5分でわかるユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史 下」書評&内容要約

ビジネス本の書評

科学が発展することが果たして本当に幸福なことなのだろうか?

僕たち人類は想像力を手に入れることで、他の人類種とは異なる未来、現在に行き着いた。

果たしてそんな僕たちサピエンスは、農業を発展させたのち、どのように今の科学の世界を作ってきたのだろうか。

「サピエンス全史 下」ではそんな部分について紹介されています。

この記事では、科学が発展した歴史と科学によって変わった世界、未来に起こりうることについてまとめていきます。

では、行ってみましょう!

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本書の概要

ページ数

あとがき含めず263ページ、全293ページです。

読むのにかかった時間

文字はびっしりと書かれており、だいたい5時間半ほどで読み切ることができました。

構成

「サピエンス全史 上」の完全な続きという形で、人類の統一部の続きから、科学革命について書かれている構成になります。

主に宗教の話から科学の発展について書かれた内容でした。

また歴史だけでなく、最後の方は今後起こりうる未来予測についても紹介されていました。

上巻の復習

「サピエンス全史 下」の内容紹介の前に、簡単に上巻の復習をします。

上では、認知革命として、僕たちサピエンスが他の人類種とは異なる未来に至った理由について書かれていました。

認知革命は簡単にいうと虚構の世界を信じる能力です。

この虚構を信じる力の何が強いのかというと、従来の集団戦とは桁外れの人数で手を組める点になります。

従来の人類の戦い方は、集団戦でも多くて50人程度が限界でしたが、虚構を持つことで志を統一させることで1000人でも1万人でも同じ目的のもと戦いを行うことができるようになったのです。

数の力は圧倒的で、これによって多くの地域を制圧した人類が今の僕たちサピエンスになります。

認知革命の後は、農業革命が紹介され、狩猟民族だったサピエンスが農業によって爆発的に人口が増えた話、農業自体もかなり苦労を要したという話が紹介されていました。

もう少し詳しい話などは、別記事にて書評&要約していますので、読んでみてください。

科学革命で何が起こった?

科学革命では何が起こったのでしょうか?

最初は蒸気機関が発明されたのが大きいところです。

蒸気機関の発明により移動手段や工業製品の大量生産が圧倒的に効率が上がりました。

これによって、大量生産大量消費という時代がやってきて、さらなる発展の礎となったのです。

実はこの革命は、人間の探究心、好奇心による影響と政治、宗教が深く関わって生まれました。

科学の発明というのはどうしてもお金がかかります。

研究費や材料費、人件費などです。

これを出資するところがないと研究は発展のしようがありません。

ですが、発展があれば莫大なリターンが得られるであろうと世間がわかってくると株式といった、配当金目当てで出資してくれる人や、国の利益になりうる爆弾作成のために国がお金を出したりするのです。

政治や経済の影響で出資金が増え、科学が発展し、そのリターンによって国や出資者が潤う。だからまた新しい技術のために出資をしようという資本主義になっていきます。

資本主義もまた形のないものとして「サピエンス全史」では一つの宗教と言えると書かれていました。

宗教の一つと考えることで、他の宗教との絡み合いにも科学は大きく関わってくるのです。

例えば、天国という考え方、これは昔は空の上を想定していましたが、空を調べ尽くしていくと僕たちがみている景色の上には宇宙という空間が広がっているということがわかり、天国というのは空の上にはないということが科学的に証明されてしまいました。

では、天国はないのか?という話になるともしかしたら次元が異なる場所にあるのかもしれませんし、やはり天国はないのかもしれません。

このように一つの宗教の考え方を終わらせるきっかけにもなりうるのが、科学というものなのです。

そういった部分で、科学を否定する宗教もあります。

科学はそんな背景を持ちながら、出資者は増えていき、蒸気機関、電気、インターネットと進化していって今では僕たちの生活になくてはならない存在になっているものが多数存在しています。

さらに、僕たちの生活はかなり楽になっていることも事実です。

大阪に行きたいと思えば、新幹線でも飛行機でも、車でも行けちゃう。海外だって行けちゃう時代なんて200年前くらいにはあり得ない話でした。

ですが、一歩踏みとどまって、本当に僕たちの幸福度は上がっていると言えるのでしょうか?

