2022年9月4日、楽天モバイルで通信障害が確認されました。
KDDIでも起こった通信障害ですが、今回の楽天モバイルでも輻輳が原因と考えられています。
この記事ではそんな輻輳について、現役エンジニアがわかりやすく解説していきます。
輻輳について理解し、データ通信についての基礎についてもご理解いただければ嬉しいです。
最後には、通信障害時の対処方法や逃れるための術についてもご紹介します。
では、行ってみましょう。
楽天モバイル通信障害情報
2022年9月4日に楽天モバイルで通信障害が発生しました。
約130万回線が影響を受けたと発表がありました。
影響範囲は全国で9月4日午前10時58分ごろから同日午後1時26分ごろまで、通話とデータ通信が利用しづらい状態になっていました。
原因はネットワーク設備の再起動によってトラフィックが輻輳したことが考えられています。
今なお、通信が利用しづらい場合は、端末の再起動を試みると改善する可能性が高いとのことです。
(ニュース記事参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/22e692ff31c886909c95bc801b86e912006da794)
輻輳とは
輻輳とは、さまざまなものが1箇所に集中している状態を示す言葉で、ITや通信分野ではインターネット回線などがアクセス集中しすることを示しています。
輻輳によって、通信速度が低下したり、通信システム自体がダウンしてしまうという障害が発生します。
輻輳で通信障害が起こる仕組み
輻輳が通信障害につながる仕組みについてもう少し詳しく解説していきます。
輻輳は簡単に言ってしまうと、1箇所のサーバーにアクセスが集中してしまうことで起こってしまう通信障害になります。
通信というのは道路に例えられることが多く、その例えを使って考えます。
高速道路にて出口が一つしかなかった場合を想像してください。
出口が一つしかないので、その出口に車が集中して大渋滞ができるというのが想像つくかとも思います。
これこそが通信障害の原因である輻輳なのです。
車がデータというトラフィックで、出口がサーバーという感じです。
データ(車)はサーバー(出口)をくぐって手続きをしないと、他のスマホなどに通信することはできません。
なので、1つの出口にアクセスが集中してしまうと出口で待たされてしまい結果的に通信が遅くなったり、最悪の場合データ(車)自体が高速道路から離れてしまい、通信が途絶えてしまうことがあるのです。
出口か完全にパンクした場合をサーバーがダウンしたという表現をして、限定品が発売されたときにサーバーがダウンするというのは一つのサイトにアクセスが集中する輻輳が起こるために発生しています。
この輻輳を防ぐために、通信会社などは多くのサーバーを用意していてそれぞれのサーバーにデータ(車)を振り分けることで一つのサーバー(出口)にアクセスが集中するのを防いでいるのです。
通信障害はそんなサーバーに割り振る機能が何かの不具合でうまくいかないときに発生することが多いみたいです。
トラフィックの基礎
データ、トラフィックと呼ばれる、先ほど道路で説明した「車」に当たる部分についてもう少し詳しく説明を追加していきます。
基本、僕たちが使っているスマホなどの通信では、スマホからデータを送って、データが返ってきて初めて通信が成り立ちます。
インターネットやSNSを見る際なども小さなメールのやり取りをしているようなイメージを持っていただければと思います。
スマホから送信されるデータはサーバーで処理が行われ、返信としてサーバーからデータが返ってきてスマホの画面で動作を確認することができるのです。
なので、トラフィック、データが途中で止まってしまうと送信したデータが処理されずスマホ側としては返信を待ち続けているという形になります。
これによってスマホを使っている側としては通信が遅い、繋がらないとなるのです。
ちなみにたまにサイトなどで403エラーなどが返ってくる場合がありますが、こちらは通信が原因ではなく、サーバー側からの返信は届いていてその結果が403エラーということになります。
返信が返ってこない場合はそもそも403エラーなどの画面が出てくることすらないんですね。
通信障害時の対処法
では輻輳や通信について知識がついてきたところで、このような通信障害から身を守るためやいざという時の対処法について紹介していきます。
災害が起こった時などに通信障害なんてなってしまったら、悔いても悔い切れませんから。
対処法としては以下の2点です。
①予備のスマホの通信は別会社にする
②e-SIMを予備用のSIMとして契約する
①から説明していきます。
予備のスマホを用意して、そちらに挿すSIMカードをメインで使うスマホの会社とは別会社にするという方法になります。
予備のスマホを用意する必要があったり、SIMカードを別で用意する必要があるので、少々時間とお金と手間がかかる方法になりますが、緊急事態には確実に役に立つ方法です。
仮にメインのスマホが壊れてしまうというアクシデントがあった場合にも対応できる方法になります。
メインのスマホがドコモ回線などであれば、予備用のスマホのSIMはソフトバンクやauの回線を利用しているものを使う。
メインのスマホがソフトバンクであれば、予備のスマホはドコモや楽天モバイルを使うといった感じです。
組み合わせは自由で、なるべく予備用のスマホのSIMは安いのにしとくと家計的にも良いと思います。
メインのスマホがドコモであれば、予備はLINEMOがおすすめです。
メインのスマホがソフトバンクであれば、予備はOCNモバイルONEがおすすめです。
メインのスマホが楽天モバイルであれば、LINEMO、OCNモバイルONEどちらもおすすめです。
②は予備のスマホを持つことなく、一台のスマホで完結する方法になります。
e-SIMとよばれるSIMを契約することで、SIMカードは一枚でも内部的には二つのSIMとしてスマホを利用することができる使い方です。
e-SIMは物理的なSIMカードというものはなく、契約を確立した時点で使えるようになるSIMになります。
e-SIMに対応した機種というのが条件になってきますが、最近出ているスマホの多くがこのe-SIMに対応してきているので、現在使っているスマホも対応している可能性は高いと思います。
E-SIMの契約としておすすめなのは、LINEMO、日本通信SIM、楽天モバイルです。
Povo2.0という基本料無料というe-SIMもおすすめでとにかく2個目の回線は費用を抑えたい場合はpovo2.0も検討してみてください。
今回紹介したSIMならどれもおすすめですが、一点注意点です。
メインで使う回線とは別のものにするという点です。
①でも説明したことになる部分ですが、元々の狙いが一つの回線が通信障害になった時の対処法ということですので、回線が被るということは避けるようにしたいところです。
どの通信がどの回線を使っているのかなどは別記事にて説明しているので、それぞれの格安SIMの記事をご覧ください。
まとめ
今回は、楽天モバイルで発生した通信障害の原因解説と通信障害に備える方法についてご紹介してきました。
通信障害への理解が深まっていれば幸いです。
最近多い気がする通信障害ですが、対策ができていれば安心ですね。
つながらないといけない用事があるときに限って、繋がらないということはよくあるので、ぜひこの機会に対策を検討してみてください。
では、皆さんのスマホライフがより良いものになることを祈っています。
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