5分でわかる三木言葉「事業を創るとはどういうことか」書評&内容要約

ビジネス本の書評

新規事業を任せれたけど、何からやればいいのかわからない。

起業家として花を咲かせたいけど、何をすればいいのかわからない。

今回はそんな悩みを解決する一冊、三木言葉さんの「事業を創るとはどういうことか」について紹介します。

事業を一から作っていく上で、どういった障害があるのかどういった行動で事業成功に繋げていくのか書かれた内容でした。

新しい事業に携わることのワクワク感とともに、ストーリー調に書かれた内容は読みやすく心に響く内容です。

この記事ではそんな「事業を創るとはどういうことか」の内容を要約しながら紹介していきます。

では、いってみましょう!

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ページ数

おわりにを含めず254ページ、全261ページでした。

読むのにかかった時間

だいたい3時間ほどで読み切ることができました。

構成

ホワイトグローブ社という架空の会社の新規事業立ち上げストーリーが小説のように書かれる構成で、章ごとに分けられていました。

ストーリーと捕捉事項という書かれ方で、どのような形で新規事業を進めていけばいいのかがわかる内容になっていました。

若干ストーリーが単純かつ会話が少なく、起承転結としても面白くない部分があるので小説が好きな方は面白くないかもしれません。

あくまで参考になる例を見ながら新規事業に何が必要で、どういった障害が一般的に考えられるのかという観点で進める形です。

事業開発で一番重要なのが「温度感」です。

論理的に事業開発を進めようという一冊ながら、この「温度感」という概念を大事にしていました。

「温度感」とは熱のことで、人々の思い入れや熱い心を表しています。

まずは事業開発をする側が、どういった思いで製品やサービスを作るのか。そこに熱はこもっているのか。

開発者の熱がちゃんと消費者に届くようなビジネスモデルになっているのか。

ビジネスモデルに関わる関係者たちにも開発者と同等の熱意を持ってい挑んでもらえているか。

消費者にそもそもその製品やサービスに対しての興味という火種はあるのか。

これらの観点が非常に重要ということになります。

熱を持っていることで、熱を伝えられる。熱=収益となっていくという考え方です。

もちろんいくら熱い思いを持っていても、全く需要のない製品やサービスとなってしまうこともあります。

ですが、少なくとも事業開発者が熱を感じながら、社会に貢献することを意識したものでないとその事業の成功確率は下がってしまいます。

事業の温度感を見ながら、関係者が熱心じゃないならどういう理由かを分析してみたり。

消費者の本当に熱を持っている部分を見つけるように消費者分析をしてみたり。

熱を意識するだけで、観点が増えるので、ぜひとも事業開発では取り入れてみてほしいです。

事業開発の全体の流れを説明したのちに、それぞれの工程で使える便利なドキュメントについて紹介していきます。

開発全体の流れ

新規事業を創る際の全体の流れは下記です。

①将来ビジョン策定

②実現シナリオを作る(基本設計、基礎工事)

