いかに最新の技術を使って物を作るか?
いかに自分の満足する物を作れるか?
そんなものはクソ喰らえ!と言わんばかりの考え方がマーケティングというものです。
今回紹介する「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」ではマーケティングの基礎をUSJを変革したマーケター(森岡毅)が教えてくれます。
マーケティングとはなんぞやから、マーケティングをする上で大事な基礎的な考え方と戦略、マーケターに向いている方の特徴などがわかる一冊となっています。
この場ではそんな中から厳選し、特に重要だと感じた点とマーケティングの基礎部分について紹介します。
では、行ってみましょう!
本書の構成
ページ数
あとがき含めず253ページで、全261ページの本になっています。
読むのにかかった時間
だいたい2時間30分くらいで読み切ることができました。
構成
前半部はマーケティングとは何かについてUSJをV字回復させた話を交えながら、考え方の基礎や現在マーケティングが軽視されているという話が書いてありました。
後半からは著者「森岡毅」氏がマーケターになるまでのキャリアについてとこれからマーケターになりたいと考えている方へのアドバイスが書かれていました。
全体的に柔らかい文章で書かれており、読みやすかったです。
ところどころアンダーラインなども著者自身が引いてくれていますので、注目すべき点もわかりやすいと感じました。
また章の終わりには、その章のまとめが設けられており読み返す際の工夫もみられる一冊でした。
マーケティングとは
マーケティングとはいかに売上を上げるかという部分に特化した学問になります。
学問とは言ったものの「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」では決して固い勉強のような話をしたいのではありません。
あくまでマーケティングは勉強するものではなく、いかにうまく使えるかという部分にフォーカスしているのです。
なので、もう少し柔らかい表現にして、マーケティングとは「いかに会社の売上を上げるかを実践できる技術」と言い直します。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」では基本難しい固有名詞もなく感覚的にマーケティングに必要なことと売上を伸ばすために考えるべき視点が書かれていました。
技術ファーストは愚の骨頂
最新技術を使った自己満足とも呼べてしまう商品はマーケティングの考え方的には完全アウトです。
売上を伸ばすという観点からそれはやるべきではないと「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」でははっきりと書いてありました。
技術ばかりを追い求めた製品は顧客のニーズに合っていなかったり、時代に合っていなかったりするのです。
この技術ばかりが先行した開発の考え方を「技術志向」と言います。
技術志向は例えば「液晶パネルを開発したから、TVを作ろう」ですとか「曲がる液晶画面ができたから折り畳みスマホを作ろう」といったものたちがあげられます。
また機能の中にも「誰がこの機能使うんだ?」「説明書を読まないとこんな機能気づかないわ!」といったものが存在するのです。
機能や技術ばかりで使っている方を置いてけぼりにしているのが技術志向というわけです。
その点スティーブ・ジョブスはマーケティング志向を活かしながら、iPhoneを作りました。
面倒臭い説明書は一切なくして、タッチ操作で誰でも操作できるような製品を作ったのです。
これがまさにマーケティングであり技術志向ではない顧客志向になります。
いかに顧客のニーズに応えられる製品を作れるかに重きを置くのが重要になってくるのです。
また現在のTVCMにもメスを入れているのが「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」です。
はっきり言うと今時のCMは何が言いたいのかわからない。何を売りたいのかがわからないといった意見になります。
感動させたい気持ちはわかるもののそれで果たして売上は上がるのか?
