ファラオの時代と聞くだけでワクワクするのは僕だけではないはず。
今回紹介するのは白川尚史さんの「ファラオの密室」です。
ファラオが活躍していた時代のエジプトで起こった奇妙な事件。歴史とミステリーが織りなすハーモニーに酔うこと間違いなし。
この記事では、そんな「ファラオの密室」を一部ネタバレありで紹介します。
では、いってみましょう!

あらすじ

紀元前14世紀、古代エジプト。
死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるために冥界へ行く審判を受けることができない。
欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は三日。
なぜ心臓が欠けたのか。自分の死の真相に迫る。
セティは死の真相を探るうち、密室状態のピラミッドから先王のミイラが消失する大事件に直面する。
タイムリミットがある中、セティはミイラ消失の事件の謎を解き明かすことができるのか。
欠けた心臓を取り戻し、自分の死の真相を暴くことができるのか。
本の概要

ページ数
解説含めず332ページ、全347ページでした。
読むのにかかった時間
大体4時間ほどで読み切ることができました。
構成
セティを主人公とし三人称で描かれる構成でした。
文体は現代的で、固有名詞も見事にわかりやすく表現されているので、ピラミッドが何かということがわかるレベルであれば楽しめるないようになっています。
おすすめ度

白川尚史さんの「ファラオの密室」のおすすめ度は5点満点中3点です。
面白くておすすめしたいけど、手放しでおすすめってほどでもないという難しい評価。
まず第一に、エジプトが舞台ということで、初代遊戯王世代の僕としてはドンピシャにハマりました。
ファラオやオシリス、神、ピラミッド。これだけ聞くだけでもうワクワクが止まらない。
しかも主人公は初っ端から死んでいる。自分の死の真相を探るなんて設定だけでご飯が5杯は食べられます。
また、文体も非常によく無駄にカタカナが多いというのがなく、現代の言葉でエジプトの様子を書いてくれるのでとにかくイメージがしやすい。
ストーリーもしっかり謎が謎を呼びつつ、引き込まれる要素がありました。
では、なぜ満点評価ではないのか。
それはミステリーとしてのクオリティや謎の提示がイマイチで、最後のオチも弱かったからです。
謎が謎を呼ぶ感じは良かったのですが、その謎を解くことにどんな良さがあるのかという点や謎自体しょうもなかった。
僕としてはせっかくのエジプトなのだから、もっとエジプトらしさのある伏線を使ったトリックやオチが欲しかったです。
引っ張って引っ張った謎も、予想の範疇で驚きが少なかったのも残念ポイント。
僕としては設定も話の持っていき方も良かった分、がっかりしてしまいました。
ただ、エジプトという世界観とミステリーの雰囲気は非常に良いし、読みやすいので多くの人にはおすすめできるかなと思います。
ぜひ、気になった方はお手に取ってみてください。
要約・あらすじ(ネタバレあり)
ここからはネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はまとめの章まで飛ぶようにしてください。

では、ネタバレありの内容要約・あらすじをやっていきます。
セティは冥界で目を覚まします。自分の下半身は自分のものではなく、木。
最後の記憶はピラミッド内での崩落に巻き込まれたこと。おそらくその中で下半身が潰れ、ミイラにする際木に置き換えられたのだろうと考えます。
そう、自分は死んだことを悟りました。
そして、セティは審判を行う神・マアトの元にいきます。
そこで審判が行われるはずが、セティの心臓が欠けていることが判明し、3日以内に現世に戻り取り戻さなければ、永遠に現世に魂が囚われてしまうというのです。
セティは急いで、現世に戻り、自分の心臓の欠けを探す旅に入ります。
現世は既にセティが死んでから3ヶ月が経っている中、復活してきたセティに驚きながらも心臓が欠けた原因である崩落事故について調査に協力してくれます。
最後の最後で死んだ理由を思い出せないセティは、最後に一緒だったものたちに話を聞きます。すると自分に恨みを持っていた人物が容疑者としてあがってきました。
そのものが犯人だと思いきや、否定され、益々謎は深まっていく。誰が自分の胸にナイフを刺してその後、崩落の中に放置したのか。
そんな中、先王を追悼する儀式が失敗したとの事件が発生します。
密室の部屋からいなくなった先王のミイラが別のピラミッド内で見つかったというのです。
先王が怒っていると解釈した現在の王は、自分が信じる神以外は背信だと捉え、捕まえ殺しても構わないと言い出します。
神官たちは他の神を信じていた時期があったためにどんどん殺されていきます。セティも既に死人とはいえ命を狙われ始めます。
逃げながら真実を追っていく中で、奴隷のカリと出会います。カリはセティの親友であるタレクに命を救われた経験からセティに協力すると打診します。
カリと共に、追手から逃げている最中、追手によって閉じ込められてしまいます。セティのタイムリミットが迫る中、先王が部屋から脱出した方法を思いつくのです。
狭い窓からミイラであることを利用して、バラバラにした体を弓で放ち窓から出たとの推理。
このトリックを利用して、セティ自身もカリによって外に出してもらい、なんとか時間までに冥界に戻ってくることができました。
セティの心臓は、神官の一人であるメリラアによって隠されていたのです。
全ての元凶はメリラアでした。メリラアがセティの死を利用してエジプトを救おうとした計画だったのです。
セティ自身は自分が女であることを隠していた罪から逃れようと自殺してたというのが真実でした。
その自殺を利用して、先王と現在の王が信じている神を否定しようとしたのです。
最終的にセティが復活することで先王たちが信じる神を否定することができ、エジプトに平和が訪れるラストでした。
セティ自身も自分が女であることを恥ではなく、真っ直ぐに受け止められるようになり前に進むことができ、イアルに到達することができました。
まとめ

ここからはネタバレないので安心してください。
今回紹介したのは白川尚史さんの「ファラオの密室」でした。
エジプトという舞台を活かしたストーリー。おそらくあらすじだけでも面白いと思えるんじゃないでしょうか。
読んで後悔はしない作品です。
ぜひ、一度お手に取ってみてください。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。


