに必要なもの

ビジネスモデルの変革必要なものが、DXのマインドセットです。

DX推進のためにはDXならではの新しい考え方が必要になってきます。

DX時代のマインドセットをまとめると以下の5点です。

・価値志向のビジネスデザイン

→ユーザーへの提供価値を基点にビジネスの方向性を検討

・イノベーター的思考

→ハイリターンやビジネスの創造に向けた野心的に挑戦

・長期的/俯瞰的な経営判断

→将来の成長に向けた基盤構築を重視

・アジャイルでの推進

→スピードと変化への対応をトライアンドエラーで乗り越えていく

・DXによる進化への強い意志

→主体的な意志を持ち、DXに夜ビジネスモデルの革新を推進

僕は中でも価値志向のビジネスデザインが重要だと、「DXビジネスモデル」を読んで思いました。

ユーザーがどのようなところにつまっているのか、新しい価値として今まで光が当たっていないところにデジタルを通して光を当てる、そこがDXの発想として大事だと思うのです。

活用事例でもマッチングサービスというのが多く見受けられました。

それだけこれまで、ただ捨てられていたものや合っていなかった人同士を繋げることがDXで容易になってきているのです。

必要な人に行き届いていないものや、使いづらいと思っているものがあるところにこそチャンスが転がっていると感じました。

DXの活用事例

「DXビジネスモデル」で紹介されていたビジネスモデルの一部をここでは紹介していきます。

PillPack

PillPackは2013年に米国にて設立されたオンライン薬局です。

ロボットによって処方箋を調合し、包装、自宅まで配送するという事業をしています。

そこにさらに、処方箋管理アプリケーションを挟むことにより、過去の服用薬の確認や服用すべきタイミングでの通知を容易にするという仕組みまで作り始めているのです。

薬を簡単に手に入れられるだけでなく、飲むという習慣をサポートする役割を成しつつあるビジネスモデルの一例になります。

3Dプリントサービス

世界最大の物流会社であるUPSが行っている事業である3Dプリントサービスは、まず3Dプリンタを自社の拠点に配置します。

注文が入ったら出荷元から拠点へ3Dプリント用のデータが送られてきて、拠点の3Dプリンタでプリントアウトされ、拠点からすぐに発送できるという仕組みを提供するのです。

これにより、従来の出荷元→陸上輸送→空港→陸上輸送→納品先という過程を全て取っ払うことができます。

3Dプリンタの進化はまだまだな部分もありますが、これからの時代を見据えて輸送レス、在庫レスを考えたビジネスモデルです。

TABETE

コークッキングが出しているアプリTABETEは、アプリ利用者である消費者と飲食店をマッチングさせるアプリになっています。

「予約が突然キャンセルされた」「来店客数を読み間違えた」「飾り付けに失敗した」という様々な理由で余った食品を販売したい販売したい飲食店と消費者をマッチングさせているのです。

これによって食品ロスをへらうことができる上に、広告費をかけずに集客を得られる仕組みができています。

安くご飯が食べられるということから利用者も増えていくことが予想されますし、Win-Winの関係を生み出すことができているビジネスモデルの例になります。

ジオテクノロジーズ

ジオテクノロジーズは、カーエレクトロニクスメーカーであるパイオニアの子会社として1994年に設立されました。

カーナビソフトの提供を主としていますが、現在では事業活動を通じて蓄積された地図データを基盤に様々なソリューションサービスを展開しています。

例えば、未来地図サービスです。

未来地図サービスでは3年間で建てられる道路や大型施設の計画を蓄積し不動産価値の変動を見通すことができるのです。

また、トリマというアプリでは、移動距離や歩数によって現金や商品などに交換可能なポイントを提供します。

トリマアプリによって、人の移動情報というデータを取得するという狙いのあるアプリも作っているのです。

データの活用がうまく、今後必要になるデータを先回りして取得しようとする姿勢が素晴らしいDXビジネスモデルになります。

DX推進上の課題

DX推進を進める上で課題になってくるのが、以下の2点です。

・DXが何かわかっていない人が多い

・DXを目的として手段と考えられていない人が多い

DXとは聞いたことがあるものの、実際何をすれば良いのかわからない方、DXをしようとする気持ちだけでDXが目的になってしまっている方です。

これらを修正して、正しいDXに導くことこそが大事になってきます。

DXの活用事例を通しながら、DXによってどのような価値をユーザーに新たに提供できるのか。

既存のシステムと組み合わせることでいかに進化できるのか。

既存のシステムとの共存とゆくゆくの完全移行についてのゴールも、紹介できるとなお理解が深まっていくことでしょう。

DXって言いたいからやるのではなく、DXによってより良い価値を提供できるようになり、事業として進化することができるのです。

ぜひ、今回紹介したDXの活用事例の他も気になる方は「DXビジネスモデル」お手に取ってみてください。

まとめ

今回は「DXビジネスモデル」について紹介してきました。

DXのビジネスモデルが80事例もあり、読むのは大変でしたがその分学べることも多かったです。

ここまで考えてビジネスをしているのか、こんなところに需要があったかなど新しい世界が広がった気がします。

いろいろなビジネスモデルを読むことで、学べることは多いですね。

これから進化していく未来も少し垣間見ることができました。

DXの今後の発展が確信できる一冊でした。

では、皆さんのDX推進がより良いものになることを祈っています。

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