フェイク画像を知っていますか?
AIを使った技術で、嘘の画像を作り出します。
有名人が不祥事を起こしている姿を作り出したり、爆弾がないのにあるように見せる画像など。
使われ方、悪用のされ方も様々あります。
人間の目も平気で乗り越えてくるフェイク画像の技術は、すごい面もありますが悪用され人々を困らせる側面もあるのです。
今回紹介する技術はGoogleから発表された「About this image」という機能で、フェイク画像を見破る技術になります。
この記事では、「About this image」について簡単な仕組みから、どういうことができるのか、いつ頃日本上陸しそうなのか考察していきます。
では、いってみましょう!
フェイク画像とは
フェイク画像はディープフェイクとも呼ばれます。
ディープラーニング(深層学習)を活用して画像や動画を部分的に交換させる技術を使っており、主に偽物の動画・画像を示す言葉です。
動画に登場する人物の顔や表情、声などを別人のものと差し替え、動画内で本人が実際には行っていない動作をさせたり、行っていないことを言わせたりできます。
AIの力を使っているため、昨今では非常に良くできたディープフェイク・フェイク画像が出回って社会に混乱を招いていることが問題視されているのです。
フェイク画像の作り方(仕組み)
フェイク画像の作り方を簡単に仕組みベースで説明します。
まず二つの画像を用意します。
フェイク元となる画像Aとフェイク元に挿入したい画像B。
具体的に挙げるとするなら画像Aは問題行動をしている誰かの画像(こんな感じ)
画像Bは有名人とか、社会的地位のある人物の画像(こんな感じ)
これをディープラーニングを使って、限りなく自然な形で合成させます。
ディープラーニングの中では、GANと呼ばれる技術を使っています。
GANは二つの脳が動くイメージで、実現されている技術です。
1つが警察、もう1つが贋作者として動き、贋作者が画像Aと画像Bを自然に合成させて警察に提出する。
警察は贋作であるか否かを見極める。
贋作だとわかれば、そのような判定をする。贋作者はその回答を聞いた上でまた自然に合成された画像を生成して警察に提出する。
この繰り返しによって、贋作者が作る画像はどんどん自然になっていき、最終的には警察の目をごまかせるほどの贋作画像が生まれるのです。
この結果がフェイク画像となります。
人間でも見破るのが難しくなってきているフェイク画像を見破るツールとしてGoogleが「About this image」を発表しました。
次からはその「About this image」について紹介していきます。
About this imageの基本情報
実装時期
2023年後半にはデスクトップおよびモバイル版のChromeから使えるようになる予定。
機能
画像にラベリングをするのが基本機能であり、その付随効果としてフェイク画像を見破ることができます。
例えば、画像Aなんかを入れるとサンタ、クリスマスみたいなラベルが出現し、フェイク画像はそのラベルの中で「AI生成」というラベルが示されるのです。
ラベリング機能としても利用できるとともに、フェイク画像を見破れるツールが「About this image」になります。
About this imageの仕組み
「About this image」は特に仕組みなどを公開していないので、あくまで僕の推測にはなりますが、フェイク画像を見破るのにもAIが使われていることはほぼ間違いないです。
先ほどの説明で出てきたGANの警察側をさらに進化させた感じですね。
AIが生成する画像と普通の画像を数多く学習させることによって、分類方法が生まれます。
ちなみにどのような分類を行なっているのかは、人間にはわからずAIが学習した基準でどのように分類しているかが決まります。
その分類方法によって、AI画像独自の特徴を画像から発見することができたらい「AI生成」というラベリングを行うのでしょう。
画像を数多く手に入れているGoogleだからこそできるAIといえますね。
フェイク画像の今後
フェイク画像の今後はどうなっていくのか?
僕はどんどんフェイク画像が生まれ続け、その後でフェイク画像解析ツールやサービスも増えていくと予想します。
よくできたフェイク画像は世間を騒がせる効果があります。
確かに悪い思想や誤報を送ることができる機能ではあるものの、この爆発力は正直すごいです。
これを利用する人は今後も増え続け、国単位でやることももっと増えると思います。
それに対して画像解析ツール、サービスもなんとか後を追うけど、結局フェイクかどうかわからない画像が出回ることもある。となりそうです。
悪い人はとにかく悪いことをどんどんやって、どんどん改善していきます。
このスピードに正攻法だと追いつけないと思うんです。
フェイクか見破る側は、単純にフェイクだと見破ればいいだけではなく本物は本物と分類しないといけません。
正直ここがきついと思います。
本物を本物というためにどのような分類をすればいいのか、フェイク画像が進化している中でそこが難しいと思うのです。
とはいえ、技術者たちもどんどん進化しているのでいつかはTwitterやInstagramでは、フェイク画像が投稿されそうになった時点で画像投稿できなくなるなんて機能がつくでしょう。
「SNSなどのサービス自体にフェイク画像が投稿できなくなる」これが実現することが理想だとは思いますが、その未来はまだまだ先になりそうです。
SNS側としても、フェイクだろうとなんだろうとSNSが盛り上がるのは嬉しいことでしょうから。
きっと何かフェイク画像によって大きなテロや事件に繋がらない限り、SNSはこれからもフェイク画像が出回っていくことでしょう。
そのため、自分自身でフェイク画像の可能性を常に念頭に置いて、今後出てくる「About this image」なども駆使しながら本物の情報を手に入れていくのが良いです。
間違った情報は人と傷つけます。気をつけたいですね。
まとめ
今回は「About this image」について紹介しつつ、フェイク画像について紹介してきました。
技術の進歩は素晴らしく、生活がより良くなることもありますが、逆に悪用されれば恐ろしいです。
だからこそ、身を守る方法も一緒に覚えておくことが重要だと思います。
情報リテラシーをあげて、今後も間違った情報に流されないように努力していく必要があるでしょう。
では、皆さんの情報リテラシーが爆上がりすることを祈っています。
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