西澤保彦「彼女が死んだ夜」書評&ネタバレ感想

小説の書評

はいはい、ワンパターンね。は最後までわからない。

小説を読んでいると、大体パターンというのが見えてきます。

犯人がいて、明らかになって終わり。

っていうのが一つのパターンだったりします。

今回紹介する「彼女が死んだ夜」も謎解きのパターンが明らかになります。

しかし、それは最後までパターンを読み切れることとイコールではないんです。

最後の最後までわからない。とだけ言わせてください。

ここでは、あらすじから感想、ネタバレあり版の感想まで書いていきます。

ネタバレ部は章で区切っていますので、これから読むよという方も安心して読んでください。

では、行ってみましょう!

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あらすじ

門限六時!囚人のごとく親に厳しく管理される女子大生ハコちゃん。

留学を理由になんとかアメリカに行くことができることになった。

出発の前日。

親が家を空けていることをいいことに、同級生と壮行会で飲みに飲んだ。

酔っ払いながら歩きながら深夜に家に帰ると

そこには女の死体があった

夜遊びが親にバレたら、アメリカに行けなくなってしまうことを恐れたハコちゃんは、同級生で自分に気があるガンタを家に呼び、女の死体を遺棄するよう強要する

果たして、女の死体は何者なのか。

さらには別の同級生も失踪し大事件になる

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この小説のすごいところ

最後の最後まで結末がわからないところが何よりもすごかったです。

結論は割と早めに出るのにそれが最後に…

とあまり言ってしまうとネタバレになるのでここでは言えないのですが

多少無理矢理な部分も残していますが、小説、フィクションとしてとても楽しめる作品でした。

最後の最後まで読まなければだめというのは、映画「ザ・ミスト」を思い出します。

「ザ・ミスト」はある日霧に包まれて霧の中には怪物が潜んで人を殺していくという作品なのですが、絶望感からのありえない結末と

最後までわからないという感覚は、今回読んだ「彼女が死んだ夜」に共通している部分があるといえると思います。

一応シリーズなので他のも読みたくなった

今回読んだ「彼女が死んだ夜」は、一応シリーズものになっています。

ただ、通常のシリーズとは異なり、主人公が変わりながら進んでいくようです(今回出たキャラはそのままらしい)

ちなみにあとがきからの情報ですw

キャラがとても魅力的なので、続編で主人公キャラが変わるのはとても読んでみたいと思えるのです。

僕としてはボアン先輩が好きです。

こんな先輩がいたら面白い大学生活になっただろうなって思います。

続シリーズの順番としては、

「麦酒の家の冒険」

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「仔羊たちの聖夜」

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「スコッチ・ゲーム」

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「依存」

依存 (幻冬舎文庫 に 8-1)
大学の指導教授の家に招かれた千暁は教授の新しい若い妻を見て青ざめた。「あの人はぼくの実の母なんだ。ぼくには彼女に殺された双子の兄がいた」衝撃の告白で幕を開ける愛と欲望の犯罪劇。

「身代わり」

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「解体諸因」が一応時系列順となるようです。

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もちろんこの順番に関係なく読んでもシリーズそれぞれで楽しむことはできると思います。

あらすじで気になったものから行くのもアリかもしれませんね。

僕としては、順番に読みたい派なので、とりあえず、次は「麦酒の家の冒険」を読んでみようと思います。

一体誰が主人公なのか。

ボアン先輩で、喧嘩シーンみたいなのあったらいいなってちょっと期待なんかしています。

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微ネタバレあり感想

ここからは少し、ネタバレをしていく場合があるので注意してください。

なるだけ確信はつかないようにします。

正直最後のオチは多少無理くりなところがあるなぁというのが感想です。

もちろんすげぇともなるんですが、現実に起きたらどうかという観点から見ると、ありえないというのが答えになるかと思います。

多少身なりが変わったくらいで友達とかわからなくなるもんですかね?

頭殴って死なないってそんなこと何度も起こるんですかね?

というちょっと文句がつけられなくもないところが多いので

現実主義の読者には少しウケが悪いんだろうなぁ、賛否両論があるのはそういうところが原因なんだろうなぁと思いました。

一度読んでいただいて、賛否か自分の目で決めるっていのが一番のおすすめです。

ちなみに僕は多少無理があっても、あっと驚く展開、なんなら鳥肌が立つレベルの驚きがある方が好みなので、今回も結構好きな部類でした。

何よりキャラがいいってのが、一番ですが。

「彼女が死んだ夜」今回の主人公、匠千暁が心の中でボソボソ言う独り言も結構面白い毒つきになっていて癖になる感じでした。

基本一人称で語られるので、結構読みやすいと思います。

難しい情景表現や場所の表現とかはないので、ただ会話を楽しめば

どんどん先に進められる一冊だと思います。

まとめ

今回紹介した「彼女が死んだ夜」は、最後の最後まで読めないミステリーということで楽しめました

シリーズものなので、今年の目標はシリーズ制覇もいいかなって感じました。

西澤保彦さんの作品は「7回死んだ男」を最初に読みましたが、そちらも良かったので、この先のシリーズもおそらく全部一定以上面白いんだろうと思います。

何よりシリーズになると言うことはそれだけで、面白いから。という理由があると思うので期待大です。

「神のロジック 人間のマジック」も西澤保彦さんが書かれていて驚きました。

今回はその流れで、この匠千暁シリーズに出会えたので、

作者で読みたい本を探すのも面白いなと改めて思った今日この頃でした。

では、素敵な小説ライフを送ってください。

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