理系文系関係なく楽しめる理系ミステリー!「すべてがFになる」森博嗣

小説の書評

どうも、ORANGE BLOGのゆうです。

今回は、ミステリー小説の書評、感想です。

作品は「すべてがFになる」作者は森博嗣です。

ネタバレ部は章で完全に分けていますので、安心して読み始めてください。

皆さんに少しでも僕が読んだ小説の良さがわかっていただければ嬉しいです。

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密室殺人を突破するのはいつだって科学

舞台は孤島のハイテク研究所。

少女時代から完全に外界から孤立した生活を送る天才プログラマ真賀田四季。

7年間開かなかった彼女と外界をつなげる扉が開かれた時、そこにいたのは両手両足を切断されウエディングドレスを着た死体。

誰もが驚愕する事件、目を背けたる事件が目の前で起こる。

挑むのは、偶然島を訪れていた大学教授の犀川創平と学生の西之園萌絵。

さらに殺人犯と共に閉じ込められる孤島で、第二の殺人も発生する。

不思議な密室殺人をハイテク科学の力で紐解いていく犀川と萌絵は、果たして真実に辿り着くことができるのか。

また、殺人事件の真相は一体、凡人の私たちに理解できるものなのか。

この謎を解く鍵はこの本のタイトルでもあり、作品内でも出てくる「すべてがFになる」

これ以上は、あなた自身の手でこの難攻不落のプログラムを読み解いてほしい。

Bitly

文系理系関係なくトリックに唖然とする

この小説の一番の醍醐味や背景としては、ハイテク、科学、プログラムと言えるでしょう。

プログラムに関してはかなり専門用語が出てくるので、カタカナハイテク言葉が苦手な方は読みづらいかもしれないです。

しかし、安心してください。

この「すべてがFになる」の一番大きなトリックは理系的な要素ではなく、誰でも理解できあっと言わせるようなまさに不意打ち的な発想なんです。

僕は理系でかつプログラミングをやっている人間なので、作中に出てくる「コンパイラ」やら「変数」などプログラムにまつわる単語も楽しみながら読みましたが、別に理解する必要は全くなく

なんなら多少読み飛ばしても最高に楽しめる作品であると約束します。

鳥肌レベルの伏線回収というわけではないですが、これまでの固定観念を覆させられる作品であることは間違いありません。

密室を破る方法をぜひ楽しんでほしいです。

文系でも楽しめる作品にまで落とし込めている森博嗣氏には敬服いたします。

ちょっと脱線ですが、森博嗣氏は実際に大学の助教授もやられているらしく大学教授の描写もとてもリアルです。

大学の先生をやりながらこんな素晴らしい作品を世に出すなんて凄すぎますね。

とにかく、この作品は不意打ち作品

驚きと逆転の発想、思いもつかない発想からできています。

全て読み切った今だからこそ、あぁここ伏線だったのか、危ないことしてるなぁと思う場面も多々あったことに気づきます。

ぜひ、一度読んでいただきたい、そしてネタバレを大いにしながら語り合いたい作品です。

ドラマ化アニメ化される理由がわかる

この「すべてがFになる」はドラマ化アニメ化もされています。

ドラマ化は聞いたことがありましたが、まさかアニメ化までされているとは初耳でした。

まぁ実際にこの作品を読むと面白いのでドラマ化アニメ化したくなる気持ちも大いにわかる気がします。

それだけ万人に向けた良質な作品なのです。

ミステリーにありがちなちょっとエッチなシーンやグロテスクなシーンはほとんどなく、グロいところで言うと最初の天才プログラマ真賀田四季の部屋から出てくる死体のシーンでしょうか

両手両足がない死体が出てくるシーンは、読んでいるこちら側もゾクゾクし目を背けたくなるような感覚になる描写があります。

それ以上は特にないので、安心して読んでいただけると思います。

僕はドラマやアニメは見たことないのですが、本を読むとそちらも気になってきます。

一体どうやってこの作品を映像化しているのか。気になります。

また、この「すべてがFになる」はまさかのまさかシリーズものの第一作なんです。

確かに読後感はまだまだ続けられそうな雰囲気ですが、(あ、決して中途半端で終わると言う意味ではありません。見事に綺麗に一冊で完結するので安心してください)

