一流の投資家であるウォーレン・バフェット氏がどのような投資をしているかご存知ですか?
倹約家であったり、マックのハンバーガーが好きであったり、読書家で有名なバフェット氏ですが、投資方法をちゃんと知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回紹介するメアリー・バフェット氏、デビッド・クラーク氏の「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」ではそんなバフェット氏の細かい銘柄選択の方法について書かれていました。
この記事では、バフェット氏の投資に対する姿勢と銘柄選択術を簡単に真似できるステップにまとめました。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
訳者あとがき含めず、224ページ、全229ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
主に基礎と応用の二つに分かれた構成でした。
基礎ではウォーレンバフェット氏の考え方、投資銘柄の選択の際に意識していることが書かれており、応用では実際に購入するまでに調べるべき内容が数式とともに書かれていました。
エクセルなどを使って自分で計算する問題も用意されていて、ワークブックとして手を動かしながら読むことで確実に成長できる一冊になっています。
ウォーレンバフェットの考え方 3選
まずはウォーレンバフェット氏の考え方を三つ紹介します。
消費者独占型企業を選ぶ
ウォーレンバフェット氏は消費者独占型企業を選びます。
消費者独占型企業とは、ブランド価値の高い企業、取り扱う商品があたかも独占企業のように強い市場支配力を持つ企業です。
例えば、Appleやコカ・コーラ、Amazonなどがあります。
考え方としては、製品やサービスを思い浮かべたときに、それと言ったらあの企業だよねという形になる企業です。
スマホ、タブレットといえばAppleだよね。
コーラといえば、コカ・コーラだよね。
ネット通販といえば、Amazonだよね。
という感じになります。
ウォーレンバフェット氏はこの消費者独占型企業を好んでいて、実際に値上げをしやすい企業でありコスト争いに巻き込まれない点を高く評価しています。
利益は安定しているか
利益の安定性もウォーレンバフェット氏の選択時の目安です。
利益を計る上で重要なROE(株主資本利益率)、EPS(1株あたりの利益)をしっかりと吟味して今後の成長まで予想してから購入します。
10年間という長い期間で持ち続けられる株のみウォーレンバフェット氏は購入するのです。
悪い情報の時ほど買い時
市場では悪い情報が流れると、株を売ってしまう選択をする人が多いですが、ウォーレンバフェット氏はむしろ逆です。
某お寿司屋さんで起こった迷惑客のニュースがあれば、むしろ買い時!と感じるのがウォーレンバフェット氏になります。
もちろん衝動的に買うことはなく、しっかりと悪いニュースから戻って来れることを確認した上で購入します。
株価が急に下がった時は、売り時ではなくむしろ買い時であるというのがウォーレンバフェット氏の考え方なのです。
ウォーレンバフェットの銘柄選択ステップ
実際にウォーレンバフェット氏の銘柄選択のステップをご紹介します。
この記事では、一部内容を簡単にまとめていますので、詳細を知りたい場合はぜひ「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」をお手に取ってみてください。
企業の独占力を調べる
まずは企業の独占力を調べます。
気になる企業があったら、その企業がどのくらいの独占力を持っているのか考えるのです。
目安としては、自分の使っているものであれば、この製品といえばあの企業だよね。となる企業を探します。
自分ではよくわからないもの、僕の場合だったらキャンプ道具だったりに興味があれば、その分野に詳しい友達なんかに聞いてみるのもいいです。
「あの企業って〇〇分野ではどんな感じ?」
これをすることで、企業の独占力がわかり、値上がりもできる強い会社になれるかをみることができます。
事業内容を把握する
独占力があればいいだけでなく、しっかりと事業内容が把握できるものか確認します。
事業がよくわからないものは、今後発展するか衰退するかもいまいちわかりません。
だからこそ、しっかりとどういう事業を行なっているのか。
製品を作っているのか、サービスを提供しているのか。
市場の中でどういったポジションをとっているのか。
このあたりを明確に答えられるようにしない状態で、ウォーレンバフェット氏は決して投資しません。
今後の成長率を調べ、予想する
今後の成長率について、単に事業内容から判断するだけでは妄想で終わってしまいます。
なので、しっかりとデータを使って予想を行っていきます。
過去10年間のEPS(1株あたりの利益)を調べ、平均成長率を計算します。
そこから順調に利益を伸ばせているのかを確認するのです。
また同時にROE(資本利益率)についても調べます。
安定したROEを10年間で出せているのかを確認することで、今後の安定性も予想することができるのです。
データはあくまで過去のものになってくるので、100%とは言えませんが確実性は高まります。
リターンは債権より上か確認する
最後にリターンが債券よりも上かどうかを確認します。
債券は投資の中でも安全性が非常に高い投資です。
アメリカの債権のリターンはおおよそ3%~5%ほどになっています。
このリターンを超えられない株であれば、その株は買わないのです。
株はリスクを取る分リターンが見合わないものは、買ってはいけません。
ここまで調べたのに、、と悔しい気持ちもわかりますが、ウォーレンバフェット氏は長期目線で腰を据えて投資を行ってきたからこそ億万長者になれたのです。
この質問位答えてから買うべし!
最後に株の購入する際に意識するべき質問についてまとめます。
購入する株が決まったら、最後の確認として以下の13個の質問に答えられるか試してみてください。
一つでも答えられなければ調べは甘く、質問の答えがNoであれば株の購入はもっと慎重になったほうがいいかもしれません。
・その企業は消費者独占力を持っているか
・その企業の事業内容を理解しているか
・その企業の製品・サービスは20年ごも陳腐化していないか
・その企業はコングロマリットか(コングロマリット=異業種複合企業)
コングロマリットであれば、その事業を全て把握できているか
・その企業の1株あたり利益(EPS)は安定成長しているか
・その企業は安定的に高い株主資本利益率(ROE)をあげているか
・その企業は強固な財務基盤を有しているか
・その企業は自社株買い戻しに積極的か
・その企業の製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか
・その企業の株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか
・株式の利回りと利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較したか
・株式を疑似債権と考え、期待収益率を計算したか
・過去のEPS成長率をもとに計算する手法で、期待収益率を計算したか
以上の13個の質問、ぜひ購入時に考えてみてください。
内容によってはどういうこと?となる部分もあるかと思います。
その際はぜひ、「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」を読んで計算式の確認や、意識するべき理由について押さえてください。
まとめ
今回は、メアリー・バフェット氏、デビッド・クラーク氏の「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」について紹介してきました。
実践する問題まで入っている、高校の教科書にしてほしいレベルの一冊でした。
投資の本としてここまで参考になるのはないんじゃないかと思える一冊です。
計算式も書かれていて、データから分析できるようになるので、説得力があります。
今後投資を進める上でぜひ参考にしたいです。
ただ、一点、この本に書かれた内容を実践すると非常に時間がかかってしまいます。
調べたり、計算したり、その結果買ってはいけない株だったと判明したりするからです。
時間をかけてじっくり考えなければいけない投資手法ですが、勉強になり、きっとこれが正解なのだろうと思わせてくれる一冊でした。
ぜひ、皆さんも「億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術」を読んで第2、第3のウォーレンバフェットになってください。
では、皆さんの投資がうまくいくことを祈っています。