日本にはスタートアップ企業が少ない。
そもそも、スタートアップに投資する額から、アメリカや中国の20分の1ほど。
スタートアップ無くして、大きな会社はありません。
今回紹介する山本康正さんの「スタートアップとテクノロジーの世界地図」では世界のスタートアップ企業が数多く紹介されています。
世界のスタートアップ企業を知り、日本に住む僕たちがスタートアップする火種を作ってくれようとする一冊です。
この記事では、そんな「スタートアップとテクノロジーの世界地図」について一部内容を抜粋して紹介します。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
索引含めず282ページ、全287ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
世界のスタートアップ企業をアメリカ、中国、東南アジア、ヨーロッパ、日本に分けて紹介されていました。
アメリカの量が多く、半分近くがアメリカのスタートアップ、ユニコーン企業でした。
スタートアップ企業がどのような観点で事業をやり始め、どうやって軌道に乗ったのかが書かれている内容で、スタートアップや起業を考えている人の参考になる一冊だと感じました。
紹介されているスタートアップ企業とは
紹介されているスタートアップ企業というのは、ユニコーンとも呼ばれる企業で、評価額が10億ドル以上の未上場スタートップ企業のことを言います。
生まれたてなのに、すでにとんでもない価値が多くの投資家によって裏付けられている事業、企業です。
日本ではその数が少なく、アメリカは250社、中国では200社、インド・東南アジアでは50社ほどに対して日本は5社ほどしかありません。
日本にユニコーン企業が少ないのは、スタートアップ企業に投資する額が少ないのと元々起業理念が根付いていないのが主な理由です。
だからこそ、本書を読むことで、世界のスタートアップを知り、一歩踏み出す勇気と知識をつけるのが目的としています。
注目したい企業(アメリカ)
僕が実際に読んで、今後注目したいなと感じたスタートアップ企業を国別に紹介していきます。
DocuSign
まずはDocuSign。
この会社は、契約のペーパーレス化で生産性向上に貢献することを目標にしています。
クラウド上にある契約書にいつでも、どこでも承認、合意ができるようになるシステムを手掛けているのです。
これによって、従来郵送で行っていた契約書の受け取り捺印などが全てペーパーレスになると共に、圧倒的なスピード感で契約を進めることができるようになります。
電子証明書という概念が根付いてきており、ゆくゆくはハンコという概念自体この世からなくなる日も来るかもしれません。
Peloton
Pelotonはフィットネス業界のNetflixと呼び声高い会社です。
エアロバイクとタブレットやスマホに入れるアプリを連動させたサービスを提供しています。
エアロバイクでどのくらいの距離走ったのか、消費カロリーや適切な運動量などをサブスクリプションサービスとして細かく教えてくれるのです。
最近ではAppleWatchとも連動して、さまざまなワークアウトを分析して徹底した体管理ができるサービスへとも進化しています。
圧倒的なクオリティのエクササイズをサブスクリプションという月額で、どこでも体験できるという価値を提供してくれる会社です。
Niantic
NianticはポケモンGOを手がけた会社です。
位置情報ゲームを使ったポケモンGOは2016年にリリースされ8週間でダウンロード数5億以上という大ヒットになりました。
そんなポケモンGOの収益の得方にこれまでにない考え方がありました。
それが、ポケモンの出現場所を売るというビジネスモデルです。
位置情報を用いたゲームということもあり、特定のポケモンを一定の場所にだけ出現させることができます。
つまり出現させたい場所というのを売れるということです。
自分の店の前に伝説のポケモンを出現させるということもできます。
ただのゲームかと思いきや宣伝効果を行える収益のあげ方もある面白い例だと感じました。
注目したい企業(中国)
続いて、アメリカに次ぐスタートアップ企業の数を誇る中国です。
中国=コピーで粗悪品という印象が強いですが、実は世界的にはクオリティの高い製品を安く提供する国という印象が強くなってきています。
アメリカを抜く日も近いなんて声も聞いたりしますので、要チェックです。
DJI
DJIは、世界シェア率7割を誇る商用ドローンメーカーです。
ドローンの技術力が高く、空中でブレずに静止できる技術に特に優れていて、空撮だけではなくエンターテインメントとしての用途でも使われます。
ゆくゆくはドローンを使った無人配達にも対応する可能性があり、Amazonが空から届けられる時代に絶対に欠かせない技術を持っているのです。
ByteDance
ByteDanceはTikTokを生み出したスタートアップ企業になります。
10秒程度の短い動画を次々と再生させるというシンプルなアイデアで、世界中で爆発的ヒットを出しているアプリを作成しているのです。
誰でも動画投稿ができるというのを売りにしたアプリで、若者たちの心を鷲掴みにしました。
注目ポイントとしては米中間の緊張です。
アメリカはTikTokをよく思っておらず、個人情報が流れるという理由からTikTokの使用を止めようとしています。
果たしてTikTok、ByteDanceはこの対応にどうやって対抗するのか注目です。
このままアメリカと中国の国家間の争いに巻き込まれるのか、はたまた終止符を打つほどの存在になれるのかも注目したいと思います。
注目したい企業(日本)
最後に日本の注目したい企業についても紹介して終わります。
WHILL
WILLは、スマート車椅子でラストワンマイルのインフラを目指す企業です。
スタイリッシュな車椅子を提供し、誰でも乗りやすい車椅子を目指しています。
ラストワンマイルというのは空港の出入り口からタクシーまでの距離などを表していて、ちょっとの距離なんだけど車椅子が欲しい。という場面で活きてきます。
スタイリッシュだから乗っていても恥ずかしくない、むしろ時代の最先端という印象を持たれるイメージで作られているまさに人の目を気にする日本人だからこそできる発明とも言えます。
羽田空港などをはじめ世界的にも実用化が行われつつあります。
100m先のコンビニに足が悪いからという理由で諦める。そんな悲しいことを起こさせない発明がWILLが行っていることです。
まとめ
今回は、山本康正さんの「スタートアップとテクノロジーの世界地図」を紹介してきました。
今回紹介したスタートアップ企業たちはほんの一部です。
本書ではアメリカは26社、中国は7社、インド・東南アジアは4社、ヨーロッパは4カ国から2社ずつほど、日本は5社紹介されていました。
テクノロジーの進化と起業がどのように結びついているのかを考える上で必須の知識が身につく一冊だと思いました。
起業を考えている方、これからの投資先を考えている方にぴったりの一冊です。
ぜひとも、お手に取ってみてください。
では、皆さんのスタートアップライフがより良いものになることを祈っています。
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