本当に続くとはしかも全10作らしいです。

正直長いなぁとも思いますが、全て文庫版にもなっているのでとても読みやすいと思います。

個人的に文庫版が好きな僕としても嬉しい限りです。少しずつ読み進められたらなと思います。

ちなみに作品の順番を備忘録として残しておきます。

一作目「すべてがFになる」

二作目「冷たい密室と博士たち」

三作目「笑わない数学者」

四作目「詩的私的ジャック」

五作目「封印再度」

六作目「幻惑の死と使徒」

七作目「夏のレプリカ」

八作目「今はもうない」

九作目「数奇にして模型」

十作目「有限と微小のパン」

基本すべて、すべてがFになるで探偵と助手役の犀川創平大学教授と西之園萌絵学生が出てきて話が進んでいくシリーズとなります。

こうして並べるとタイトルからして面白そうなものが多いですね。

タイトルにうまく掛け言葉があって、興味をそそられます。

一つ一つの小説の長さはわかりませんが、「すべてがFになる」に関しては文庫本で大体500ページあったので、シリーズすべてが同じ長さとなると結構大変そうな気がします。

まぁ少しずつ楽しんでいきましょう。

超大作として気長に楽しく読んでいけたらって思います。

ネタバレありな感想

ここから先はネタバレを含むので、ネタバレが嫌な方は下記リンクからネタバレのないまとめ項目まで飛んでください。

ネタバレしても本当にいいですか?

読まずにネタバレしたら勿体無い内容なのでぜひ、一度読んでいただきたいです。

では、ネタバレ含んだ僕の感想を書いていこうと思います。

この作品の密室トリックは実は子供がお腹の中にいた

思いつきますか?そんなこと

僕はすっかり騙されるというか思いもよらない方法だったので面を食らってしまいました。

まさかそんな方法があったなんて。

しかもそうすることですべての辻褄が合っていく。

タイマーの仕掛けもよく考えられていたなとか

タイトル回収、意味不明な言葉「7は孤独な数字」とかそんなのもすごかったといえばすごいと思いましたが、

僕が一番よかったと思うのは密室トリックの子供がいたやつですね。

想像外からの一撃に本当に感動しました。

久々に裏をかかれた、やられた感のあるミステリー小説に出会えた気がします。

すべてFになるがまさか16進数のことを意味していたり、それが時間で表すと7年ってのもすごいですよね。

実際にそんなプログラムを書ける人がいたら確かに間違いなく天才です。

ちなみに書くだけなら僕でもできますが、ここまで綿密にOSの中に潜り込ませたり、バレないようにしたり、実際に動き出すプログラムをするのは天才じゃなきゃ無理です。

もちろん物語の世界なので、大いにフィクションとして天才プログラマはいるのですが

実際にいてもおかしくないレベルかつ、実際にこの小説を書いている作者自身が思いついている時点でとんでもないことだと僕は思いました。

「想像できることはすべて現実になる」なんて名言にあるように、フィクションと言えど、実際に起こりそうなリアルさがこの小説をさらに面白くさせている気がします。

また、数年前の作品にも関わらずVR表現もリアルで、今となってはできてしまっていることも多いので、きちんと分析した上で未来を想像するとあながち外れないなんてことも思っちゃいました。

森さんまじすごいです。

まとめ

さて、ネタバレ感想を見た人も見ていない人もここからはネタバレがないので安心してください。

「すべてがFになる」をまとめると

・驚きの密室トリック

・考え抜かれたタイトル

・リアルな描写

・これから先も続くであろうワクワク感

何か一つでも気になるものがある方はぜひ読んでもらいたい一冊です。

若干長いのでそこだけは注意してください。

長編小説を読み慣れている人には気にならない長さだと思いますが。

これはあくまで始まりであると銘打ってありますが、シリーズとしては第一作なので決して間違ってはいないもののこの一冊だけでも非常に満足度の高い作品になっています。

シリーズを楽しむのもこの一冊を存分に楽しむのもいいと思います。

僕はとりあえず、二作品目も読んでみようと思います。

現在流行のプログラミングとミステリーをうまく融合させた一冊

タイトルの意味と天才のわけのわからない言葉は全てある一点でつながるのです。

天才でない僕も最高に楽しめる一冊、ぜひお手に取ってみてください。

きっとあなたもすべてがFになると思います。

Bitly
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