会社を維持し続けるためには何が必要か答えられますか?
難しいこの質問。
今回紹介するジム・コリンズ氏、ジョリー・ポラス氏の「ビジョナリーカンパニー」はそんな難しい質問に一つの答えを示してくれます。
何か一つをやればいいではない、根本的な良い企業を作る方法が書かれた一冊。
この記事では、そんな「ビジョナリーカンパニー」の内容を簡単にまとめて紹介します。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
付録を含めず390ページ、全469ページでした。
読むのにかかった時間
大体5時間ほどかかりました。
構成
ビジョナリーカンパニーの定義から始まり、時を告げるのではなく時計を作る大切さと会社づくりの例え。
ビジョナリーカンパニーの特徴とそれを実現するための方法が紹介される構成でした。
付録は、調査方法や比較対象企業のルーツ、調査データの表、参考文献です。
おすすめ度
ジム・コリンズ氏、ジョリー・ポラス氏の「ビジョナリーカンパニー」のおすすめ度は、5点満点中5点です。
一人でも多くの方に読んでほしい一冊。
起業家、経営者を目指す人はもちろん、会社で働くという可能性を持っている方には確実に読んでおくことをお勧めするくらい良い内容でした。
力を持っている会社、長く続いている会社であるビジョナリーカンパニーの秘密が赤裸々にわかる内容だと思います。
何が大切で、そのために何が必要なのか。じっくり考える基礎になるはずです。
経営者以外も、この本を読むことで次のビジョナリーカンパニーを見つけられる力を養えると思います。
ビジョナリーカンパニーの凄さがわかり、こういう会社がいいな。だったりこういう会社は自分には合わなそうだな。なんていう吟味にも使える視点が書かれていて良かったです。
ビジョナリーカンパニーとは
まずビジョナリーカンパニーとは何かという定義から。
ビジョナリーカンパニーは一言で言うと、長く成功し続けている業界の中でも一流企業のことです。
3Mやアメリカン・エキスプレス、IBM、ソニー、ウォルト・ディズニーなどがビジョナリーカンパニーの例として紹介されていました。
そういった一握りの業界の中でも金メダリストと言えるような企業はどうやって作られているのかを見ていくのがこの「ビジョナリーカンパニー」です。
時計を作るのが大事
時を告げるよりも時計を作るのが大事。というのが会社にも当てはまります。
時間が知りたい。という人々の要望に時を告げる人はニーズに応えることができます。
しかし、その人が亡くなってしまったらどうでしょうか。
途端に人々は時間がわからなくなってしまいます。
対して、時計を作った場合。
時計を作った人が亡くなったとしても、その時計は治すことによって半永久的に時を教えてくれるのです。
まさにこれこそがビジョナリーカンパニー。
長く続く会社を作るためにはすごい事業ではなくすごい企業を作る必要があるということ。
どんな画期的なアイデアや商品、事業もいつかは時代遅れになってしまう時がきます。
その時にどう次の事業を生み出すのかが重要になるのです。
そのため、すごいアイデアが出せるカリスマ性のある経営者ではなく、すごい会社を作れる経営こそに価値があるというのがビジョナリーカンパニーの考え方。
常に新しいアイデアが生み出され続けるロジックを作ったり、制度を作ったり。
自分がいなくなっても半永久的に存続できる企業を作ることこそが経営者が目指すべき最終地点というのがビジョナリーカンパニーです。
一番大事なのは基本理念
ビジョナリーカンパニーを作る上で一番重要なのが、基本理念です。
どういう会社にする方針なのかという会社の根幹になる部分。
時代がどう変わっても、これだけは会社の方針として決して変えないというものを決めるのが重要です。
例えば、アメリカンエクスプレスでは、英雄的な顧客サービスを提供する。自主性の発揮をす奨励する。
ソニーでは、技術を進歩させ、応用し、革新を起こして、国民の生活に生かすことに真の喜びを感じる。
ウォルトディズニーでは、皮肉な考え方は許されない。想像力、夢、創造力を活かして絶えず進歩する。
というのがビジョナリーカンパニーたちの基本理念です。
こういった基本理念がしっかり掲げられていることがまず第一歩であり、一番重要なことになってきます。
まずはこの基本理念を固めるところから始めましょう。
どういう会社にしたいのか。
会社がどうなってほしいのか。
100年後も変わらない会社の方針をまずは決めるのがビジョナリーカンパニーの第一歩です。
決める際は、これからの時代その基本理念が危うくなる事態が発生しても変わることがないかという視点で見るとより良いものが出来やすいとのことでした。
全ては理念を踏襲するための行動
基本理念が決まったら、ここからはそれに則した行動を徹底します。
技術を進歩させ応用する。というのが基本理念ならそれに合わせた環境づくりや制度づくりをしていくのです。
基本理念を周知したり、教育に力を入れたり、働く場所すらもこだわっていきます。
全ては基本理念を会社に浸透させるため。
従業員一人残らず基本理念に染まるようにしていくのです。
もちろん、その過程で基本理念に合わない人たちも出てきます。
それはそれとして、とにかく基本理念に染めていくというのがビジョナリーカンパニーです。
ある意味でカルトに近い文化が生まれるくらい、しっかりと踏襲された行動を目指します。
細かいテクニックも「ビジョナリーカンパニー」の中では紹介されていたので、より細かい部分を知りたい方はぜひ本書を読んでみてください。
まとめ
今回は、ジム・コリンズ氏、ジョリー・ポラス氏の「ビジョナリーカンパニー」を紹介してきました。
基本理念をとにかく立てて、守り続けるのが大事です。
全ては基本理念を守る。守らせる環境、整備づくりこそがビジョナリーカンパニーの経営。
働く場合、そんな会社が良い悪いは別れてきそうですが、一つの指標にはなると思います。
長く成功し続ける会社を作る時には確実に役に立ちます。
ぜひ、気になる方はお手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈ってます。