好きを仕事にする?伸びる業界に入る?
そんな転職は後悔するかもしれません。
今回紹介するのは鈴木祐さんの「科学的な適職」です。
科学的な証拠のある文献から指し示す後悔しない転職手法が学べる一冊。
転職を少しでも考えている方の一助になる一冊をこの記事では簡単に内容を紹介、まとめていきます。
では、いってみましょう!

本の概要

ページ数
おわりにを含めず274ページ、全287ページ
読むのにかかった時間
大体3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
好きを仕事にする。などよくある間違った職業の選び方から始まり、幸福度を上げる仕事の要素、よくない職場の例、適職を選び取るためのテクニックが紹介される構成でした。
それぞれ論文など根拠のある内容なので、非常に説得力のある内容です。
おすすめ度

鈴木祐さんの「科学的な適職」のおすすめ度は、5点満点中4.5点です。
全ての転職、就職を考えている方に読んで欲しい一冊という評価。
とにかく、内容が腑に落ちますし、後悔が少ない職に就く方法に特化されていて良いです。
また実際にやるべきことまで落とし込まれたステップにより、本を読んだ後どういった行動を行えばいいかがわかる点も非常に良いと思いました。
「科学的な適職」に書かれた内容を行えば、絶対に後悔しない職業に就けるかというとそういうわけではないですが、限りなく後悔を少なくしてから就職できるとは思います。
もちろん、自分が選べたとしても受かるかは別ですが…
好きを仕事にしてはいけない理由

好きを仕事にしてはいけない理由から紹介しましょう。
職業研究によると、好きを仕事にしても、しなくても幸福度は変わらないという結果となっています。
むしろ、好きな仕事ほど長続きしないという結果があるくらい。
好きな仕事ではなく、やる仕事を段々と楽しく好きになっていく。というのがより良い進み方です。
好きな仕事ではなく、自分の時間や労力を注ぎ込める仕事を見つけるようにすると良いでしょう。
仕事の幸福度のチェックポイント
仕事の幸福度を上げるためにチェックすべき点をここでは4つ紹介します。
(本の中では7つ紹介されています)
裁量権
まずは裁量権。自分がどれだけ仕事に対しての決定権があるかという観点です。
働く場所を自由に決められるのか、働く時間を自由に決められるのか、仕事のやり方を自由に決められるのか。
これらの自由度が高いほど、幸福度は高まります。
どれだけ自由に仕事ができるのか、ここは第一にチェックするべき点と言っても過言ではありません。
焦点
モチベーションには大きく二つのタイプがあります。
「攻撃型」と「防御型」です。
攻撃型は、高い目標に対して達成しようとする際にモチベーション・やる気が高まるタイプ。
防御型は、損失やマイナスを避けようとする際にモチベーション・やる気が高まるタイプです。
自分のタイプを見極めた上で、攻撃型であれば営業やコンサルタント、防御型であれば会計やエンジニアといった棲み分けで職業を選ぶとマッチ度が高いほど幸福度が上がります。
まずは自分って攻撃型なのか、防御型なのかから見極めてみましょう。
多様
仕事のバリエーションが豊富であるかも、仕事の幸福度を決める要素になってきます。
ルーティンワークをこなすだけでは、人は退屈になってしまうのです。
常に新しい刺激という頻度でなくとも、さまざまな仕事が存在する職場だと飽きも来ず成長し続けられるという意味でも非常に幸福度が高まります。
仲間
仲間がいるか。が職の中で非常に大事な要素になってきます。
気の置けない仲間がいるだけで、700%仕事のモチベーションが上がるという研究結果もあります。
職業を決める際は自分に似たタイプ、話しやすいタイプの人材が多く在籍しているかなどを確認すると仲間を作りやすいかの判断が行えるでしょう。
バイアスを取り除くのが大事

職を決める上で重要なのがバイアスを取り除くこと。
バイアスとは、思い込みや先入観のことで、どんな人にも存在するもので、完全に取り除くことは難しいものです。
好きを仕事にや、性格テストで出た結果で仕事を選ぶ、などの一見正しそうなものもバイアスによる結果。
さらには転職こそが正解であるというのも一種のバイアスとなっています。
また、この転職先非常に良い!っと思うのも確証バイアスにかかっている可能性が高いです。自分にとっての都合の良い情報だけしか見えていない状態かもしれません。
これらのバイアスにまずは気づくことが大切。
バイアスが存在すること、もしかしたら自分もそのバイアスにかかっているかもしれないという気持ちが第一に必要になってきます。
気づいた上で、あとは取り除いていく客観性を高めることでバイアスの影響を下げることができます。
次の章の転職の進め方などを読んで、バイアスの影響を極力下げた転職、就職を行なってみてください。
最悪の職場

最高の職場は人によって変わってきますが、最悪の職場は割と一般化されています。
時間の乱れは特に人の幸福度を下げると言われています。
シフト制の仕事などの時間の乱れはそれだけで幸福度も健康度も下げてしまうのです。
できうる限りシフト制の仕事は選ばないのが良いでしょう。
もちろん、シフト制の仕事を頑張っている方々のおかげで僕たちがこうして安心して生活を行えているのも事実なんですが…
自分だけのことを考えるなら、時間の乱れが生じやすいシフト制の仕事は選択肢から外すのが良いです。
転職の進め方

実際に転職や仕事を選ぶ際にどうやって進めればいいのでしょうか。
「科学的な適職」では複数のバイアスを取り除いた転職手法が書かれていましたが、ここではイリイスト転職ノートという手法を紹介します。
イリイスト転職ノートでは、転職情報をとにかく三人称で書いていきます。
「彼は、この転職先に好印象を持っているようだ。というのも完全テレワークだから」という感じで自分の思ったことをできる限り三人称で続いって転職情報をまとめたノートを作っていくのです。
これによって、一人称では見抜けなかった職場の雰囲気や確認事項が見えてきます。
バイアスも三人称視点でノートを書くことで抑えることができ、より良い選択肢に気づけるようになるというわけです。
転職や職業を決める上で、日記のようにまずは三人称で自分の状況を綴ってみましょう。
まとめ

今回は鈴木祐さんの「科学的な適職」を紹介してきました。
非常に面白い本で、転職や就職する際には必須級の一冊だと思いました。
気になる方はぜひ、一度読んでみてください。
就職活動全員の味方となる一冊だと思います。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