③事業を孵化させる

将来ビジョン策定は、新規事業のコンセプトやゴールを作る段階です。

シグナルと呼ばれる、ニュース、ファクト、社会的要因などから未来の兆候を抽出し

フォーキャストと呼ばれるシグナルから読み取れる未来の社会のあり方を予測します。

最後にアクションとして、予測される未来に向けて求められる施策・行動を考察する。という手順で将来ビジョンを策定します。

実現したい未来、実現するであろう未来、に自分たちがどのような形で関わっていけるのかを考えるものです。

続いて実現シナリオを作る部分。

こちらはビジネスの基本設計、基礎工事をする段階です。

事業の具体像を設計し、それに伴う人材やチームをどうするのか、他社との関わり合いなどを形にして設計していきます。

ここでは具体的にどのようなビジネスとして、関係者と関わっていくのか熱を伝えて、お金に変えていくのか考えるのです。

後述します「心と数字」という部分もこの段階のことを指していて、プロジェクトの成功や新規事業の承認をもらう際に重要なポイントとなってきます。

最後の事業を孵化させる。というのは事業を実際にやってみて大成功に導くという段階です。

孵化という表現は「事業を創るとはどういうことか」の独特な表現ですが、新規事業を一種の卵と考えたもの。

事業を孵化させて収益をいよいよあげていく段階です。

ここではクイックローンチ(早期立ち上げ)がキーになってきます。

いかにクイックローンチで試すかが重要なのかは後述していきます。

必要になるドキュメント

以上紹介してきたステップの中でそれぞれにおすすめとされるドキュメント・作成物についてここでは紹介します。

まず将来ビジョン策定では、「ビジネス構成図」の作成が推奨されます。

ビジネス構成図は、市場調査などで得た情報をまとめた資料で、どういった現状があり今後どうなりそうなのかを考察した資料を指しています。

続いて実現シナリオを作るでは「コンセプトシート」「温度感マップ」「ビジネスモデル図」「ステークホルダーマップ」「収支モデル」の5つを作ることを推奨しています。

「コンセプトシート」は事業の目的と狙い、重要なファクト、変化の必要性、理想的な成果、事業の主な課題、施策という観点で事業をとらえた資料です。

「温度感マップ」は、作り手、送り手、受け手の3種類の観点でどういった人が関わり合うのかを明確にします。

事業開発者を送り手として、どういった製品やサービスを作り手に作ってもらって消費者にどういった喜びを与えるのかを明確にする資料です。

「ビジネスモデル図」は「温度感マップ」をさらに具体化した資料。

実際にユーザーにサービスが届くまでの流れを矢印で書き、お金の流れも点線で結んでいきます。

ここではより具体的に会社名を出すことで、誰に何を支払ってサービスや製品を受け取るかまで明確にします。

「ステークホルダーマップ」では、自分の周りの人間関係を相関図で表現した資料です。

どの部分で事業提案がうまくいっていないのか、誰をうまく利用すれば事業の承認が得られるのかが見えてくる資料になります。

映画や漫画などの登場人物の総関係図に似た資料です。

最後に「収支モデル」

これは名前の通り収支がどれくらいあげられそうかを見極める資料です。

見通される売上から経費を引いたもので算出した結果をまとめます。

最初は赤字でも何年かした場合に黒字になるなど、具体的な数字があればあるほどわかりやすい資料となります。

最後のステップである事業を孵化させるというところでは、特に資料やドキュメントはありませんでした。

事業をやる上で欠かせないのが、人です。

人を動かすことができなければ、新規事業の承認も成功もありません。

人を動かす一つの手段が数字です。

売上がこれくらい伸びる、これくらい経費を削減できるという数字を出すことが一つの手となります。

心を動かすにはそれ以外にも自分の熱意を伝えること、現地や市場の生の声を集めていくことも良い手になります。

心と数字を持って挑むことで、人を動かすことができるのです。

相手がどこに不安な点を持っているのか、どうして批判してくるのか。

どうしても現状維持をしようと考えている相手にどう対応するべきかを、数字と心という二つの観点で挑もうという考え方です。

これによって新規事業の障害の一般的な例である現状維持マンたちを倒し仲間にすることができます。

新規事業を創る上で重要なのが、クイックローンチです。

クイックローンチとは早期の立ち上げという意味で、試作品を素早くリリースしてしまおうという考えになります。

いくら机上で想定したり、分析したところで実際に市場に出してみたら全然思っていた結果と異なる場合があったりするのです。

それをいかに早くキャッチアップできるかが重要になってきます。

また思った以上に反響がある場合だってあります。

市場に出すことでよりよくする意見が集まることもあるので、クイックローンチは良いごとづくめ。

改善点も良い点もこのまま進めていくべきかもわかるので、いかに早く市場に出せるかが重要になってくるのです。

今回は、三木言葉さんの「事業を創るとはどういうことか」を紹介してきました。

新規事業を創る上で、内部の派閥やら考え方の違いという障害や、どう他の企業を巻き込んでいくのかがよくわかる内容でした。

起業家よりもコンサルタントや会社内部で新規事業を立ち上げる人向けだと読んでいて思いました。

アイデアを形にする上での市場調査などはかなり参考になりました。

新規事業をやることになった方は読んでおいて損はありません。

この記事で紹介した内容がもっと具体的かつ、例も豊富に紹介されているので、ぜひお手に取ってみてください。

では、皆さんの読書ライフがより良いものになることを祈っています。

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