平均年収2,200万円!営業利益率55%!
その会社とは、キーエンスだ。
今回紹介する西岡杏さんの「キーエンス解剖」はそんなキーエンスについてどういう仕組みで高い給与を生み出しているのかを徹底的に解説しています。
この記事では「キーエンス解剖」に書かれていた内容を簡単にまとめました。
キーエンスがどんな企業理念で動いているのか知りたい方はぜひ覗いていってください。
では、いってみましょう!
本書の概要
ページ数
おわりにを含めず242ページ、全247ページでした。
読むのにかかった時間
大体3時間ほどで読みきれました。
構成
キーエンスがどのような働き方や仕組みがあるのかが書かれている構成でした。
キーエンスのOBなどの話を元に創業者などの想いがどのように込められた仕組みなのか、給料が高いのには裏付けされた理由があることがわかる内容です。
キーエンスに入りたいと思うなら絶対に読むべき一冊で、キーエンスに入らなくても今の仕事に不安や不満がある方の参考になる一冊だと感じました。
特に経営者は仕組み化、属人化解消のためにも読むべき内容だと思います。
粗利8割を目指すための付加価値
キーエンスの粗利は8割なんだそう。
原価が2,000円だったら、1万円で売るイメージ。
正直高いと思うが、実は8割分がキーエンスが生み出す付加価値なのです。
出荷が早い、ニーズに応えた製品である、使いやすい、営業の仕方が上手い、プレゼンの仕方が上手い、製品を売るだけでなく経営のアドバイスまでしてくれる。…など
キーエンスは単にセンサーなどの機械を売るだけでなく、そこに付加価値をつけることで利益を大幅に上げている会社なんです。
付加価値をつけるためにどのようなことをしているのか、ズバリ「キーエンス解剖」にはそんな内容が詳細に書かれていました。
この記事ではそんな付加価値を生み出すメカニズムについてまとめていきます。
徹底的な仕組み化
キーエンスの1番すごいところは徹底した仕組み化です。
仕組みかによって属人化の解消ができるのが魅力で、社長ですら居なくても問題のない状態を作ることを目標としています。
エース社員に頼るのではなく、アベレージヒッターを生み出すのを念頭に置いた教育や目標設定を行うことで、安定した高収益を叩き出すことができるのです。
例えば、キーエンスではアポイントは1日5件以上なければ行かない。1分単位で書き込む外報というのがあります。
5件以上行けないのであれば、そもそも外出すること自体が時間効率が悪いという考えからこういった仕組みがあるのです。
1分単位で書き込む営業時の外報では、営業時にお客さんの様子や自分の行動を全て報告しデータとしてまとめることで成績が良い社員のやり方を全員に発信できちゃいます。
監視とも言えそうな厳しい時間管理ややり方は全て、社員全員が安定した収益を生み出せる営業マンになるための分析の結果です。
さらに、1日のアポイントメント電話を逐一集計して社員間で見える化することで、より一層電話をかけたくなる負けず嫌いを焚き付ける仕組みもあります。
人間のモチベーションを仕組みで生み出すという良い例です。
細かいところまで仕組みを作る裏には監視というよりかは、人間の弱い部分を知った上で仕組みでカバーするという考えがあります。
仕組み化を徹底することで、全員が一定以上の成績を出せるようになっているからこそ高い収益及び給料が払われるというわけです。
結局KPIが重要
1日のアポイントメント電話の目標値があったり、キーエンスには様々なKPI(重要業績評価指数)が存在します。
適切な目標が設定されているからこそ、その目標を達成することに集中することで自然と会社が成長、高い収益を生み出すことができるのです。
自分自身でKPIを考える人も多くキーエンスには存在していて、「取引に関わった人数」「商談数」「初めてアプローチした会社の数」など2,000個に及ぶKPIを設定して自分の営業を客観的に評価できるようにしてもいます。
何がダメで成績が悪いのかを判断する材料になるので、目標に確実に近づくためにKPIがとても重要なのがわかります。
KPIを吟味して数を減らすことは管理をする上で重要ではあるものの、とりあえずはとにかく数多くのKPIを挙げてから、絞っていくのが良さそうです。
キーエンスでは、営業の外報を集めることで本当に重要なKPIというのが見えているので、営業成績を安定的に出せるというわけですね。
電話をかけた回数が、営業成績に相関していると分かれば電話をかけた回数をKPIにする感じです。
KPIを適切に設定するのが会社を成功させる上で非常に重要だとわかります。
裏のニーズを捉える
最後に紹介するキーエンスのすごいところは、裏のニーズを満たすという点です。
特に印象的だったエピソードが、蛍光顕微鏡の話。
細胞に特殊な試薬を塗布したときに発行する微量な光を観察する装置。
そこにキーエンスは後発という形で参入してきたのです。
従来の蛍光顕微鏡は暗室で使うのが常識でしたが、キーエンスは明るい場所で作業した方が効率が良いという考え実際に明るい場所で使える装置を開発して導入させました。
顕微鏡の精度や使いやすさよりも、使い方までフォーカスした視点があるからこそキーエンスはこのような一見しただけではわからない裏のニーズに応えられるのです。
お客さんの欲しいが出る前に、先回りして欲しいと思っていたけど言葉になかったものを作り出すことで付加価値を生み出しています。
裏にニーズを見るためにも徹底したお客さんからのヒアリングと分析が重要です。
キーエンスでは常に顧客からのニーズを拾う仕組みができており、年に数回10個以上のニーズがあったものから新製品を作るための打ち合わせが行われるそう。
常にニーズを捉えようとするからこそ、裏に隠れたお客さんすら気づいていない裏のニーズに応えることができるんです。
まとめ
今回は、西岡杏さんの「キーエンス解剖」を紹介してきました。
この記事で紹介したキーエンスの話は、キーエンスの実態のほんの一部ですので気になった方はぜひとも本書をお手に取ってみてください。
キーエンスの凄さと高い給料のわけがわかります。
僕にはちょっと無理そうというのもよくわかりました笑
裏のニーズに応えるだったり、KPI、仕組み化の徹底は全社会人に必要なことなので非常に参考になると思いました。
では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。
コメント