科学は本当に幸福なことか?

科学の発展によって生活が楽になっている部分は確かにあります。

ですが、貧富の格差が広がっているのも事実であり、環境汚染と呼ばれる有害も増えています。

また、動物たちからすると人間の科学によって地球は衰退している、動物たちにとっては幸福とはかけ離れた環境になっていっていると考えることもできるのです。

僕たちだけの幸福でも、生活が楽になることで、国々の争いが減り戦争も少なくなってきています。

ですが、それでも自殺者というのは毎年数万人出ているのです。

果たして自殺者のいる生活が本当に幸福と言えるのでしょうか?

「サピエンス全史 下」には決して答えが書いてあるわけではありませんでした。

僕たちが楽をしている反面で、苦しんでいる動物や環境もあるというのを忘れては行けないと教えてくれました。

科学が発展することを唯一の正義にするのは、危うい考え方であり、一つの答えであるのも事実です。

ここは難しいところで、そもそも地球自身には意思なんてものはおそらく存在しません。

人類を活かそうとか、地球として豊かになりたいという意思は特にないはずです。

だからこそ人類は自由奔放にやっていいのか、それとも同じ地球に生きているものとして環境を大切にするのか、動植物に敬意を払う行動をするのかが分かれてきます。

これもまた宗教として科学が考えられる理由になります。

人類の発展を正とするのか否か、あなたはどっちの意見に賛成しますか?

誰でもない自分の考えを見つけるきっかけになる考え方だと感じました。

今後起こりうる未来

話は変わって、科学がこのまま発展していく未来について語っていきましょう。

科学は進化をし続けていて、生物の進化にも手をかけられるようになっているのです。

これまでの進化は、キリンの場合ですと、首の長いキリンが餌を手に入れることができるために首が長いキリンの遺伝子が残りやすくなり、今ではすっかりキリン=首の長い生き物というふうに進化しました。

ですが、最近の進化では人間がそこに意志を持って変えることができるようになってきているのです。

肥えた動きの遅い鶏が欲しいために、足の遅いオンドリと一番肥えたメンドリを交配させて、求めている鶏を手に入れてみたり。

ウサギの遺伝子にクラゲの遺伝子を組み込んで、蛍光性の緑色のウサギを生み出したり。

クローン技術で羊を作り出すなんてこともやってきています。

そんな発展の先には、人間の遺伝子操作もできるようになるはずです。

そうなってくると、記憶力の操作や運動神経、はたまた病気にならない人間なんてものも遺伝子操作によって生み出される可能性があります。

人間が癌などの全ての病に打ち勝つ未来だって見えてきて、不老不死となる可能性だってあるのです。

また、脳みそだけコンピューターに移して体なんてそもそもいらないという形もありえます。

そういう未来になった場合に、歴史学者視点では、人間ってそもそも何なのかという部分に行き着くのです。

さらにいうと人間として何を望んでいるのか?という部分に行き着きます。

どうしてそもそも生きていなければいけないのか、何を望んで生活しているのか、アイデンティティとは何なのかという哲学になっていくのです。

もしかしたら、あえて人間はそんな不老不死の世界にはしないのかもしれません。

そこまで生きたいと思える世界であり続ける保証なんてどこにもありませんから。

科学が発展しすぎた世界に何を望むのか、何ができるではなく何をしたいのかが大事だとわかる未来予想図が「サピエンス全史 下」の内容だと思いました。

まとめ

今回は、ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史 下」を紹介してきました。

上巻は人類の存亡で、下巻は人類の発展と位置づけられると感じました。

僕としては上巻の方が衝撃を受ける内容で面白かったかなという印象です。

下巻は科学が進化する様子が面白く、科学とは幸せとは、哲学とは、なんて考えさせられる部分が多いと思いました。

兎にも角にも、視野が広がるいい体験ができた2冊だと思いました。

かなり内容を端折っているので、気になる部分があったならぜひ一度お手に取ってみてください。

では、科学の発展が広がりつつも環境にも優しい世界になることを祈っています。

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