結局何の製品を売ろうしているのかが分からないものまで存在します。
確かに最近ではCMを飛ばせる録画機能も増えていたりしますが、なんのCMかわからないと言うものは多い気がしました。
顧客や本当に売上を考えるなら製品やサービスが少しでも売れるCMにすべきだと思いました。
日本ではマーケティングが遅れている証拠でもあり、逆にだからこそマーケティングを学んで他と差をつけるチャンスでもあるのです。
戦略をしっかり立てよ
何となく、「売上を上げよう」「顧客のニーズ」に応えようと思いは、まだまだマーケティング的には始まりに過ぎません。
そこからどのような戦略を持つのかが大事になってくるのです。
戦略とは資源配分の戦略のことを言います。
資源配分とは例えば、一日フリーな時間があったとして、勉強に何時間当てるのか、カフェに行くのか、デートの時間を確保するのか趣味、映画に使うのかといった配分になります。
この例では一人の一日の資源を配分する例ですが、これが会社組織でも言えるのです。
どのCMに力を入れるのか社員教育に力を入れるのか、市場調査に力を入れるのか、と様々な資源配分が考えられます。
資源配分を目的に合わせて決めるのがマーケティングで大事になってくるのです。
売上を伸ばすために知名度を20%向上させようと言う目的、目標を立てたのであれば、CMやSNS運用に力を入れるように資源配分しようという流れで戦略を決めていくのが「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」に載っていてUSJを成功に導いた考え方なのです。
目的と目標を立てて戦略を意識してことにあたることが重要になってくるのです。
さらにその先に戦術というのがあり、資源配分後の実際のCMをどうするかやSNS運用をどのようにやっていくかをトップダウン式に決めていくことになるのです。
マーケティングを考えずに戦術だけを考えていく人が多い中、しっかりと目標、目的、戦略を正しく立てるだけできっと成功がぐっと近づくことでしょう。
マーケティングフレームワークを使って戦況分析を考えることも大事です。
自分の立場が劣勢なのか、優勢なのか、どのような強みを活かせていないのかをはっきりさせることで戦略を立てやすくなるのです。
5C分析や4Pという手法が例として出てきますが、この場では紹介だけで詳細は割愛します。
マーケターに向いている人
マーケターに向いている人の話も「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」では出てきます。
ズバリ以下の4点にいずれか当てはまる人が筆者曰くマーケターに向いている人です。
・リーダーシップの強い人
・考える力(戦略的思考の素質)が強い人
・EQ(心の知能指数、共感力など)の高い人
・精神的にタフな人
読んだ感じだと精神的にタフかどうかはほぼ必須ではないかと思います。
例えうまくいかない場面でもめげずにマーケティングを続けられるか、プレッシャーに強くないとできない仕事だと思います。
また「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」ではこれらを見極めるためにインターンシップなどに積極的に参加することを勧めています。
実際にやってみて本気で参加したインターンシップで楽しいと思ったらおそらく向いていると判断しても良さそうです。
心の判断に委ねてしまうのも手かもしれないですね。
たとえ失敗したとしても手に入れたマーケティングスキルはどんな会社でも使える技術ですから。
またマーケターに向いている特徴に当てはまらなかった人に関してもマーケティングスキルは学んでおいて損はない技術でもあります。
マーケターの言っていることの根拠がわかったり、悪いマーケターを見抜けるようになってきます。
正しい方向に舵を切る必要があるのに変なマーケターのマーケティングで氷山に当たってしまう可能性もあるのです。
マーケティングは正しい方向に進むための社会人必須スキルと考えても良いと思います。
まとめ
今回はマーケティングについて学べる「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を紹介してきました。
マーケティングとは何なのか、どういった考え方なのかについて学ぶことができました。
僕としては技術志向な開発ではダメで顧客の欲しいものを作れ!という話が一番刺さりました。
僕自身、作りたい物を作る派だったので、特に響いたのかもしれません。
USJの裏話も満載なのでぜひUSJ好きの方や就職先や転職先に迷っている方は参考にしてみてください。
筆者のキャリアへの考え方も載っているのでかなり参考になると思います。
またマーケティングをこれから学びたい方は特におすすめします。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読んで実践していけば一流のマーケターになっていくことでしょう。
では、一人でもより良いマーケターが増え日本が豊かになっていくことを祈っています。
裏技:無料で読む方法
今回紹介した本はオーディオブックを使って無料で聞けます(読めます)
「ながら」でも本が読めて、本が苦手な方でも聞くだけなので大丈夫です!
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