働かなくてもいい状況とはどういう状況でしょうか?
いわゆるFIREとは、不労所得>支出という状況のことです。
ですが、実はこれだけだと満点ではありません。
今回紹介するクリスティー・シェン氏&ブライス・リャン氏の「FIRE 最強のリタイア術」ではFIREに不可欠なものと、安心できるお金について書かれていました。
この記事では、クリステー氏とブライス氏のFIREに至った方法とFIREに必要な要素、僕たちがすぐに真似できることについて紹介します。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
謝辞含めず298ページ、全301ページでした。
読むのにかかった時間
だいたい3時間半ほどで読み切ることができました。
構成
全18章に分かれた内容で、著者がどのようにFIREを達成したのか、幼少期からのエピソードを混ぜて紹介されている構成になっていました。
FIREのためにはどのようなマインドが必要か、どのような考え方を持つ必要があるのかが書かれていました。
注意が必要なのは、著者が基本カナダ在住だったということです。
なので基本カナダドル表記であったり、考え方も日本にぴったり当てはまるわけではない点は頭に入れておく必要がある内容でした。
FIREとは
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略称で経済的自立、早期リタイアのことを指します。
仕事を早い段階で辞めてしまい、不労所得で生きていくというのが基本的な意味合いになります。
「FIRE 最強のリタイア術」では、資産から4%を切り崩す生活手法が紹介されており、毎年の支出に25をかけた数字の資産があれば安泰になる計算です。
例えば、1年間の支出が200万円の家計であれば大体5,000万円あれば4%パーセントルールを適用させてFIRE達成となります。
ですが、これだけだと95%の確率で成功しますが、5%の確率で途中で資産が底をついてしまうのです。
「FIRE 最強のリタイア術」ではそんな場合に備えて現金クッションという考え方で、FIREの成功確率を上げた方法が載っていました。
著者のFIREに至った方法
著者がFIREに至るまでに行ったことをざっくり解説します。
まず著者は元々はとても貧乏な生活をしていました。
なので、資産のある家庭では決してなく、むしろ想像を絶するような生活を送っていました。
そんな中頑張って大学でエンジニアの勉強をし、就職した先でエンジニアとして生活していました。
パートナーとの生活で、世帯収入は手取りで大体10万ドル(大体1,100万円ほど)でした。
そこから、投資にポートフォリオを組み替えることで最終的に100万ドル(大体1億2,000万円ほど)を貯蓄し切ってFIRE達成となりました。
事業で何かを当てたとか、特別な投資を行った例ではなく、いわゆる「オプティマイザー」という方法でFIREを達成した例になります。
正直世帯年収自体結構すごい額なので、著者が就職してから11年ほどでFIRE達成したのは誰でもできる例ではないかもしれません。
とはいえ、書かれている内容は誰にでもできる再現性の高いものなので、収入以外の部分特に投資に関しては非常に参考になる考え方となっています。
安心するための現金クッションという考え方
単純にFIREを達成するために現金を全て投資に回すという手法を「FIRE 最強のリタイア術」では勧めていません。
むしろ、現金クッションとして不景気のために安全資産も持っておくべきという考え方になります。
不景気は必ず訪れますが、必ず復活します。
その考えのもとどれだけの不景気の年数を凌ぐことができるのか、というのが現金クッションの考え方になります。
統計的に不景気というのは長くても5年ほどで終わりを迎えます。
ですので5年の間不景気を乗り越えられる現金を持っていれば、最悪不景気真っ只中でFIREして不労所得生活が始まっても問題ないのです。
著者はかなりの心配性の方のようで、この現金クッションによってようやくFIREの決心がついたとのことでした。
現金クッションの考え方がないと、せっかくお金が溜まってももう一年働いた方がより安心してFIREできるのではないかという想いになり結局定年まで勤めてしまうそうです。
現金クッションの具体的な計算方法については是非とも、本書を読んでみてください。
とにかく手数料は払わないが吉
FIREを達成に向けて投資のアドバイスのほかに、いかに手数料を払わないかが「FIRE 最強のリタイア術」では書かれていました。
銀行に払う手数料は銀行強盗の一種でもあるとすら言い切っていました。
例えば、インデックスファンドなどの安定したリターンを生み出す投資に関してでも手数料の差が雪だるま式に変わってきます。
同じ4%で膨れ上がる例でも、手数料Aが0.01%、手数料Bが0.1%の場合、20年後の取り分はAは「18,318,137円」Bは「18,134,076円」になります。その差20万円ほど。
小さな手数料の違いでも、後々大きな差になってくるのです。
これは複利の力の例で投資を考える上で非常に重要な考え方になります。
とりあえずはとにかく手数料は払わない、金利はとにかく下げる、借金の金利も最小限に抑えるというのが「FIRE 最強のリタイア術」が推奨している一つの道です。
僕たちがFIREに向けてやるべきこと
では「FIRE 最強のリタイア術」を読んで具体的に僕たちがやるべきことを最後にまとめていきます。
まずは自分の支出を把握して、一年でどれくらい使うのかを算出しましょう。
僕の場合ですと一人暮らしで1月大体20万円もあれば豊かに暮らすことができます。
年換算だと約240万円。
これがわかったら次にかける25をします。
240万円×25で6,000万円という数字が出てきました
僕がFIREを達成するためには6,000万円が必要ということです。
これが目標となり、これを達成し生活水準を変えなければFIRE達成になります。
もちろん現金クッションなどを考えると7,000万円ほどは必要になりますが、一つの目安になることは確かです。
自分がFIRE達成に必要な金額がわかったら、あとは投資を勉強する。元値を増やせるように収入を増やしていくことに注力します。
まずはゴールを見極める。僕は「FIRE 最強のリタイア術」を読んでまずは具体的な数字に起こしてみることが非常に重要だと感じました。
「FIRE 最強のリタイア術」では色々なパターンや可能性を全て数値で表していたので非常に好感が持てました。
再現性を高めるためにここまで数字にこだわれる著者はすごいです。
皆さんもぜひ、まずは自分の支出を把握して、いくらあればFIRE達成できそうなのか見積もってみてください。
結婚や出産で生活は変わりますが、大体の目安になることは確かです。
まとめ
今回は、クリスティー・シェン氏&ブライス・リャン氏の「FIRE 最強のリタイア術」について紹介してきました。
FIREの達成のためにどのくらいの金額が必要なのかが非常に明瞭になる良書でした。
またFIREの不安解消の一つになる本だと思いました。
ぜひ、FIREを目標にしている方は一読することをおすすめします。
日本版FIREの金額を出したいという方はこちらの本もおすすめです。
「普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門」
日本人著者による日本でFIREするための年金を含めた具体的な金額までわかる内容になっています。
では、皆さんのFIREが1日も早く達成することを祈っています。
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